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先週は申し訳有りませんでした
「ニーズヘッグの怒りねぇ……」
「そう言えば領主様の屋敷が半壊してるな。」
「あの女偽物だったのか?」
「見た目はかわいい幼女だったと門番が言ってたぜ?」
「そっちが偽物なんじゃ?」
翌朝立った触れ書きに集まる人々を見ながらニーズヘッグはパンを齧っていた。
「こりゃここで変身解除したら身動き取れねぇな。」
「ムサシ殿もそう思い申すか?」
「みんな、すまんがわしの娘知らんか?」
「ん?ミツクニ公爵も帰って来てないですね?」
「ニーズちゃんあの2人はどこ?」
{モグモグ……我の偽物拷問してるよ?誰かに命令されたかとか……}
「いきなり拷問って……爪剥がしたり指折ったり?」
{普通に聞いてたけど?}
「もしかしたら尋問と言いたかったのでは?」
{それ!}
「エインヘリヤルと高級貴族の尋問ねぇ……」
『ねぇ偽ニーズさん。我々はあなたを殺したい訳じゃ無いんですよ?ただ前の国王が魔族と関係持ってましてね……うちのカミさんが言うにはきっちり裏を取れとね……』
「ゴ……ミラリオス様、あんた奥さん居ないでしょ?」
『え?うちの神さん、つまりフレイヤ様ですが?』
「そんな神様を気軽に呼ぶとは……」
“呼びましたか?わたくしたちもそこのマ……ミラリオスには世話になっているんですよ。”
『フレイヤ様……仕方ないので永劫地獄に落としましょう。』
“永劫地獄と言えば……あなたの友達悪魔召喚してましたよ。”
『ソロモンの連中なら気のいい奴ばかりですよ?』
“いや、そうでなくて……”
『時代の流れが違ったら神になるべき連中です。克っしゃんが保護してたはずですが普通に克っしゃんの方が苛烈な性格のはずですよ?』
“帝国勇者がブチ切れて呼んだらしいですが……”
『何を言っても反省しない、人の言うことを聞かない人だったら更正不可能で投げたのかも……つまり永劫地獄。時間に囚われず苦痛を持って反省を促す魂の牢獄……』
“マスヤマ……じゃないミラリオス。あなたの友人は地獄の支配者か何かですか?”
『黄泉津大神イザナミの息子ですよ?姉ちゃんに聞いてませんか?』
“いえ……ところでこの人間は?”
『ニーズヘッグの偽物です。裏の繋がりを尋問してます。』
“シンガンは使わないんですか?”
『そんなの使えたのか……』
“神の因子が有れば大抵使えますよ。眼に力を入れてください。”
『変な光線出ません?』
「またフラグになるような……」
ぴー……ぼむ!
“出ましたね?魔力強すぎるんでは?”
「眼からビームですか?目玉焼きですか?」
『普段と変わらない公爵が怖い……ってこれなんで?』
“集まった魔力が破壊光線に変換されたのです。あなたどんどん人間離れしてますねぇ。”
『褒められてるのか貶されてるのか……さて……』
ジェーン、26歳、暗殺者LV2、魔族に唆されニーズヘッグの偽物を演じる。本人は魔族とは気付いてない。なおその魔族、ソルミラージュとムーンロッソは増山とニーズヘッグにより討伐済み。
『ソルミラージュとムーンロッソって誰でしょう?』
「ソル何とかは王宮でゴールディちゃんが首はねた魔族ですよ。ムーン何とかは知りませんが。」
『あ!多分ニーズが魂食った女魔族ですね。ジェーンさん、あんたの依頼者死んでるよ。』
「なんで名前知ってるのよ?」
『理由聞くと消さなきゃならなくなるけどいい?』
「え?あんた達ヤバい人なの?」
「ニーズヘッグ連れ歩いてる時点でヤバいと思いませんか?」
「あ……あれ本物だったんだ。まほろばの鏡に細工したんじゃなくて……」
『それ見せてもらえます?』
「壊さないでね?」
見事な細工の手鏡であった……
『テクマクマヤコンテクマクマヤコン アダルトタッチでカトちゃんになれ~!』
「何ですかその呪文は……フェニックス?」
『おや?カトちゃんの知り合いで?』
「同郷の者です。」
『んじゃさっさとカトちゃんに会ってもらおうか?』
「あ……彼とは掟によって……」
『捕虜の意見は聞きません。』
「でも彼を殺せと指令が……」
「その場合ヨシムネ王の勅命に反抗することになりますよ?」
「心の準備が……」
『知るか!会わせた方が面白そうだ。』
『と言う訳でお越しいただきました。』
「お嬢ちゃん……簀巻きで連行するのはお越しいただくとは言わねぇんだが……」
『カトちゃんは?』
じたばたじたばた……
「おう、これは判りやすいのう。」
「だってお風呂も入ってないし……」
『清浄!これ以上文句は言わさん。』
「目玉焼きの実験台になりますか?」
「公爵様、それはなんじゃ?」
「ゴールディーちゃん目から破壊光線出せるんです。」
『ほら、おいらエルフだから。多分リンジーも出せるよ?』
「出ませんよ!娘放っておいて何を公爵様と外泊してるんですか!」
『リンジー……その言葉は聖女として如何なものか?』
「一番エインヘリヤルっぽくない人に言われた?」
「ちょっと待ってください!この娘エインヘリヤルなんですか?」
「更に聖女ミラリオス・アルトラパン・メイプルリーファー様の影武者でもござるよ?それで来たのでは無いのでござるか?」
『この人ニーズの偽物やってたんだけどカトちゃんの知り合いみたいなんで連れて来た。』
「マスヤマさん、何でもホイホイ連れて来るんじゃありません!」
「オスカーはうるさいのう。面白くなりそうだから連れて来たんじゃろ?」
『うん、カトちゃんが怪我する可能性もミラリオスが怪我する可能性も無いから。』
「ねぇ、さっきからミラリオスって誰よ?貴女じゃないの?」
「ジェーン……お前暗殺のターゲットの名前知らなかったでござるか?」
「え?あんたが里から逃げたから追いかけて来たんですけど?」
『掟で殺すとかどうとか……』
「抜け忍消すべしってのが里の掟で……あと聖女討伐派のゲンヨウサイは魔族と密通の疑い有りでムレオクリになったわよ。」
『村は大丈夫?カトちゃんの実力なら平気だけどジェーンさんの実力だと……』
「ああ、ジェーンは見習いでござれば。」
『見習いで暗殺レベル2って……』
「ほほう……シェイプシフターを倒し申したか……マスヤマ殿、リンジー様、拙者が面倒見る故この者の同行の許可を……」
『元々そのつもりですが何か?』
{偽ニーズ味方にしてどうする?}
他人に化けられるから囮になるのよね。
{外道かこのおっさん!}
その間に本物は敵の後背を衝く。これから敵も大規模な作戦立てて来る予定だし。
{やっぱり外道だこのおっさん。}




