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おいらが聖女~俺が宇宙の戦闘機?外伝~  作者: ケモブキ
第1章
14/53

ニーズヘッグ

「ミミズ……ニーズヘッグがミミズ……」

“ダイアナ、しっかりしなさい。わたくしがリンジーの守護戦士(エインヘリヤル)を何故彼に依頼したか理解しましたか?”

『フレイヤ様、自己紹介してないけど?』

“そうでしたっけ?では、わたくしが愛と「美」と豊穣の女神、フレイヤです。”

『別に美に力入れんでも……あと戦が抜けてまっせ?』

“わざとです。”

『こらそこのヴァナディース。』

“そう呼ぶあなたは不動明王。”

『何でやねん?』

“そう言う伝承も有るんですよ?”

「ゴールディーもフレイヤ様も漫才してますがダイアナの意識は飛びかけとりますぞ?」

“まぁ飛んだら飛んだで夢枕に立つだけですが?”

『オーディーン様にチクってやろう。』

“さっきから聞いとるよ?”

『何で出て来ないんですか?』

“会話に入ったらお主のペースに巻き込まれるじゃろ?(こっちはフレイヤが治める為の国じゃからできるだけ干渉したく無いんじゃ。)”

『本音と建前逆ですよ?ってそれなら余計においらが存在しちゃいかんのでは?』

“ニーズヘッグはフレイヤには荷が勝ちすぎててのう。”

『巫女を変えるとかは?』

“守銭奴娘が魂食われるぞ?お主が出ていってさぁ食おうとした時に一時帰国したんでまた隠れおったがの。”

克っしゃん(スサノオ)来てからの方が楽じゃない?』

“あやつオリハルコンスライムも手懐けておるから会った時点で勝利確定じゃ。それと明日の3時はわしも呼んでくれ。”

“オーディーン様……ケーキ食べるんですか?”

“帝国でいい酒を手に入れてのう。”

『太りまっせ?』

“主はデブは嫌いかの?”

『またイヌに噛まれても知りませんよ?』

“フェンリル狼じゃと言うのに!ホールで所望するぞ?ではの。”

『言いたいこと言って帰ったな……ダイアナさん、しっかりして下さい。ダイアナさん!』

「はっ……今オーディーン様が降臨されて……」

『ケーキをホールでねだってたでしょ?』

「何故それを?」

“本当にいらしてましたから。”

『あ……まだ居た。』

“居ますよ!わたくしの話は終わって無いんですから!”

『何でしたっけ?』

“ミミズの話です!”

『そうでした……あいつ魂喰らいなんでしたっけ。』

“ええ、ダイアナが強欲の呪いをかけたのはニーズヘッグと同じ臭いで隠れるため、その間にあれを倒せる可能性の有る者をエインヘリヤルとして召喚するのが元々の予定でした。”

『そんなの探せます?』

“確実に勝てる者を召喚しました。”

『ふ~ん……』

“そしたら護衛対象と喧嘩してしまって……”

『ん~じゃフレイヤ様、いきなり召喚されたら身体無しで護衛対象と同居して、おまけに身体の使用料払えとか言われたらどうする?おいら別にあいつがミミズに食われようが助ける義理は無いと思うよ?』

“それは……そうなのですが……”

「ではあの娘は死んでも構わないと?」

『ダイアナさん、死んでこっちに来た奴に何を言ってるんです?まぁミミズは殺します。だがあの性根のままならミミズの次にリンジー・マッコールを殺します。』

「あなたは何を言ってるんです?守護戦士でしょう?」

『芯から守護対象が人間として認められるなら言いません。今のあいつは聖女の看板を持ったチンピラです。それが盗賊よりも質が悪いと何故判らないんです?』

“わかりました。認めます。但し1年時間をください。それとリンジーがニーズヘッグに食われた場合、ニーズヘッグがこの地に顕現してしまいます。”

『それは大丈夫です、あいつにはおいらが最初使ってたヌンチャクを置いてきています、あれが助けるし知らせてくれます。』

「ああ、それでさっき……」

『ええ、リンジーには内緒にして下さい。いつでも助けに行けると知ったら成長できませんから。』

“なんだかんだ言っても甘いですね。”

『いいえ?おいらは冷血ですよ?』

“はいはい、ではゆっくり食事を取ってお休みなさい。明日の3時は忘れないように。”


3人が公爵邸に入ったあと、ダイアナが呟く。


「フレイヤ様、私はあのエインヘリヤル信用できません。」

“それは向こうもでしょう、だから無理難題を吹っ掛けて来た。”

「それについてフレイヤ様は普通に飲んだ。」

“こちらを信用してもらうには譲歩が必要です。更にこちらが申し出た1年の猶予を向こうは飲んだのですよ?彼は必ず守ってくれます。何せ彼の神格はわたくしより上なのですから。”

「神格が上……そう言えば彼の邪竜を蛇とかミミズとか……」

“ニーズヘッグの眷属は毒蛇、更に世界樹の根を囓る姿でミミズと揶揄したのでしょう。”

「ではニーズヘッグを見たと?」

“退治したと何度も言ってますよ?そう……彼にとってこの王都を灰塵に帰すなど朝飯前なのです。敵に回してはいけませんよ?”

「そう言えば彼のエインヘリヤルの友人が帝国勇者とか……」

“そっちはマスヤマより強大ですよ。ゴブリンと竜とスライムを従えてます。”

「竜はともかくゴブリンとスライムなら……」

“カイザーゴブリンとグラトニーオリハルコンスライムですよ?”

「グラトニー……って山喰らいですか?」

“オーディーン様が会った時点で勝利確定と言ったのはそう言う事です。カイザーゴブリンはオウルベア投げ飛ばしたとも聞きましたね。その気になれば銀河に喧嘩売れるレベルです。”

「では、神の敵対者は?」

“高天ヶ原に敵対者は居ません。全てスサノオの部下になっています。ですのでスサノオやその朋友(タヂカラオ)等が腕試しと称し他の神の敵対者を倒して回っていたのです。混沌の魔王を知っていますか?”

「あれは旧神でも手を出せない存在だと……」

“手を出して帰ってきたのがスサノオです。良いですね?敵に回してはいけませんよ。”


フレイヤの言うことが正しいので有れば間違いなく化物の域である。だが……


「でも彼のエインヘリヤルは平和な感じでしたが……」

“ええ、高天ヶ原の神々は平和を愛し慈愛に満ちた方ばかりです。そんな神がニーズヘッグ(ミミズ)の次にリンジーを殺すと言った。これがどんなに恐ろしい事か考えて下さいね。”

{これ増山は本気で言ってるか?}

本気なら助けに行かない。ダイアナがぐちゃぐちゃ言うから鬱陶しくて軽口言っただけ、ただ高天ヶ原を知るフレイヤが慌ててるだけ。だいたい克己が世話になってるおでんの部下の巫女にんな事するか。

{考えればそうだな。}

ただニーズヘッグがどう動くか……魂喰らいなんで克己も増山も仲間にしようとはしないだろうし。

{そうか仲間になるのか。}

(今のところ)その気は無いと言っとるのに。

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