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サイキック・ワールド  作者: みっどないと
第4章 怪盗スモーク
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連続自殺事件の影

モンハン楽しい!


...って思ってたら1か月経ってました...

 河合さんの話によると、ここ2か月で「怪盗スモーク」と名乗る怪盗が不定期に予告状を出して来ている。予告状には必ず当日の夜8時に、お目当ての宝石が書かれているため、その宝石周辺を厳重に警備するそうだ。


 厳重な警備にもかかわらずその怪盗スモークとやらは、煙から生み出されるように現れ目当ての宝石を盗むと、煙を伴って突然消える、という手口を使うらしい。


 依頼人かつこの家の主人である後藤さんはなぜか今まで頑なにSK対策課や警察に頼ることを避けており、あくまで自ら警備員を雇うくらいしか対策を行っていなかったそうだ。


 しかし、もう被害数が10点以上になり、これ以上は一般的な警備会社では対応できない、警備の不備を疑われることによる取引先との信用の墜落などを考慮した結果、「対策課だけなら」としぶしぶ俺たちへ協力を要請したらしい。



「ってことは、おそらく怪盗スモークってのは瞬間移動のSKを持ってる可能性が高いってわけですね。」



「そういうことになりますね。」



 荒波さんが事件時の状況から怪盗スモークのSKの目安をつける。俺もそこ予測は正解だろうとこくこくと頷いた。



「まぁ、最有力ってだけで幻覚とか透明化とか他にも山ほど考えられそうですけどね。」



 他の能力にもあたりをつけていると、河合さんは依頼人の部屋から持ってきたカバンから1枚の封筒を取り出す。



「で、こちらが先程、皆様がこちらに到着する前に新たに届いた予告状でございます。」



 河合さんが俺たちに怪盗スモークの予告状を渡してくれた。



 黒の紙に対比するように白い文字で書かれた予告状には


「後藤様


 今晩の8時に指定した宝石を盗りに行く


 怪盗スモーク」


 と端的に目的を印字されていて、あとは宝石の写真が印刷されているだけだ。他に何も残されていない。



 おそらくこの宝石が今晩盗む予定の宝石なのだろう。青々としたそのサファイアはその価値を発揮するかのようにキラキラと光り輝いているのが印刷越しでもよくわかった。



 俺たちはひとまず今晩の怪盗スモークのお目当ての宝石を見に、展示されているホールらしきところに向かった。そこには怪盗スモークの目当てである宝石だけでなく、彫刻や絵画なども皆目を引くように飾られている。



「旦那様は美術品を集めて飾るのが趣味でして、世界中から様々なものを集めているんですよ。」



 ここまで先導してきた河合さんが外で見張りをしている警備員に挨拶をしながら室内へと入っていくので、俺たちもペコリと頭を下げながらその後をついて室内へと入っていった。そのまま、怪盗スモークの目当てである宝石が展示されている中央のガラスケースへと近づく。



「これが今晩の目当てのサファイアですか。


 綺麗だなー...」



 荒波さんが目を輝かせて、ボソリと端的に感想を漏らすとガラスケースに入れられた拳サイズの宝石をじっと眺め続けた。



 確かに綺麗だ。

 透き通って澄んだ青色をしている。

 さらにシャンデリアから降り注ぐ光の雨を反射して、キラキラと光り輝く。


 そして、握りこぶしくらいのサイズ。

 この宝石の価値が想像つかない。

 1つ言えるのはこの宝石を買えば俺の給料では破産することだけだ。



「それは旦那様が5年前に、あるお宅から贈与されたそうで。


 それ1個で高層ビル1個丸ごと購入できるくらいの価値だそうですよ。」



 宝石の入ったガラスケースの横で警備員と今晩の警備について話し合いをしていた河合さんが丁寧な口調で説明してくれた。



「贈与?

 こんなに価値のある宝石をタダでくれる人がいるんですか?」



「えぇ。何でも持ち主夫婦が事件で亡くなったそうで、その親族から贈与されたらしいですよ。」



「へぇー。

 タダでくれるなんて物好きな人もいるんですね。


 何て名前の人なんですか?」



黒塚くろづか 修二しゅうじって方だそうですよ。」



 その名前に俺は思わず眉を顰めてしまった。なぜなら、1か月半前のあの事件を思い出してしまったからだ。


 あの連続自殺事件を...

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