いろいろ出てくる……
で、スライムのダンジョンである
{親方、コレ飼いたい!}
「ダメですよニーズちゃん、小さいスライムは人の言葉理解できないんですから。」
『帝国英雄からオリハルコンスライムの子を譲ってもらおうな。アーニャ、そう言うの有るんだ?』
「ええ、テイムできるのはビッグスライム以上。キングスライムや融合スライムは1匹じゃない場合とかテイムできません。」
「ねーマスヤマ、スライム来ないんですけど?」
「それはニーズちゃんの所為でござろう。聖女様はドラゴンが来たら逃げないでござるか?」
「今まで人間以外に襲われた事は無いわよ?あれ?そう言えばこの前まで盗賊にも襲われ無かったのに?」
{あ、それもたぶん我が居たから。}
『虫除け剤かニーズヘッグ……ってここのダンジョンそろそろ終わりなんだが?』
{お~いダンジョンボス、いないのか?}
“ニーズヘッグ様……何故わざわざこのような場所に?”
{そこの人間に祈らせてやってほしい。成長阻害の呪を解きたい。}
“20年ほど前に魔族がやっておりましたな。”
『その魔族覚えてるか?』
“お前は何だ?このグラトニースライムに……”
{うちの親方に何言ってる?}
“ははぁ~、失礼致しました。スライム同士ならイメージの移動が……”
左手をスライムに戻し暴食に接続するゴールディー……
“エインヘリヤル様でしたか?早速七つのダンジョンに連絡を……”
『それはいい。この聖女を鍛えなきゃならないんでな。』
“ではチームの絆も与えましょう、その水晶に全員手をお当てください。”
水晶が光り、そして……
“これで経験値は等分されます。さぁ人間は祈りを……”
『あの水晶は何かのパイロットランプなのか?』
“ダンジョンコアが仕事をしている時にのみ光ります。”
{あと我は守護竜となったのであまり人間を苛めないように。}
“ははぁっ!”
『スライムのダンジョンクリア。早くない?』
「一番初心者向けだからな、これから難度は上がって行くぞ?」
『……とか言ってたよな父ちゃん?』
「まさかニーズ恐れて出て来んとは思わんわい!」
「ニーズヘッグだけじゃない。そのエルフ山喰らいスライムの気を放ってる。」
『さすがにゴブリンキングだと判るのか。』
「うむ、それはスライムダンジョンのボスの気配、祈りだな?ついて来い。」
『ダンジョンで戦いたきゃニーズ連れて来たらダメなのか?』
「通常のダンジョンではそうでもない、ここ祈りの七洞窟が変わっているのだ。あと祈る人間に戦わせるな。祈りがリセットされる。」
「おっさん達の時ドラゴンが襲って来たのは祈る人間が居なかったからか?」
「そうだ。あと順番を間違えたかだな。このあとすぐにドラゴンに行けば襲って来る。コボルト、オーク、オーガ、リッチ、ドラゴンの順番を間違えるな。さぁ人間、祈れ。」
ミツクニ公爵が祈りを捧げ……水晶が灯る。
「祈りの成就を願う。」
『ありがとうな、また会おう。』
「生き残りたきゃ有り金置いて行きな!」
『出ると思ったんだこんな馬鹿……』
「俺達の弓は鉄をも貫くぜ?」
「俺のもだ。」
シンが射た矢は5人を貫いた。
「神弓ニーズヘッグ、お前らに負けるような弓じゃない!」
「はぁーっ、煉獄焼夷弾」
小さな火の玉が着弾すると炎の竜巻が荒れ狂い……50メートル四方を焼き尽くした。
「マグナス師、凄い威力です!」
「アーニャも聖骨杖の使い方が判ってきたようじゃな。」
「マグナスこら!おっさんにあんなの打ち込もうとしてたんかい!」
「結構強そうな魔法じゃろ?」
「こんなの王宮でぶっ放そうとしないでください!」
「その場合止めなかったオスカーが悪い。」
「人の所為にすんなジジイ!」
「言われとるぞムサシ。」
「そういうときだけ人の名前間違えないんだな。」
『しまった!アジト聞き出してお宝貰うの忘れてた!』
「ねぇニーズ、マスヤマあたしを守銭奴守銭奴言うけどあいつの方が守銭奴じゃない?」
{うん……今ちょっと我も引いた。}
『で、わんこのダンジョンまでは遠いのか?』
「「「わんこって……」」」
「町越えた先でござるよ。普通は町で1泊でござる。」
『んじゃ町に急ごう。』
町には「歓迎!守護竜ニーズヘッグ様」の垂れ幕が掛かっていた。
{我なんで歓迎されてるの?}
『偽物でも出たんじゃないか?』
「罰が当たるぞおめぇら。ニーズヘッグ様がわざわざ王都からいらしてるのに。」
『そのニーズヘッグってこんな竜かい?』
どろんと竜態に変わるニーズヘッグ。
「あ?あ……あ……」
『おっちゃん、ニーズヘッグって何処に居るんだ?』
「今、領主様の屋敷で話してる……」
『その屋敷は?』
「私が知ってますよ。行きましょう。」
「いやいやニーズヘッグ様に来ていただけたらこの町も安泰です。」
「オホホホホ、そうであろう。では毎年金貨50枚を
……」
「どうするんですか偽物!」
「誰じゃ?」
『ええい控えい!』
{控えい!}
『このお方をどなたと心得る?畏れ多くも先のニーズヘッグ騒動の折り……公爵何してたっけ?』
オスカー司祭が後を繋げる。
「目撃者のミツクニ公爵である!」
「さてそこなBBA。ニーズヘッグに相違無いか?」
「はい、わたくしがニーズヘッグでございます。」
「ではこの娘は偽物と申すか?」
「畏れながらそのような小娘など……」
『ニーズ、変身解除。』
どろんと戻るニーズヘッグ、ご丁寧に50メートルバージョンである。崩れる領主邸……
偽ニーズのおばさんは……失禁しながら失神している。
{親方これどうするの?}
『こういう騙りをする奴は牢屋で反省なんだが……領主さん、どうなの?』
「はっ、もちろん仰せのままに。」
「あとニーズちゃんが壊した屋敷はお咎め無しでね?じゃなきゃヨシムネ王にチクるよ?」
「は……はい!」
『んじゃ野宿の件なんですが……』
「なんで野宿しようとするんですか?」
『おいらの中のビーパル精神が……』
「寝かしといてくださいそんなもん!宿の手配を頼みます。あの偽物は見られましたか?」
「ええ……たぶん。」
「なら触れ書きです。ニーズヘッグの偽物ニーズヘッグの怒りにより退治される。とね。」
{お?間に合ったか?}
ギリギリだけどな。
{コロナ復活か……}
まだ体はだるい。
{知るか!仕事の用意しろ!}




