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教育実習。

4年生になり、母校である高校へ教育実習へ行く時期になった。

進路については、2年生くらいの頃に気が変わったそうで、教師への道ではなく、一般企業への道を考えるようになったが、教職を選択していたので、教員免許だけは取っておこうと、教育実習は予定通り行くことになった。

スーツは塾講師のバイトで着慣れているのでまあ、大丈夫だろう。まあ、そんなに何かにつけて心配する必要もない。ましてや一応はもう成人である。授業もなんとかこなしてくるだろう。


「おにぎりってどうやって作るの?」

「…ラップを広げた上にご飯を乗せて、真ん中に具を入れて握るだけだよ。」

おにぎりの作り方…。あらためて訊かれるとちょっと困惑するものである。


「教育実習のお昼ごはんに、おにぎりを握っていくから、ご飯を余分に炊いておいて。」

いきなりの質問にビックリしながら答えると、翔兵はそう言った。お弁当ほどしっかりしたものじゃなくて良いので、自分で握るから、とのこと。


ちょうど、家庭教師のバイトや塾講師のバイトの契約が終わったところなので、他のバイトをしてみようとバイトを探し始めたところなので、フトコロがさみしいので、昼食代の出費を抑えたかったらしい。


まあ。おにぎりとはいえ、自分で用意しようというところは成長したものである。感心、感心。


そうこうしているうちに、2週間の実習期間は、あっという間に過ぎ、途中、寝坊した日だけは私が代わりにおにぎりを握ることは2回ほどあったが、それでもゲンコツのような、具の無いふりかけだけのおにぎりを自分で用意して、レポートも書いて、同じく実習に来ていた同級生とも楽しく過ごしていたようだ。


実習が終わってから、生徒たちから聞こえてきたのは「無駄に声の大きい、キノコ頭の先生」という評判だったそうだ。

合唱で鍛えられた大声と、美容院代をケチってセルフカットの末にキノコ頭になってしまったことが、そのまま生徒たちの印象に残ったらしい。

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