ディノス合流
「なんと……わしも頭おかしいじゃと?」
「おかしくねーと死んだ人間蘇らせようと思わねーしおっさんに広範囲呪文ぶっ放さねーよ!」
『結局みんな頭おかしいのか……おいら以外。』
“キングオブキングスが何を言いますか?”
『ではフレイヤ様も頭おかしくなれ!』
“そやつは元々…”
“アマテラス様にポチ借りて来ますよ?”
『そのポチと言うのは?』
“オーディーン様に噛み付いたフェンリルですが?”
『うちの主神あれ飼い慣らしたのか……』
“このように高天原の神々は頭おかしい戦闘力を持っておる。”
『アマテラスの姐ちゃん戦闘力皆無だったと思うけど?』
“いやいや普通に強いじゃろ?”
「ところで頭おかしい決定戦は決まりましたか?」
『はぁ、素手でドラゴン殴りに行くオスカー司祭が一番頭おかしいかと。』
「オスカーよ、下手に口挟むと一番頭おかしくされるぞ?今オーディーン様とフレイヤ様とアマテラス様が頭おかしくされたばかりだ。」
「何と罰当たりな!」
『って司祭はナックルダスター買ったんですか?』
「はい、せめてこの十字架で天国に送ってあげましょう。」
『その付いてる十字架は祈る為のモノではなく傷付ける為のモノだと思うんですが……』
「外しましょうか?」
十字架を外すと小さな刃が立っていた……
『付けておいてクダサイ……』
「オスカーが一番凶悪な得物持ってるじゃねーか!」
「ほうほう……今度オリハルコン手に入ったらそれオリハルコンで複製してみるかのう。」
「マグナス!是非頼みます!」
「な?嬢ちゃんオスカーが一番アブねぇだろ?」
『まぁ大抵教会関係者ってあんなもんだし……』
「さぁ皆さん!そろそろ夕食にしましょう!」
ソウドの案内で食堂に入る。公爵邸の料理に勝るとも劣らないご馳走が有った。
「なぁ、オデは離れてた方が良いか?」
『うるせぇ!仲間は一緒に食うんだよ!おいらかリンジーの真似して食えばいいから。』
「すまねぇ、テーブルマナーとか言うのは知らないからな。」
『そりゃ追々覚えりゃいい。な?野宿の方が楽だろう?』
「こりゃゴールディー!グロリアに自分の趣味押し付けりで無いわ!」
「いや爺さん、オデは野生生物だったしよ……」
「気にするな!他人に聞かれたら記憶が無いと言って誤魔化しゃええ。」
「お前らは……」
「あ!ゴールディーちゃんグロリアさん泣かしてる!」
「エインヘリヤル様が男なら判るんですがね……」
『って、別にいじめてた訳じゃないぞ?』
「すまねぇ、優しくされたの初めてでよ……」
「酷いですよ司祭様~!」
『あれ?おいらおっちゃんに似た人知ってるよ?』
「ディノス本人ですよマスヤマさん!王都で司祭様に放って行かれたんですよ!」
「そう言えばマッコール孤児院探してもらってました……」
「誰も知らなくて……公爵様が公爵邸の中に移設したと聞いて行ってみたらシスターにもう出発したと言われて……王様に行き先聞いたら祈りの七洞窟巡りだと……」
「オスカー……お前酷い奴じゃな。」
「ああ、さすがにおっさんも引くわ。」
「明日はオーガの洞窟です。ディノス騎士長、あなたの防御力に期待します。」
『誤魔化したな……ところでディノスのおっちゃん、おいらこの姿だと初めてだと思うんだけど?』
「オーラの色は誤魔化せませんよ、特にマスヤマさんのは綺麗な金色だ。一度見たら忘れません。」
{我は?}
「お嬢ちゃんのは黒いね……でも金色の光が差して銀色の地平が見える……聖女様とマスヤマさんに助けられたのかな?」
{うん、ママと親方に助けてもらった。}
「ディノス騎士長……その子邪竜ニーズヘッグです。」
「そうか~ニーズヘッグちゃんって言うのか~……ニーズヘッグ?」
{うん、よろしくね~!}
ニーズは首から掛けている冒険者ギルドのSSS級従魔登録証を見せる。
「え……本当にニーズヘッグ……こんなにかわいいのに?」
『うん、聖女パーティーの切り札だよ。』
「あら?ディノス騎士長?お元気でしたか?」
「聖女様?オーラの色が変わられてますが……前はもう少し紫がかった……」
「この色かな?」
「そうそう……えっ?」
『それはニーズヘッグを押さえ込んでたリンジーの第2人格だよ。リンジーもなかなかややこしい変態だったんだ。』
「変態言うな。」
『そんな漆黒のビキニ鎧着て彷徨く奴に変態以外どう呼べばいいのか。』
「あんた女の子にモテないわよ?」
『構わんよ?今おいら女だし。』
「ところでそちらの女性は?」
『ああ、グロリアはまた紹介するよ。記憶無くしてるんでお手柔らかにね。』
「はぁ、そういう事でしたら。」
『それとカトちゃんの村のジェーンさんです。あとミツクニ公爵。ディノスのおっちゃんが居ない時に仲間になったのはこれだけだね。』
「いやいや結構な大所帯になりましたな。」
『公爵の祈りを成就させて魔族を倒さなきゃならないからね。ただ魔族の対応はおいらとニーズがやるからディノスのおっちゃんにはリンジーの戦闘訓練頼みたいんだ。今はムサシのおっちゃんが見てくれてるんだけどどうも適性が無いみたいで。ただ手足の一本二本は無くしてもこっちに向かってる帝国勇者がエリクサー量産に成功してるらしいから心配しなくていい。』
「また凄いVIPが出て来ましたな。」
『前の世界で友達だったんだよ。小合克己とは。今はこの国を連邦から切り離そうと色々やってるみたいだよ。』
「帝国勇者ですか……恐ろしい噂が広まってますがね。」
『たぶん本当だと思うよ?おいらは神様から聞いたんだけど50人蘇生はデミウルゴス様の案件だったとオーディーン様が言ってたし、凄い竜やスライム仲間にして宇宙戦艦でこっちに向かってるらしい。』
「いや……共和国の悪魔と呼ばれる天才がバックに居るとか。手のひらに乗る獣人の妖精を使役してるとか……」
『うん、それらも可能性は有るね。ただそれが恐ろしい物で有るならあいつはこの世界に喚ばれなかったはずなんだ。今はロボット……メタルゴーレムらしいけどそれはそんなに恐ろしい物じゃないと思うよ。』
{あ……これ忘れてたな?}
うん、何か足りないなと……
{あと15分やぞ?}
明日は俺も早いんだよ!




