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おいらが聖女~俺が宇宙の戦闘機?外伝~  作者: ケモブキ
第1章
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天井裏の間諜

「美味いシチューでしたな。」


ディノスに応えてシチューを持つシンが話しかける。


「しかしいくらなんでももうお説教は終わって……」

「マスヤマさん、リンジーは不器用なんですから魔物に突っ込んではいけません。あなたの運動神経は信頼していますがリンジーの身体は信用できないんですよ。」


まだ続いていた。


「あの……オスカー司祭、パンとシチューをもらって来ました。」

「ああシンさんありがとうございます。リンジー、冷めないうちにいただきましょう。」


アーニャは小声で本当にまだ続いてたとか呟いている。

リンジーは捨てられた仔犬の様な目でシンを見ていた。


「何故か非難されてる気がするんですが……?」

「奇遇ですね、わっしもです。」

「でも騎士長さん、本当に前衛お願いしていいんですか?」

「ええ、基本わっしと司祭様が前衛しますんでお二人は聖女様を護ってあげてください。」

「でも聖女様が暴れだしたら俺たちじゃ止まりませんよ?」

「ほほう……そんなに凄いですか?」

「はい……掌で魔術塊を弾き特殊杖で魔法を打ち返す。ケイブウルフの頭を特殊杖で砕きオークの頭を蹴り落とす……エインヘリヤルが入っていると聞いて納得できたくらいですから。」

『いやいやシンの弓遣いも凄かったよ、ゴブリンの頭吹き飛ばしたりオーガの胸板に大穴開けたり、リッチ攻略のヒントもシンにもらったしね。』


オスカーが怪訝な顔をして聞きただす。


「それはどういう事ですか?」

『シンの矢が当たった時骨が一瞬白くなったんですよ。んで矢に何の魔法載せてんのつったら死霊退散(ターンアンデッド)だっつーんでヌンチャクに怨霊浄化(ホーリーブレス)掛けた上に目に捩じ込んで捻って骸骨割りました。』

「……神聖魔法以外リッチに効かないのは?」

『単独で死霊退散(ターンアンデッド)かけても涼しい顔して耐えてたんでそうだろうなと。』

「リンジーからの助言とかは?」

『失神してたみたいです。』


オスカーのこめかみに血管が浮いたのを増山は見た。


「リンジー、どういう事ですか?」

「マスヤマはダンジョンに慣れてる様なので……」

『いやおいら初ダンジョンでモンスター倒したのも初めてだけど?』

「え?あんたゴブリン蹴り殺したじゃない?」

『ああ、ゴブリンもモンスターか……なら2回目だ。元の世界あんなの居なかったし。』


衝撃の告白だった。


「え?マスヤマさん最初のダンジョンアタックでリッチ倒したんですか?」

『うんまぁ……ここが初心者用ダンジョンで助かったよ。』

「ここ中級者用ですよ?」

『またまたシンはおいらを担ごうとして……マジですか?』

「リッチが涌いた時点で中級者用です。初心者用はまず大怪我もする人間居ませんから。」

『ちょっとオスカーさん?』

「マスヤマさん……何も青筋立てんでも……リンジー説明しなかったんですか?」

「いや普通にずんずん入っていったんで……シンさんが斥候してくれましたし。」

「俺はアーニャ助けたい一心で……すいません。」

『いやいやシンとアーニャ罵るつもりは無いですよ?オスカーさん、なんで一言無かったんですか?』

「私が入った時は中級と言っても初級にリビングデッドが居る位のショボいダンジョンだったんですよ?」

「ああ、ここ12年前に中級にランクアップしたんでその頃ですかね?」

「ねぇシン、手刀切断のオスカー司祭がショボいって言ってもかなりレベル高いんじゃない?」

『まぁ実際強敵なのはリッチだけだったしな。ゾンビやリビングデッドは囲まれて袋叩きにされない限り何とかなるし。』

「なるんですか?」

「ゾンビは歩く程度ですしリビングデッドも走りはしますが急な方向転換はできませんから。」

『だから初めにそれ教えてくれよぉ……まぁディノスのおっちゃんも説明する時間が無かったのは認めるけど。』

「マスヤマ、ゾンビやアンデッドって元は人間なのよ?」

『うん、それで?こっちに牙剥いたら敵だよな?』

「う~ん、えっとね……」

『例えば野盗、盗賊の類は人間なんだが殺されてやる義理なんかねぇよな?おいら博愛主義だから隠れてるの探してまでは殺さねぇけど、人様のお宝や命を狙った以上ゴブリンスライムの値打ちもねぇモンスターと認識する。』

「マスヤマさん、世の中には義賊も居るんですよ?」

『アーニャ、例えば悪徳商人や貴族だけを狙うんなら見逃すと思うけど、まかり間違って子供でも殺したら地獄の底まで追い詰めるぜ?』

「そういうマスヤマさんはそれこそいい人殺しても罪にならないんですが?」

『おいらの行動は女神フレイヤの意志……って言うと傲慢かな?まぁうちの地方の地獄って272在るんだよ。そんなとこ行きたいと思う?』

「あれ?悪魔は居ないんじゃ?」

『ああ、神の命令で閻魔大王ってのが獄卒……解りやすく言えばオーガの集団を従えて見張ってるんだ。人が死ぬと閻魔大王の前に連れて行かれて過去を調べられ良い人は極楽浄土へ、悪人は地獄へご招待ってなるって知り合いの坊主が言ってた。』

「子供がですか?」

『違う違う、こっちのプリーストを坊主って言うんだよ。』

「面白い死生感ですねぇ。」

『それでその閻魔の持つノートにはその人がやったことが書いてある、だれも見ていなくても天知る地知る己知るってな。だから悪いことはしないでおきましょうってのがうちの地方の教えなんだよ。』

「高潔な教えです。」

『いやいやシン、それでも悪い奴は居なくならない。だから最終手段もある。悪党に悪党をぶつけるんだ。で、疲弊したところを軍で叩く……盗賊の話からずいぶん逸れたな。』

「まぁでもマスヤマさんがあまり盗賊狩りしたくない事は解りました。」

『で、納得したら出てきてくれねぇか?天井裏の人!』


ガタッ!天井から不自然な音がする。

シンが弓を、アーニャが杖を構える。


『いいよ、敵意も殺意も無いから放っといて。』

「聖女様……ここでの事聞かれたのでは?」

『うん、でもおいらの地方の地獄の話だよ?こっちの人に意味はないと思うよ。人間用の間諜(スパイ)みたいだし。』

「聖女様……落ち着いておられますな?」

『雇い主が貴族か何かだよ。戦闘力も低いし、こっちのメンバーで勝てないのは俺が居ないリンジー位だよ。』

「何も逃がさなくても……」

『ディノスのおっちゃん、丸裸は最強だよ?』

{あれ?この物語敵居るん?}

居なきゃ小合と共同戦線張れないだろうが?

{クリム連れて来て「食え」で終わるけど?}

そりゃ終わるけどそんなん見たいか?

{んで山書は?}

一般人出すん難しいわ……借り物だからメチャクチャできないし……

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