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おいらが聖女~俺が宇宙の戦闘機?外伝~  作者: ケモブキ
第1章
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忍者カトちゃん

 天井板が外れて覆面顔が頭を出す。


『いや逃げてくれても追撃なんかしなかったんですけど?』

「いえ、これでも影の世界に住まう者のはしくれでございますれば己より強い方に歯向かうつもりもございませぬ、何より……」


男が床に音も無く降り立ち覆面を外す……エルフだ!


「我らメイプルリーファーの一族をお守りする使命を持つ者にございます。」

『と言ってもこいつミラリオス・アルトラパン・メイプルリーファーだっけ?そんな名前忘れちまってるから好きに生きてくれても構わんよ?なぁ?』

「ええ、あたしは見習い聖女リンジー・マッコール。この名前に愛着を持っています。」

「ではリンジー様とお呼び致します。」

『あ、こりゃ手強い。』


 シンとアーニャが目を点にして見ている。いきなり訳の解らん茶番劇見せられたらそうなるだろうな……


「リンジー様、アルトラパン……エルフの王族は途絶えました。」

『いやこいつの兄ちゃん居るんでしょ?ディスクグラインダーとか言う……』

「マスヤマさん、ディクリウスです。」

『司祭、ありがとうございます。それを探せばいいんじゃない?え~っと……ハットリくん?』

「あ!申し遅れました。拙者フェニックス・カトーと申します。」

『んじゃカトちゃん、そのリンジーの兄ちゃんは今共和国で帝国勇者と仲良くやってるみたいだよ?そっちは放置でいいの?』

「ディクリウス様はトライサブ陣営に傀儡魔法で操られております。第一帝国勇者抹殺の為に送り込まれたはずですが……」

『困った時のフレイヤ通信。フレイヤ様ぁ~!』

「ちょっとマスヤマなにしてんのよ?」

“呼びましたか?”

「フレイヤ様もホイホイ応えないでください!」

『フレイヤ様、ヒステリーって怖いですね。』

“わたくしは可愛く感じますが、さて、どうしましたか?”

『こっちのカトちゃんがディクリウスさん傀儡魔法で操られて克っしゃん抹殺に行ったと言ってるんですが?』

“その通りですよ。ただオゴウ殿はそんなディクリウスを赦し友人として同行しています。今も共和国の惑星アマテラスで女神アマテラスの巫女たちと遊んでいるはずですよ?それが終わればこちらに向かうと言っています。”

『それを聞いて安心しました。早く克っしゃんに会いたいともし向こうに行く事があれば伝えてくれると嬉しいです。』

“むこうもマスさんに会いたいと言ってましたよ。何でもこちらに来るのに共和国、帝国合同で宇宙戦艦作ってるみたいですよ。”

『あいつそんなの乗り回してるのか……』

“それ自体が地表に降りられるか不明ですが……彼は共和国准将でもありますので。”

『あ~、そりゃ命狙われますわね。すごいVIPなんだ……』

“本人は全く気にして無いんですがね。この前水族館で子供たちにカブトガニの雌雄のみわけかた講座してましたし。”

「……聞いていてどういう人間か理解しにくいのですが……」

『I yam what I yam and that's all what I yam.って言葉の体現者ですよ司祭。』

「私は私でそしてそれが私の全てか……」

『元々海兵のポパイって奴の言葉です、俺は俺でそれが俺の全てだ。だからあいつは無理をしない。無茶はしてもね。』

「ああマスヤマさんが自然体でダンジョンに挑んだのって……」

『まぁあれも無理はしなかったよね。シンさん横で見てたから判るでしょ?』

「いや……いきなりリッチとやり合うのは無茶以外の何者でも無いような……」

『あれが複数出て居たなら無理でしょうけどタイマンなら無茶の範囲でシンさんが援護してくれるなら脅威度はグッと下がりますよ。』

「お二方、何でそのリッチ倒したんですか?」

「アーニャが殺されたんでカッとなって。」

『外に出られたら敵わないんでなんとなく……』

「え?出てくる可能性有ったんですか?」

『その為にアーニャの魂生け贄にしてたんですよ。だからこそ倒すまで再生できなかった。貼り付け状態の時から何度か復活はかけましたが成功しなかったのはそれででしょうね。』

「え?あたしそんなに何回も?」

『お嬢はん、言うたらワシは命の恩人や……解ったらおやつ分けてもらいまっせぇ?』

「悪役ムーブしてると思ったら……」

『3日後にイチゴタルトが出ると見た!』

「本当に食べたいんなら買って来ますよ?」

『いやシンさん、普通に女神様の思し召しですとか言うとリンジーの評価が上がってしまうかも知れませんので。』

「上げるの手伝ってくれてもいいじゃん!」

『おいらに面白味無いやん?おいらの障害を抜けながら聖女の星を掴め!』

「あんた何言ってんのよ?」

『へへっ……リンジーよぉ……ワシと一緒に涙橋を渡るんじゃぁ!』

「いや……あんたの言動付いていけないんだけど?」

『やっぱり突っ込み役に克っしゃん欲しいな……』

「帝国勇者なら今の言動に付いて行けると?」

『あいつなら適当な所で「違うやろ!」とか入れてくれるはずだ。でなければこのリンジー一座のお笑い公演は失敗する。』

「「お笑い公演じゃない!」」

『ディノス騎士長、オスカー司祭、それが突っ込みです。精進してください。』

「なんでやねん!」

『そうそうその調子ですオスカー司祭。さて理由ですが、面白きこともなき世を面白く。こんなモンスターが跋扈するような危険な世界だがまぁもう少し生きてみてやろうと思わせる事に有ります。』

「何でですか?意味無いと思いますが?」

『シンさんの考えもごもっとも、ただこの方が回復魔法の効きがいいんですよ。』

「本当ですか司祭様?」

「まぁそういう研究も在りますがまだ答えは出てないはずです。」

『シンさん、リンジーに微笑みながら回復させられるのと爺さん僧侶が眉間にシワ寄せながら回復させられるのとどっちが効くと思う?』

「同じだろうけど聖女様にかけてもらった方が効きそうな……」

『おいら達の世界じゃこれをプラシーボ(偽薬)効果と言い、不治の病まで治してしまった症例が有ります。』

「ええと……つまり?」

「鰯の頭も信心から。効くと思い込めば鰯の頭飾ってても魔除けになるもんだ。それをこの世界に広げる!」

{あと30分やで?}

全くゲーセンに行ったりするから……

{人の所為にすな!}

と言う訳でファンタジー世界にプラシーボ効果を広めたい増山です。まぁ身体が聖女なんで普通に魔法で治せるんですけどね。

{なんでわざわざ?}

来週答える予定。


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