武器を持ってみる
『困った……』
何がと言う事はないが日に数回の生理現象である。
「見るな聞くな嗅ぐな。」
『お……おぅ努力する……』
と言うか貴女が見てるもの強制的に見せられるんですが……ただ手を洗ってるリンジーに
『エルフの小水ってゆずジュースの味とかあったな。』
とボソッと口に出してしまって1時間口きいてくれないのである。
「あんたどんな世界から来たのよ?」
『エルフはすべからく巨乳でエッチな世界?』
「破廉恥な!」
『小さい胸のエルフはだいたい男だったな……友人の奥さんが良く漫画にしてた。』
“リンジー!あなたのお兄さんが見付かりました!”
「あたし兄が居るんですか?」
“はい、共和国のオゴウってアンドロイドと一緒に居ます。”
『ブッ!』
「何よ汚いわね。」
『自分の唾だろうに。』
「マスヤマさんどうしました?」
『いや友人と同じ名前だったんで……ほらさっきの漫画家だよ。』
「へ~、偶然って怖いわね。」
“ジョウノと言う友人と一緒でしたよ。あと飛行機に変形してました。”
『そっちは知らないなぁ……っていうかマシンロボかよ?やっぱり別人か。』
“お兄さんとは遠からず会えると思います。あなたの本名はミラリオスだそうですよ。”
『ダイハツの軽自動車みたいな名前だな。』
“正確にはミラリオス・アルトラパンらしいです。”
『スズキが乱入した。』
“同じ様な事をオゴウも言ってましたよ。あと帝国を経由すると来られるみたいなんで準備できしだい来るような事は言ってましたね。”
「ミラリオス・アルトラパン……なんとなく聞き覚えが有ります。」
『名前は魂に刻まれるって言うからな。面白い名前だと思わなければそう呼ばれてたんじゃないか?軽4ちゃん。』
「誰が軽4ちゃんよ?」
『リンジーマッコールより覚え易くていいぞ?』
「じゃぁリンジーって呼んで!」
『わかったよ軽4ちゃん。』
「我が頭に巣食う不浄なるものよ、我が呼び掛けに応え疾く冥界に向かい給え。怨霊浄化!」
『うぎゃあああぁぁ!
なんて言うと思ったかこの軽太郎。』
「そんな……悪霊払いの最上級呪文が……」
『誰が悪霊じゃい!そんな事するならこっちにも考えが有る。フッフッフ……』
「な……何する気よ?」
『風呂覗いてやる!その後裸のリンジーを絵にして教会に飾ってやる!』
「絵と言っても似てなきゃダメージ無いわよ。」
『さっきのパラパラ漫画の裏に……ヨシ!』
“あらマスヤマさんお上手ですね。”
「え……きゃああぁぁ!あんた何描いてんのよ?」
『アニメーター舐めんな。だいたいの骨格から想像すれば描けるわ。』
“あ……凄いスキルよね……レベル1なのにスキルレベルはいくつかカンストしてるわ……”
「聖女としては使えないけどね。」
「やぁリンジー、そうでもないぞ。先代聖女のユーコバ・ヤシオージ様は結構作品を残されてるし……」
「オスカー司祭!でもあの方の作品ってペガサスがスライムみたいで血塗れですが……」
『シュールレアリズムの人かな?そういう技法も有りますよ。』
「そうなんですか……でもあれはもっと禍々し……いや失礼。それよりリンジーは救済の旅に出なきゃならないんですよ。」
『おいらが憑いていますがよろしいので?』
「むしろあなたに護ってもらえる分他の聖女より安全かと。」
『それじゃ戦闘時、また不意討ち時のみリンジーの身体を借ります。』
「武器はどうしますか?」
『あ、レックス騎士長。刃物はダメでしたっけ?』
「ディノスです!そんな事は有りませんが何か良いものが在りますか?」
『30センチほどの硬い木を2本、先に10センチほど紐で繋げて下さい。』
リンジーのヌード描いてた紙の隅に双節棍の図を描いて渡……
「何渡してんのよ!?」
『いや紙がもったいないし……』
「使い古しでいいから別の紙使え!」
「そうですね、こちらは宗教画としてフレイヤ様に導かれる聖女の絵にしましょう。」
『軽4輪ジー、えらいことになったな?』
「なんであんな絵描いたのよ?」
『似てなきゃダメージは無いって言ってたのだ~れだ?』
「だからってそっくりに描かなくていいでしょうが!」
『承認欲求って怖いね。』
「あんたの性格が恐いわよ……」
ディノスのおっちゃんが1時間程度で注文通りのモノを持ってきてくれた。折れた木剣を改造したらしい。
「では練兵場に行きましょう。」
『これ結構危ないんで防具付けてもらえます?』
革の鎧と兜を着けて…相手ディノスのおっちゃんかよ?
「では1撃入れるまで。」
『なんでオスカー司祭まで居るの?』
「そんな玩具みたいなのでどう闘うか興味が有って。」
『OK、アイハブコントロール!』
「始め!」
おっちゃんの威圧……からの上段唐竹割を紐部分で往なして横面に打撃を入れる。
「それまで!いやはや結構な初見殺しだね。」
『こんなのもできるよ?』
ブルース・リーの真似してヒュンヒュン回す。
「これ金属で作ったら結構な武器ですよ。」
あ、おっちゃん復活した。
「確かにこのアチョー棒は……」
『ヌンチャクと呼んでクダサイ。』
「これってそんなに凄いの?」
『バカ!リンジー振り回すんじゃない!』
ぱこ~ん!
「痛い……」
『お前へのダメージはおいらにも入るんだからな?』
あ……頭がズキズキする……
「普段マスヤマさんが使ってたら聖女様が振り回しただけでも牽制になりませんかね?」
「問題はリンジーの器用さだよ……ほとんど回復魔法に回してるから……」
『誤魔化すだけならこう……横向き8の字に回せば……』
ゴン!
「肘が……肘が……」
『あんた何もせん方がいいと思うわ……』
このままさせてたら突き指じゃ済まないと思うし……
『こりゃ当分木製ヌンチャクだな……』
「え?ミスリルのヌンチャクは?」
『頭カチ割れる前に諦めろ。』
「嫌ねぇいくらあたしでも……」
パコン!
「リンジー、がっかりしろ傷は深い……」
「聖女様……それ扱う時はマスヤマさんに任せて下さい。」
「そんな……あたしが運動音痴みたいに……」
「「『みたいじゃなくてその通りなんだよ……』」」
{思ったよりノリノリで書いてるな。}
楽しく書かせてもらってるからな。
{で、リンジーもメイプルリーファー付くんか?}
ミラリオスになれば付くしリンジー・マッコールでは街エルフになるんで付かない。失われた記憶が復活すれば……って所で来年に続く。
{続かすな。}
しかし山口書店物語も書きたいしな……
{あざすさんとかなのちゃんの?}
元々おいらが聖女自体苦し紛れに書いた物だったし。
{ぶっちゃけんなドアホ!}
皆様良いお年を。
{フェードアウトすんなこら!}