リンジーの中には……
増山修一の考察
どうもおいらは神様らしい……なんで?
①世界が要求した……違う気がする。
②精神構造が違う……もっとタフなのも居るはずだ。
③たまたま………………どうもこれっぽいな。
たまたまその辺の魂送ったら神様の因子持ってた……うんうん、携帯小説でよく有るパターンだ。間違いない。
「ゴールディーちゃん?何を一人で納得してるんですか?」
『いや……オーディーン様が爆弾落として行ったんで。』
「帝国勇者と話せば解るんじゃ無いかのう?」
『話進まない気もするけど……』
『いえっきし!』
「おっさんみたいなくしゃみじゃのう。」
「師匠……師匠が目立ってどうすんだよ?一応隠密作戦だろこれ。」
「くしゃみするようには作って無いんだけどな……」
「フレイヤ様に聞いてみられては?」
『いやミツエモンさん、ドジな姉ちゃんでもあの人一応人外なんで……』
“化物扱いしてますね?”
『滅相もない。下劣な太鼓のくぐもった狂おしき連打と、呪われたフルートのかぼそき単調な音色の只中で居眠りしてると思ってるだけです。』
“わたくしは「白痴の魔王」ですか!その存在は数万年前にあなた達が殴り倒して来たでしょう!”
『おいら達は暗黒神話に出演してたのか?』
“作者が煮詰まってるだけです。”
『そのメタ視線は何です?』
“神性に目覚めれば見えます。”
見えんでいいわい。と言うか……
『神性?今神性って言ったね?』
“はぁ、それが何か?”
『神性を宿した人間をわざわざ探して連れて来たんですか?』
“ああ、それは次元跳躍に耐えられる魂があなただけだったからです。”
『ああ……疑問が一気に氷解した……』
“と言うかあちらの人々は皆多かれ少なかれ神の因子の欠片を持って居ますよ?あなた達はそれが大きいだけに過ぎません。”
『ああ、昔京大にイエスキリストに憑依された人が居ましたがそういう……』
“それは精神的に疲れきった人でしょう?”
「お師匠様……やっぱりゴールディーちゃん神様と漫才してません?」
「わしたまに最強の生物兵器培養した気になるんじゃ……」
『つまり向こうの人間はランダムで神の因子の欠片が混入してると……』
“おまけ付きお菓子みたいに言わないでください。”
『それがちょっと大きいだけなんですね?』
“まぁ……1/8がちょっとと言えるかどうか疑問ですが……普通は粉一粒とかですからね。”
『いや、これで世界や神様怨まなくて済むんで。ところで克っしゃんは元気ですか?』
“帝国で革命してるみたいですよ?皇帝担ぎ出して。”
『は?』
“帝国は貴族達が力を付けすぎたんです。その是正に。”
『皇政復古の大号令位にしとけばいいのに。』
“それ向こうに伝えておきますね。”
『いつもすいません。一度何かお礼を……』
“ケーキ食べる時に呼んでください、では。”
「明日の3時にでもお呼びしましょうか?」
『それは忙しくて呼べなくなるフラグ……まぁ聞こえてれば明日は2時過ぎ位からスタンバイしてるでしょう。ところで謁見は?』
「たぶん朝から昼にかけてでしょう。」
『ところでさっきから回ってるここ、銀行か何かですか?』
「いえここが公爵邸ですよ。」
『勝手口位は作って下さい!』
「これも前王の命令だったんですよ……っと、入口です。」
『お邪魔し……おうわ?』
余裕でトラックが入れる正門を抜けると吹き抜けになっており……長屋が形成されている。
「ホームレスの人々を勧誘していろいろ働いてもらってます。」
『マッコール孤児院と言うのが在るそうなんですが……』
「向こうの長屋がそうですよ。院長と司祭にも来てもらってます。」
『え?既にここへ?』
「ええ、子供40人と院長と司祭に来てもらいました。」
『聖女見習いのリンジーマッコールってのが明日来ます。見せてやってください。』
「リンジー?リンジーが来るんですか?」
年配のシスターが飛んできた。
『ええ、明日には到着予定です。凄い金の亡者になってましたが……』
「エルフのリンジーですよね?」
『ええ、本名ミラリオス・アルトラp……』
「しっ……その名前は言わないでください。」
『詳しいことは後程お聞かせください、今はおいらがミラリオスを名乗って暴れています、囮です。』
「おやシスターダイアナ?奇遇じゃのう。」
「マグナス師……濡れ衣は晴れたのですか?」
「その予定で娘のゴールディーと王都に呼ばれたんじゃよ。」
「え……でも娘さんは囮だと……」
「正確にはこの子は守護戦士じゃ。どうもリンジーとやらと喧嘩した様じゃのう。」
『それ!あいつ何であんなに守銭奴なんです?冒険者守るのに光る飴作ってギルドに渡そうとしたら祭で売れとか言ってましたよ?』
「それは……私の所為なのです。」
『と言われても判りませんが?』
「あの娘の本名と目的を隠す為に強欲の呪いを使いました……」
『それは成功してます、欠片も思い出してません。解除方法は有りますか?』
「それはもちろん……ですがあの娘を守るためには……」
『シスター、おいらはリンジーマッコールの守護戦士です。これを信じていただけないので有ればもう彼女を助ける事は無いでしょう。なにせおいらが身体に同居していた時に身体の使用料まで請求されましたから。』
「そ……それはご迷惑をおかけしました。あの娘の中には邪竜ニーズヘッグが……」
『なんだ蛇か。』
「は?」
『世界樹の根っこ囓ってる蛇じゃない。いやミミズに近いか……』
さすがにシスター・ダイアナが咎めようとしたとき……
“流石ですマスヤマ。もしかして数千年前に退治したの思い出しましたか?”
『いや……と言うかスサノオがやったんでは?』
“いえ、あなたが千切った頭が再生したのでしょう。まさかリンジーの中に隠れていたとは……何ですその眼は?”
『どこまでが本当かな~とか。』
“と言うかあなたも気が付かなかったんですか?”
『人に寄生するの初めてだったんで。』
シスター・ダイアナは意識を手放しかけており、ミツクニとマグナスは興味津々で増山達の会話に聞き入っていた……
{なんでメタネタ使おうとする?}
考えてみたら神の能力披露してないなと。
{本編のミヤビが世界探訪とか言うメタ能力持ってたな。}
あれは緊急時以外封印しとかんと話自体潰してしまうからな……




