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サイキック・ワールド  作者: みっどないと
第2章 邂逅と能力判明
20/65

マリさん

 基本的にSK対策課の仕事としては3つ存在する。



 1つ目はSKが関わっている可能性のある事件の調査。昨日実際にしたことだ。


 2つ目は今しているが、SK持ちに関する情報の整理である。現在、SK持ちは徐々に増えつつあるので、調査課だけでは正直情報を処理するのが追いつかない。

 そのため、1人でも多くの人手を求めた結果、対策課も情報整理を行っているのである。


 だが、正直言って、調査課で働いていた時から思っていたことだが、書類が多すぎる。

 多い日だと積み上げてみると、高さにしてコーヒー缶くらいはあるんじゃないか?


 ってくらいの量の書類を処理しなければならない日もある。


 最も、調査課にいたときの話で、今は半分くらいの量に書類が減ったのだが。



 お昼まで仮眠をとったあと、俺はそんなことを考えながら、過去の経験から慣れた手つきで書類を処理していく。



 荒波さんは分身体を2人作り出して、午前中に処理すべき書類を急いで対処していた疲れからか、先程仮眠室へと向かって行った。



 そのため、仮眠を終えてから涼太と2人がかりで1時間くらいかけて全ての書類を処理し切った。


 時計を見るともう午後1時を過ぎたところだった。



「さて、そろそろ昼ご飯の時間だし、刄さんは私について来て!


 私がSK対策課に関することを昼ご飯の合間に説明するわ。」



 1時間の仮眠で疲れが取れたからなのか、お昼時でお腹が空いてきたのか、仮眠から目覚めた荒波さんが隣の部屋からやって来て、早々そんなことを言い出した。


 俺は荒波さんについて行って、建物内の対策課や実行課など一部の人限定の食堂で食事することになった。



「紹介するわね、この人がマリさん。

 いつもここで食事をつくってくれるの。



 あ、マリさん、私のはチャーハン定食でお願い!」



 お腹が空いて早くご飯が食べたいと言わんばかりの荒波さんは、食堂で料理をしてくれているという、白いエプロンを着たオバちゃんを紹介してくれた。



「わかったよ、優衣ちゃん。


 はじめましてだね、新人さん。

 アタシはマリって呼んでね。」



 そう言いながらマリさんはこちらに名乗ってくれた、のだが...

 見た目と口調、声色が全くあってない。

 見た目は40代って感じの太めのオバちゃんって感じだが、声は完全に10代。


 な、なんだ、この人は...?



「よ、よろしくお願いします。


 佐久間 刄って言います。」



「佐久間、佐久間...


 って、優子ちゃんの親戚?」



 うろたえながら俺が名乗ると、マリさんは薄く目を細めてから名字に心当たりがあったのか、聞き覚えのある名前を発した。



「はい、そうです。


 俺の義姉さん...

 兄の奥さんです。」



 俺はここで出てくると予想してなかった名前に若干戸惑いながら肯定する。



「あぁーーー、そういえば優子ちゃんが言ってたわ。

 からかい甲斐のある義弟が2人いるって。」



 余計な説明がされてた...


 大体あの人がおかしいんだ。

 中学の時から大学で家を出るまで、毎朝俺たちを起こしてくるし、スキンシップは多いし。


 思春期真っ盛りの男子たちのことをもっと考えて欲しい。



「...ラーメン定食でお願いします。」



 既に義姉さんに余計なことを吹き込まれていたマリさんに対して、俺はぎこちない態度でなんとかこれ以上この話題が広がらないように、会話を終わらせようとする。



「りょーかいっ。

 ちょっと待っててね。」



 これ以上この話題について広げたくないという俺の意が伝わったのか、マリさんは料理の用意をするために、食堂の奥へ向かった。

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