小合、ミツクニ公爵と空を駆ける
増『お見苦しい物をお見せしました。それではミツクニ公爵、祈りをお願いします。』
ケ「あっしがご案内いたしやす。ささ、こちらへ。」
ミ「なんかややこしい時に来たみたいで申し訳ない。」
ケ「いやいやこちらこそ寛いで戴けず申し訳ありやせん。元々あっしがこの洞窟管理してたんでやすが30年程前に引退しやしてね……久し振りに来たら魔族が居やがったんでさ。」
ミ「何であのレッドドラゴンに?」
ケ「野郎神力を洞窟に使ってねぇだけじゃなく魔族とつるんでやがったんであっしが倒されると洞窟が潰れる可能性が高かったんですよ……っと、ここで祈って下せぇ。通じるとコアが光やす。」
ミ「なんか雷鳴ってません?」
ケ「アマテラス様の神力でやす、安心して下せぇ。」
1分足らずでコアが輝き始める。
ケ「こりゃ早い。お貴族様よほど大切な方を祈りなすったね?」
ミ「わかりますか龍さん……」
ケ「でもこれで大丈夫でやすよ。龍脈はお貴族様の願いを聞き入れやした。さあ皆さんの所へ……」
戻ると小合が焦げて転がっていた。
ミ「何が有ったんですか?」
増『美しい姉弟喧嘩です。克っしゃん終わったぞ?』
克『よし、そんじゃ貴族様送って来るわ。』
何事も無いように起き上がる小合
克『婚約者さんの所までどの程度ですか?』
ミ「馬車で7日って所ですね。」
克『送りましょう、表のコスモバイクに乗って下さい。』
克『ここに足置いて俺に掴まってて下さいね?方向はあっちで良いですか?』
ミ「はい、ですが数日かかりますよ?」
克『一時間でお届けします。増さんクリム頼むわ。』
ク[ごすじん、ぼくの子貴族様と増さんに。]
克『サンキュークリム。貴族様、これはオリハルコンスライムの子でテレパシー通信で同族と話せます。収納と治癒呪文も使えますんで可愛がってやって下さい。増さん以下同文。』
増『たまに手ェ抜くなぁ……』
克『では行きますか。』
キュキュガオウンゴゴゴゴゴ……
ミ「うわ?」
克『目覚めただけです。噛まないから安心して下さい。飛びますよ?』
ふわっと5メートル程垂直に飛び上がったサムライソードはゆっくりと前進を始める。
ミ「これは……」
克『本気なら音の数倍で飛べますがそこまでは出しません。4つめの街の邸宅ですね?』
ミ「はい、乗り心地も最高です。これは帝国の技術ですか?」
克『共和国の悪魔の発明です。もっと早く来たかったのですが……』
ミ「いえ、帝国勇者様。ありがとうございます。」
克『増山を助けていただいていると聞いています。あいつは今少女ですが昔は男で一緒にいろいろやってたんですよ……』
ミ「いい友達だったみたいですね。」
克『あ!JUN太忘れて来た。』
{おるわい!カウルの中に居場所有るんじゃ!そのまま西南西に飛べ。}
リ「ピクシーさん?ピクシーさん!どこに行ったの?」
グ「そんなの居たっけ……ってあのネズミか?尻尾のでかい……」
ク[JUNならごすじんに付いて行ってると思うよ?ごすじんのユニットだし。]
増『なぁクリムちゃん、あいつ佳寿ちゃんと会えたのか?』
ク[うん、帝国からバラバラで帰った時は体中にナイフ刺してた。]
増『なんだそりゃ?』
ク[応急措置でブリキの体にしたら刺して遊んでたの~。リョクねーちゃんやナベさんも止めなかった~。]
ム「過激な夫婦だなオイ……」
増『ナベって渡辺か……リョクは川口碧かな?』
ク[そんななまえ~、で、ナベさんでっかいゴブリンでリョクねーちゃんノーパンドラゴン~。]
ニ{のーぱんって?}
ク[変身すると破れるから穿かないんだって~。]
ニ{我も~。}
ク[で、ごすじん変態龍って言ってるの~。ニーズちゃんも変態龍になる~?]
ニ{や~!}
克『何も考えずに飛んで来ましたが……あのお屋敷ですよね?』
ミ「はい、そのまま正門の前にお願いします。」
衆人環視の中着陸するサムライソード。あ、JUNが這い出てきた。
「ミツクニ・ヒタチ。七洞窟巡りを終えて罷り越した!開門願う!」
重厚な門が開き……
克『ではあっしはこの辺で……』
ミ「まぁそう言わないでオゴウさん。こちらは帝国英雄にして共和国准将オゴウ・カツミ様である。今回の七洞窟巡りに多大なる助力を賜った!ヒロコはどこじゃ?」
「公爵様、お畏れながらヒロコ様はまだ目覚めてはおりません。」
克『え?……ヤバいかも。貴族様、体力が下がりすぎかも知れない。早く行かなきゃ!』
ミ「通る!ヒロコ!ヒロコどこだ?」
「公爵様、ヒロコ様はこちらでございます。」
天蓋付きベッドに横たわる幼女……魔力が欠乏している。
克『やっぱりか……我が魔力を用いてこの者に体力を与えん、蘇生!』
土気色の肌にうっすら赤みがさし……眼を開く。
「ミツクニ様……大きくなって……」
ミ「ヒロコ、七洞窟巡り終わったぞ。もう大丈夫だ。」
「……そちらの方は?ただのゴーレムに無い神々しさが……」
ミ「こちらは帝国英雄オゴウ・カツミ様。我が聖女ミラリオス・アルトラパン様のエインヘリヤルであるマスヤマ様の御朋友だ。」
克『それでは私はこの辺で。ヒロコ様、好き嫌いなくお食べください。さすればミツクニ様と並び立つ美女になられましょう。では。』
ミ「オゴウ様、ありがとうございました。私で役に立つ事が有ればいつでも仰ってください。」
克『ありがとうございます。行くぞJUN太。』
てててっと走って来るJUN。
{おっさん、女の子にエキノコックスワーム入れといたぞ。治癒力3倍プラス成長促進だ。}
『ご苦労さん、クリム迎えに行くか。お前胸に入っといてくれ。』
門の外に置いておいたサムライソードに跨がり、小合は空中に駆け上がる。
{で、ロリエルフと楽しくやってる映像は佳寿子に見せて構わんのだろうか?}
『良いけどちゃんと説明しろよお前は!』
来週で一年、皆様に可愛がって頂いた本番外編ですが来週でしばらくお休みさせていただきます。
登場人物達は適宜本編の方で活躍する予定ですのでどうかこれからも宜しくお願い致します。




