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神の財産とファミリア〜あなたの家族でよかった〜  作者: 飾神 魅影
第1章:ドール教団と人類
8/31

放課後にお出かけ 1

ラノベとかで主人公がヒロインのおっぱいを、うっかり触っちゃうシーンってありますよね。あれを見て「ブラ付けてるのにそんなに柔らかいわけねぇだろ! 」といつも思ってしまいます。

「コウから賢者の石を盗もうとした羽田 正志は、ドール教団に操られたって言ってたわよね。ドール教団について何か知ってる? 」

「狂気の邪神、ドールを信仰する教団です。ドールを復活させようと過激な活動を行っています」

「私、平行世界でもドール教団の名前を聞いたことがあるの、その教団は数々のテロ行為を行ったり、日本の政治の妨害を行ったり、最終的には日本に戦争を仕掛けてたわ」

「戦争! 確かにドール教団の中には魔術師もいて、とても危険な教団ですが、規模の小さな教団です。戦争しない国とはいえ、日本のSATや自衛隊も飾りじゃないんですから、戦争したところでドール教団が勝てる見込みは……」

「日本は、ドール教団に負けたのよ」

「そんな!……」


そこでコウは全てを察したようだった。

「つまり、こういうことですか? ドール教団が日本に勝ってしまったから、ドール教団は邪神を復活させ、全人類を滅ぼした」

「そうよ」

「これでどうすればいいか決まりましたね」

「えぇ」

コウとツバキはお互いに顔を見合わせる。

「「ドール教団に勝たせてはいけない」」


「ですが、具体的に何をすればいいのでしょうか」

「ドール教団の中には魔術師もいるが、日本という国家に勝てるほどでは無い。なら、私のいた平行世界ではなぜ勝てたのか、それを探る必要があるわね」

「しかし、ドール教団に関してはその教団のメンバーやアジトの場所もわかっていません。どうやって探るのですか? 」

すると、ツバキはスマートフォンを取り出してコウに見せた。

「最近のニュースで、こういうのがあるの」

画面にはここ最近の殺人事件のニュースをまとめた記事が表示されていた。


容疑者は、自分の意思で殺したのではない。操られていた。と証言した。その後、容疑者は胸から大量の血を流して死亡。


「ッ!これは……」

「今日死んだ羽田も、突然胸から大量の血を流して死んだ。しかも、このニュースに似た事件はここ最近、何十件も起きている。そして、これらの事件は平行世界でも全て同じことが起こっていた」

「なら、これはドール教団の戦争の準備ということですね」

「えぇ、だからまずはこの事件を裏で操っている魔術師を捕まえようと思う」




都内のとある中層ビル。

そこはドール教団のアジトとして使われていた。

そこには黒いローブを着て、フードを被った人間が何人もいた。

ビルの最上階、そこは魔術や呪いの施された装飾品が無数に飾られており、床には幾何学模様が彫られている。

初めて見る人間には奇妙な光景かもしれない。


最上階の1室に、1人の老人がいた。

その老人が座っている椅子は、とても豪華な装飾がされており、まるで玉座のようである。

その椅子を見れば、座る者が派手好きである事は見て取れた。


その部屋のドアが外からコンコンと叩かれる。

「入れ」

ドアが開かれ、ドール教団の正装である黒いローブを着た教団員が入る。

顔はフードで隠れており、老人からは見えなかったが、老人にはそれが誰なのかはわかっていた。

「ああ、お前か。今日は随分と早かったな」

「はい、実は我々の事を嗅ぎ回っている者がいまして、手駒を口封じするはめに……」

老人は険しい顔をした。


「で、そいつらは何者だ? 」

「1人は賢者の使い魔です。もう1人はただの人間のようです」

「賢者の使い魔か……それは厄介だ」


すると老人は机の上に置いてあった一冊の本を手に取った。

「かつて賢者が使っていたこの魔道書……ルアニーナ=グリモワール=ハートがあれば、我々に敵は無い。この国、いやこの世界を支配するのも時間の問題だろうが、用心するに越した事はない。すぐにその2人を始末しろ、くれぐれもしくじるなよ」

老人の前で片膝をつき。

「全てはドール様の復活のために」




15時頃。

コウとツバキは電車に乗っていた。

満員というほどではないが、そこそこ混んでいる。

座る場所は空いてないため、ツバキとコウは立ったままだった。


コウは辺りを見回してみる。

周りにはコウが通っている学校の制服を着た生徒が何人かいた。

中にはコウのクラスメイトもいる。

恐らく、帰宅の途中なのだろう。

「それで、僕らは今どこへ向かっているんですか? 」

「ここからあと2つ駅を挟んだ街に、新しくデパートができたの」


それだけを聞いても、目的がわからずさらに質問を続けた。

「そこに、羽田を操っていた魔術師に関する手掛かりがあるんですか? 」

だが、コウが予想していた答えは返ってこなかった。

「せっかく午後の授業がなくなったのだから、ショッピングにでも行こうと思って」

何を言っているのかわからない。

犯人を見つけると言った直後にする事がショッピングとはこれいかに。

「今現在、集められる情報はもうないわ。それに、黒幕が誰なのか大方予想がついてる」

その言葉にコウは目を見開く。

警察が総力を挙げて探している犯人の目星をつけているなんて、とんでもないことだ。


ここに来るまでにツバキはコウに〈魔術痕の探知〉で調べて欲しいことがあると言われた。

それは、胸から血を出して死んでいった人たちが〈処刑人形〉をかけられた日時だ。


〈魔術痕の探知〉は写真や画像からも情報を得ることができる。

この事件に関しては一般公開もネット公開もされているため、調べればすぐに画像は出てきた。


しかし、ツバキが聞いてきたのは被害者が〈処刑人形〉をかけられた日時だけ。

それだけで犯人が本当にわかるのかコウは疑問に思っていた。


「どうやって犯人の目星をつけたんですか? ツバキさんは時間しか聞いていないのに」

するとツバキは、顎に手を当て少し真剣な表情になる。

「日時を聞いていたのは、犯人の活動時間を探るためよ」

ツバキは窓の外を見つめながら淡々と説明をする。

「活動時間? 」

「〈処刑人形〉は、DNAを得なければ効果を得られないという性質上、殺す相手に直接会わなければならない。つまり、かけられた時間というのは、犯人の自由時間に直結する」

そこまで聞いてツバキが何を言いたいのかコウにもわかった。


「なるほど、それで犯人の生活がどのようなものなのかプロファイリングするって事ですね」

「えぇ。その結果、平日の夕方と土日祝は一日中犯人の自由時間だとわかったわ」

その生活習慣コウにも馴染みがあった。

それは学生の生活スタイル。


「犯人は恐らく学生。しかも、夕方も活動できているから部活には入っていない。あと、私たちが通っている上布森高校の生徒だという事がわかったわ」

それは意外だった。

自分たちが通っている高校に犯人がいるだなんて、コウは予想もしていなかった。

それよりもコウが気になったのは根拠である。


「どうして、上布森高校だとわかるんですか? 」

「平日の夕方と土日祝の昼から夕方しか活動していないと言ったけど、1日だけ例外があって、平日の昼間に活動した日があるの。その日、上布森高校はクラスマッチの繰り替え休日で、上布森高校だけが休日だったのよ」

つまり、その日の昼から活動ができたのは上布森高校の生徒だけ。

「さらに、うちの学校は1年生は強制的に部活に入部させられるから、犯人は1年生ではない。3年生は放課後に進路指導がある。つまり、必然的に2年生に限定される」

「すごいですツバキさん! 」

「別に大したことはないわ」


説明を終えてもツバキは窓の外だけを見ていた。

(こうして見ると、本当に美人でスタイルいいよな……ヨーロッパ系の血が混ざってると言ってたけど、本当に日本人には見えない)


ツバキはコウの視線には気づいていないようだった。

相変わらず窓の外ばかり見ているので、何があるのか気になって、コウも窓を見てみた。


「海……ですか」

真っ先に目につくのは水平線。

そこから手前に向かって白い波がうねっている様子がわかる。

奥に行けば行くほど、波と波の感覚が狭く、まるで細胞のように見えた。

何よりもその海を見ていると、とても眩しいのだ。

直接太陽を見ているわけではないのに、海というのはここまでキラキラとしているのだと思い知らされる。

目の前にキャンパスがあれば、描き留めておきたいと思える光景だった。


コウが窓の外に気を取られていると、突然電車が大きく揺れた。


少々ふらつくも、なんとか倒れずに済んだ。

しかし、ツバキはそうではなかった。


バランスを崩し、コウの方へと寄りかかるように倒れる。


ツバキの身体を腕で支えようとするが、コウも直前までバランスを崩しかけていたのだ。

コウはツバキの体重を支えきれず、再びふらついた。


(やばい! このままじゃ僕もツバキさんも一緒に倒れる)

一瞬、転倒を覚悟した。

だが、コウの目に吊革がふと目に留まった。

コウはその吊革に手を伸ばす。


しかし指先が少し触れただけで、掴むには至らなかった。


だが、それで充分だった。


「〈擬人化スタウテム〉」

突如、吊革が手に変わった。

その手は、伸ばされたコウの手を掴む。

どうにかコウとツバキの体重を支える一本の手。

コウとツバキはなんとか倒れずに済んだ。


これは〈擬人化〉の魔術を応用したものである。

〈擬人化〉は人間でないものを人間の姿に変える魔術である。

これを応用することにより、吊革を人間の手へと〈擬人化〉させたのである。


すぐにコウは魔術を使った事を目撃されていないか周囲を確認した。

そして、誰にも見られていない事がわかると、吊革にかけた魔術を解く。

すぐに手はただの吊革へと戻った。


コウは、はふぅーとため息をつく。

「ツバキさん、大丈夫ですか? 」

コウは腕の中のツバキに問いかける。

「えぇ、大丈夫よ。だけど……」

なぜかツバキは顔を赤らめている。

コウに寄りかかるのが恥ずかしかったからだろうか。

それもあるが、コウは他にも理由があるような気がした。


そして、その予感は的中した。

ツバキの身体を支えるために回した腕。

問題はその手の位置にあった。


手のひらは針金で形を整えられた女性下着特有の硬さと弾力。

そして指先には何やら柔らかい感触が。

(あぁ、やってしまった)

ツバキの豊かな胸をガッツリと掴んでしまっていたのである。


とっさにコウは飛び退く。

そのまま全力で深々と頭を下げた。

「ごめんなさいツバキさん! 」

「大丈夫よ」

だが、ツバキの顔はまだ赤いままで、恥ずかしかったのは間違いない。


コウは目的地に着くまで、この気まずさをどう誤魔化すか必死に悩んだ。




中学高校の時は美術部に入っていて、いつも海の絵ばかり描いていました。電車の窓から見える景色を描写した文章は、僕が大学に行く途中に電車の窓から見える景色を見て、実際に感じたことをそのまま文章にしました。

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