「車だして~!」
「時間ヤバい!お願い。車だして~!」
この言葉、登校時間になると週に2回ほど、翔兵から言われます。駅まで送れば済む場合が大半ですが、学校まで送っていくこともあります。
スマホのアラームで起きられなかった、とか時間通りに起きたけど、探し物をしていて時間がなくなってしまった、などたいていこのどちらかが原因です。
璃子は高校まで自転車で5分で登校できること、彼女はそういうことに関しては準備万端なので、こういうことは心配ありません。そして翔兵にあきれています。
「お兄ちゃん、また?」
「何回同じこと繰り返すわけ?」
翔兵は高校に入学してからずっとその調子なので、準備万端かつ冷静な妹の視線は冷ややかです。
私としても、またかよ?と思いつつも、学校に行こうとしているのだからと仕方なく送っています。
きょうだいでも見た目から性分が違うというのは、自身のことで検証済みですが、わが子たちも本当に性分が違います。
たとえば服を買いたいというとき「服がほしいけど、買いにいくのが面倒なんだよなー。シンプルな赤いパーカーが欲しいんだけど。」「じゃあどうすんのよ?ママが選んで気に入らなかったら困るでしょ?」などとやりとりをしていると、「これは?」璃子が自分のスマホをすっと差し出してきます。スマホにはネットショッピングの画面。翔兵との短いやりとりの間にササっと調べているんです。そこに表示されているアイテムは価格もそれほど高くなく、サイズも翔兵のサイズの在庫があるか、確認済み。たいていの場合、これで解決です。時々は「ついでに私の分も買って。」という報酬?を要求されますが。ボトムや靴は試着しないといけないので、観念して買いに出かけますが、トップスに関しては璃子のセレクトが多いです。
そんなこんなで、二人の性分は違いますが、二人とも外では「しっかりしている」ことになっているそうです。
実は今朝も送らせていただきました。




