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一つの物語  作者: 世界の一つ
一つの物語〜みんなのおもい編〜
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みんなのおもい編2

ーー三等粛正官・三等市政官連絡通路ーー




「みんな理解良くて助かるなぁ、この調子だとりゅうくんが確定で賢者になれそうだね♪」


「はい!流石サツキ先輩が愛したお方です!りゅういちさんの日頃の勤務態度が良いっていうのもありますけど、それ以上にりゅういちさんの人格そのものをみんな好きでいてくれてるんですね」


「あっははは!りゅうくんが聞いてたらツンツンしそう!」


「そう言えば、サツキ先輩はりゅういちさんの事いつから好きになったんですか?いつもラブアタックをしかけてるのはもう何回も見ましたけど、そうなった経緯は聞いた事ないもので」


「あ〜……そ〜言えば話た事なかったねぇ、あたしがりゅうくんを好きになった時期はみぃ姉と同じだよ。もうずっと前の話だけどね♪」


「良ければ聞かせて下さいませんか?りゅういちさんの過去をもっともっと知って、りゅういちさんを理解してりゅういちさんの力になりたいんです!」


「ありゃりゃぁ?もう隠す気ゼロ?あたしに似てグイグイ行くね♪」


「わ、私はただ……!お、応援演説の為になればと思って……!」


「はいはい♪ちょい苦しい言い訳だけど、そ〜ゆうコトにしておいてあげるっ♪で、いつって話ね?あれはまだりゅうくんのコトをよく一緒に遊ぶお隣さんって時期で、ある日りゅうくんが高熱で寝込んじゃってさぁ。それであたしとみぃ姉で隣町まで行って特効薬を買おうって話になったのそれでね……」





ーー某日、アサギリ家ーー




「ねぇサツキ、ふたりでりゅういちくんのためにお薬買いにいかない?お熱ですっごく辛そうだったからみぃちゃんたちで治してあげようよ!」


「うん!いく〜♪でもどこに売ってるのぉ??」


「電車で一駅って言ってたよ!近いから大丈夫!いこー!!」


「お〜♪!!」


「サツキ、おこづかいある?みぃちゃんのあげようかぁ??」


「だいじょ〜び!この前もらったやつがあるからぁ!」


「いい子いい子!じゃあ切符買いに行くよー!」


「あ〜い♪」



『発車します、おつかまりください』


「デンシャ乗れた〜!あとは降りるトコ間違えないでお薬屋さんに行くだけだね!」


「みぃちゃんたちもオトナに近づいたー!おとーさんたちほめてくれるかなぁ??」


「ぜったいほめてくれるよ〜♪りゅうくんもほめてくれるかなぁ??」


「ぜったいほめてくれるよぉ!あはは♪!」


でね、無事に薬局でお薬買えたのはいいんだけど、駅に行く道を間違えちゃって迷子になっちゃったんだぁ。そしたら雪まで降ってきちゃってさぁ!道も分からないし寒いしどうしよ〜ってあたし大泣きしちゃってね〜……


「わ〜〜ん!!ここどこ〜!お〜ちかえりたいよぉ!!」


「そ、そんなに泣かないでよぉ……みぃちゃんまで怖く……あっ!公園があるよ!あっこであまやどりしようよ!!」


「う〜……ちゃむいよ〜おこたに入りたいよぉ……」


「もっとくっつこう……大丈夫だよ、オトナの人に聞けば大丈夫!雪が止むまでここにいよ!ほら、さむくない……さむくい……」


「あたちたちずっとお〜ちにかえれないのかなぁ……ヤダよぉ……」


「だ、だいじょーぶ!オトナの人に聞けばすぐ……うぅ……怖いよー!!」


「びえ〜ん!みぃ姉泣かないでよ〜!!うわ〜ん!!」


みぃ姉まで泣きだしちゃって、あたしも寒いし怖いしで大泣きしちゃったりで状況最悪ぅって時に……これは運命だね、なんと!熱で寝込んでるハズのりゅうくんが目の前に現れたの!


「こんな所にいたのか……怪我とかしてないか……?」


「り、りゅうくん!??」


「なんでいるのー!?!?」


「僕のために隣町に行く準備をしてるって事をおじさんから聞いてな、帰りが遅いから心配で探しに来たんだ」


「で、でも途中でミチまちがえちゃったのに……」


「ああ、だからここに辿り着くまで苦労した」


「ひっく……りゅういちくぅん……!」


「ほら、帰るぞ」


「うん!かえるー!!ごめんなさぁいぃ!!うわーん!!」


「りゅうくぅん!ごめんなちゃ〜い!!怖かったよ〜!!びぇ〜ん!!」


りゅうくんはそう言ってあたし達の手を優しく握ってくれて、帰るまでずっと手を繋いでてくれたの。自分の方が病人なのにあたしやみぃ姉のコトを心配してくれて……


家に着いた後りゅうくんにスゴく怒られたけど、家に着くまでの間は全然怒ったりしなかったんだよ。多分、あたしたちがまた泣いたりガッカリさせないためにあえて言わなかったんだと思うけど、そういう細かい気づかいもできるりゅうくんに今でもありがとって思ってる。


「りゅうくんのおててあったかぁい♪」


「熱が出てるからな、そりゃ熱いさ」


「りゅういちくんごめんね……みぃちゃんがもっとお姉ちゃんだったら……体調大丈夫……??」


「布団が恋しいよ、帰ったら二人が買ってくれた薬を飲ませてくれ。そしたらきっとよくなるはずだ」


「うん♪!」

「あい♪!」


後でお父さんから聞いた話なんだけど、道を間違えたあたしたちを見つけられたのは、二人を見かけたお店の人たちや、ここで間違えたかもしれないっていう道を何度も行き来して探してくれてたからなんだって!

でもね、それが原因で余計りゅうくんの体調が悪化しちゃってさ〜……



「りゅうくん、だいじょ〜ぶ……?」


「ああ、お前たちこそ風邪引いてないか?一応マスクはしてたけど、うつってる可能性が無くはないからな」


「みぃちゃんたちは大丈夫だよ……本当にごめんね、りゅういちくん……」


「もうあんな無茶するなよ?世の中には優しくない大人もいるんだ、何かあってからでは遅いからな」


「りゅうくんがいればだいじょ〜ぶだよ♪!どこに行ってもあたちたちのコトたすけてくれるんでしょ〜?」


「ちょ、ちょっとサツキ!それは言いすぎー!」


「え〜だってこの前たすけにきてくれたじゃ〜ん!りゅうくんはあたちのおうじさまだよ〜!」


「ち、違うよぉ!りゅういちくんはみぃちゃんのだよぉ!!」


「はは、王子様かどうかは置いておいて、そうだな……お前たちに何か起こった時はきっと僕が助けてやる。二度とあんな思いをしないために……必ず守ってやる……」


「??」

「??」


あの時りゅうくんが言ってた"あんな思い"って言うのは、きっとヒメカさんのコトを重ねてたんだろうなぁ……今なら分かる気がする。でもそれでもりゅうくんはそれ以来本当にあたしたちを守ってくれてた。

その優しさがどんな理由からだとしても、あたしたちを守ってくれてるコトに変わりはないもん……ちょっと妬いちゃうけどね♪



ーー現在・ホーリーヘヴンーー


「……なるほど、三人の間にそんな事があったんですね。教えてくれてありがとうございます。それにしても、私はサツキ先輩たちが羨ましいです。あのりゅういちさんがそうまでしてお二人を守って来てくれたんですから」


「えへへ♪でも、あたしとみぃ姉だけを守ってるんじゃないよ。りゅうくんは何やかんや言ってもみんなのコト大好きで、み〜んな大切にしてくれてるから!もちアカリのコトもね♪」


「ふふ、そうですね!それは心の底から感じています……でも守られてばかりじゃダメですよね、私も……私達もりゅういちさんを守る!大切な人を守るためにこのヘヴンに入ったんだもん、頑張らなきゃ!」


「そうだね先ずは今の選挙で少しでも多くの人たちがりゅうくんに投票してくれるよう、最愛のカレの為にガンバロ〜♪!!」


「はい!頑張ります!!♪」




……りゅうくん、こんなにも愛おしいあなたを助けるためにはあたしに何ができるかな?

あたしにできる事は何でもしたい、例えあたしの命を全て賭けても構わない!


大好きだよ。りゅうくん。

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