エルフ聖女と憑依霊
あれ?おいら何で地面に寝てんだ?
うん……緑の不細工な小人が棍棒持って立ってるな。
あ……フンドシ脱いだ。
「何汚いもん見せとんじゃぁ~!」
股間思い切り蹴り上げてやったら粉になって消えた……
なんだろねここ?
ん?小人の粉の中に黒い石?まぁ拾っとくか。
ありゃ?なんか騎士っぽい人が3人来たよ?
「聖女様ぁ~!」
え?聖女が居るの?早く探さないと……あ、ダメだ、頭痛いわ……意識が……
増山修一、おいらそんな名前だったはずなんだ。
あたしはリンジーマッコール、マッコール孤児院で育てられたあたしは12歳の誕生日に聖女認定されて5年修道院で修行したの。そして初の勤務地に行く途中で護衛に裏切られたの。神殿騎士と裏切り者が相討ちになった時に後ろから殴られて……
「知らない天井だ……」
あれ?あたし何を言ってるの?
「ああ聖女様!気がつかれましたか。」
あ、神殿騎士さんが助けてくれたんだ。
「リンジー……無事で良かった。」
「オスカー司祭、あたしどうなったんですか?護衛の方が裏切って神殿騎士の方と相討ちになったら後ろから殴られて……。」
「私が駆けつけた時、聖女様の横でゴブリンが消滅しました。で、立ち上がった聖女様に声をかけたところ倒れられまして……。」
『ああおいらがタマ蹴り上げたら消えたあれか…おっちゃんあれ何?』
「せせせ聖女様?そのお言葉は?」
「え?あたし知らな……」
『おいらは増山修一って者だ。気付いたら緑のブッ細工なのがフンドシ脱いでおっ勃ててたから蹴り上げちまった。』
「ちょっと下品な事言わないでよ!」
「リンジー待ちなさい。マスヤマさん、あなたゴブリンって知りませんか?」
『ああアニメで見た事は有るよ。ところで兄さん、ここどこ?大阪じゃ無いよね?』
「ああ、オーサカじゃなくエルブヘイムなんだ。君は転移者なのかい?あにめってなんだい?」
『アニメってのは絵を動かす手段でね。落書きしてもいい本が有れば原理は見せられるよ。転移者って言葉が有るならここは日本でも地球でもないんだね?』
「惑星国家群連合ガイアボール星系国ミッドフラワーのエルブヘイムだよ。恐らく君は何者かによって召喚され、その途中で身体を失ったと思われる。」
『なるほど……あと質問、獣人とかエルフとかって会える?』
「ククッ……失礼、今の君の宿主がエルフだよ。」
『リンジーマッコール、仲良くしよう。』
「嫌です!」
『ならエルフ紹介して?』
「あたし孤児だったからエルフに知り合い居ないわよ?ってかなんであんたなんかに?」
「リンジー、彼が召喚されて君に宿らなければ今頃君はゴブリンの苗床にされていたよ?」
“その通りですよリンジー。わたくしのかわいい巫女。”
「あ!フレイヤ様!」
『女神様が居てたんならおいら要らなくね?』
“我々が直接介入はできないのです。雷撃は落とせますがリンジーに近すぎてリンジーごと黒焦げになる可能性が有りました。アマテラス様なら微調整できるんですが……”
『待って、アマテラスって伊勢神宮の?』
“はい、惑星アマテラスのイセ神宮の。”
『んじゃ違うかな。日本でも天照って神様居たから。』
“うふふ、詳しくは言えませんがたぶん同じ神ですよ。我が最高神オーディーン様、エホバことデミウルゴス様、そしてアマテラス様が現在地球から来られてます。わたくし達は上司の出張に付き合わされた社員だと考えるとスッキリするかも知れません。”
『あ……すごく判りやすかったっす。』
「なんでいきなりへりくだってんのよ?」
『いや……天照が居るんならたぶんこの人北欧の愛と戦の女神様だから。』
「ところであにめってただの紙じゃダメかな?」
『説明だけなら安くて30枚も有れば。』
「じゃあこれでいいかな?」
『おお!最近見ないわら半紙!充分充分!』
「何同じ絵描いてるのよ?」
『この棒人形を歩かせるんだよ。』
「無理に決まってるじゃない。」
『完成してから言え。これでも地球じゃアニメーターだったんだ……っと、完成。』
「動かないわよ?」
『これをこう纏めて……ほら棒人形見とけよ?』
パラパラパラパラパラパラ……
「動いた!あ、転けた!」
『これの絵を細かくしたのがアニメーションだ……兄さんもおっちゃんもどうしたの?』
「司祭様、これは共和国の……」
「ああ、勇者ジョウノが伝えた技術だ。マスヤマさん、これは秘密にしていただきたい。」
『いや別に書こうとも思わないけど?ところで鏡有ります?』
「えっと……何故かな?」
『いや……おいらどんな人に間借りしてんのかと。』
「なるほど……ディノス騎士長、お願いできますか?」
「はっ!誰か鏡を持て!」
……三角縁神獣鏡みたいなの持って来られたぞおい……
『これが……あたし……?』
鏡の中には耳の長い美少女が居た。
『長寿と繁栄を。』
「何よそれ?」
『私はバルカン星人のスポックだ。』
司祭が信じられない物を見る目で見ていた。
「マスヤマさん……その挨拶はハイエルフの……」
『あ、禁句でしたか?』
「いえ……ただハイエルフしか使って無いんです。」
『え?会ってみたい!ドワーフも居れば尚ヨシ。』
「普通に居ますよ?」
『獣人なんて居たりは……』
騎士長のおっちゃんが兜を脱ぐと立派なケモミミが……
『おいらここに住む!』
「退去を命じます!」
『やだいやだい!』
「独りでやってる分滑稽さが有りますな。」
「騎士長、私はそろそろ限界で……ぷぷっ。」
「あたしの苦労も察して下さい!」
“リンジー、わたくしからもお願いいたします。マスヤマさんと仲良くしてください。”
「しかし……」
“あなた専属のエインヘリアルですよ?”
「……エッチな事しないなら。」
『努力します。』
“あとどうしても嫌なら共和国の天才を訪ねなさい、きっと方法を見付けてくれるでしょう。”
「ではさっそく……」
「リンジー、連合と共和国に国交は無いんだ。教会からも意見は出すけどしばらく時間が欲しい。」
“わたくしも神々に相談致します。”
「それとマスヤマさん、できるだけ出ないでください。リンジーの身や立場に危険が及ぶ場合が有ります。」
『了解です。お姫様護る為に努力します。』
「お姫様じゃありません!」
始まりましたな。
{本編書け!}
書けんから番外編書いとると言うのに……
{散々臭いワードが飛び交っとるな。}
本編見たらあいつだな~と思えるように。
{で、本編のディクリウスとは兄妹かなんかか?}
兄妹だと名前の系統違い過ぎるから従兄妹とか。
{その為の孤児設定やろ?}
お……おお!
{考えてなかったな?}
ってな訳でこちらは不定期掲載になります。
進んでたらああ本編で悩んでるなと思っていただければ……
{それが本気だから怖い。}