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璃子からの手紙。

最後の定期テストを終え、卒業まであと一ヵ月半を切った頃の三者面談の際に担任からある封筒を手渡されました。内容は「“いのちの授業”を行うにあたって、ご家族からお子さんへのお手紙をお願いします。」というものでした。

その手紙は中身を見られないように封をして、さらにそれを所定の封筒に入れて子供を通して一旦は担任へ提出し、その授業のときに一人ひとりに担任から渡されることになっているんだとか。内容については、子供たちがそれぞれ家族にとって大事な存在であるということを含めて、普段言えていないことなどを書いてくださいということでした。

私が書いた内容は「もうすぐ卒業だね。おめでとう。」「我が家に生まれてきてくれてありがとう。」ということと「璃子には人のために動く力があります。無理はしなくてもいいけど、この力は大切にしてね。」「これから、つらい事に遭遇するかもしれないけど、そのときは少し冬眠してもいいからなんとか踏みとどまってください。」などなど。


そして卒業式の朝、受付で子供からの手紙を渡されました。保護者席に座っている方はみんなそれぞれお子さんからの手紙を読んでそっと涙を拭っている中、私も手紙を開封しました。

璃子からの手紙には日頃の感謝と、学校に行けなくなった時期に心配や迷惑をかけて申し訳なかったという内容と、そしてこんな一文がありました。

「ここだけの話、一度だけ自殺をしようと思ったことがあります。どうして踏みとどまれたかというと、ママの顔が浮かんできたからです。」

私も中学生の頃にはしょっちゅう自殺を考えていたので、人のことを言える立場ではないのですが、こうしてこのような言葉を目にすることは正直なところショックでした。それと同時に思いとどまってくれたことにホッとしました。

感動と、この一文のショックで涙が思わずこみ上げてきました。このカミングアウトはショックでしたが、色々な思いを胸に元気に卒業式を迎えることができて本当によかったです。

翔兵のことでかなり気を遣わせたり、巻き込んだりして、つらい思いもさせました。このことで、人に気遣うことや、人のために動くことを身に着けたんだと思いますが、子供らしく過ごさせてやれなかった後ろめたさもありました。

翔兵が元気になったことで、彼女がやっと自分のことだけを考えて生きられるようになったようにも思います。

二人とも、これからも頑張って!

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