(5分前まで)平凡な生活(だった)
ここから主人公が出てきます。
20◯◯年。
徐々にサイキック、通称SKという能力を持つ者が増えている世界。
SKというのは念動力や瞬間移動など、俗に言う超能力のことで、瞬間移動や念動力といった、限られた一部の者のみが行使できる、科学では証明できない力の類である。
サイキックなら英語だとpsychicなのに何故かSKと略されている。ちなみに、これはSKにまつわる七不思議の1つである。
と言っても、俺はこれしか七不思議について知らないけど。
だって俺、SK持ってないからあんま興味ないし。
SK持ってる人とか全然いないからな。
現在だいたい1万人に1人の割合で持っていると言われている。
そこで政府は、治安維持を目的として、
SKによるトラブル、犯罪を取り締まるSK対策課、
未発見のSK持ちを記録など、SKを持っている人に関する情報管理を行うSK調査課、
テロなどの大規模犯罪に対抗するSK実行課、
などを抱えるSK機関(サイキック機関)というものが発足した。
SK機関はSKを持っている者に対して、SK調査課に自己申告義務を設けた。
だが、もちろんSKを隠して、悪用する人たちが現れる。
その対策としては、「毒を以て毒を制する」という言葉の通り、SK持ちの集団であるSK対策課がSK持ちの犯罪者たちを捕まえる。
ただし、
SK対策課はSK持ちしか働くことができない、
事件そのものが特殊である、
犯罪者がSK持ちのため危険である、
大規模犯罪のみに対抗するSK実行課に対して取り扱う仕事が多岐に及ぶ、
などという様々な理由から、
非常に深刻な人手不足を抱えている...
俺の名前は佐久間 刄。
これまで何の変哲もない、ただの妻1人、娘1人の平凡な生活を送る一般人である。
ついさっき、ほんの5分前までSK調査課に所属していた。
と言ってもSK持ちの犯罪者とやり取りするSK対策課やSK実行課と異なり、情報管理などの事務作業が多いため、仕事内容は他の公務員とそう変わらないはずだ。
そして、それはこれからも続くものだとずっと思っていた...
が、
「佐久間 刄さんですよね。」
椅子に座って普段通りパソコンにてSKに関する大量の書類と格闘する仕事をし終え、長時間のパソコン操作で凝り固まった身体を伸ばしていると、机の前から、長い黒髪のスラッとした、見た目的には俺より少し上、多分30歳前後ぐらいの女性が事務的な声で話しかけてきた。
「はい、そうですが。」
急に見ず知らずの女性に話しかけられ、少し不思議に思いながら俺が答えると、その女性は
「あなたは今日からSK対策課で働いてもらいます。」
なんてことを俺に突然言ってきた。
...唐突すぎて意味がわからない。
「えっ、どういう意味ですか?」
俺は率直に俺の内に湧き出た疑問を投げつけた。
SK調査課と違って、SK対策課は危険が伴うことが多く、SK持ちじゃないと対抗できない。
そのため、俺はSK調査課へ配属されたはずなんだが...
「あなたにSKがあることがわかりました。これから私たちの元へ異動してもらいます。」
SK...
SK...
えっ!お、俺に!?
「えーーーーーっ!!」
俺は驚愕した。
驚きのあまり、思わず椅子から滑り落ちかけ、机の書類は床へばら撒いてしまったほどだ。
元々別サイトで投稿してたため、
ストックはあるんですが、
改正したい内容が多すぎて
投稿ペースはゆっくりになりそうです。
気長に待っていただけると助かります。