「今日はカレーを食べたんだよ。」
「今日はカレーを食べたんだよ。久しぶりでおいしかった~。」
塾の迎えの車中で翔兵が言い出した。塾の日の行動は2パターンある。一つは授業後すぐに帰宅し、家で夕飯を済ませて、私が送迎。もう一つは部活の後、そのままどこかで夕飯を済ませて塾へ向かい、私は帰りだけ迎えに行く。
この日は後者だった。たいていはコンビニのイートインのようだが、この日は同じ行動をする友人と一緒に途中の牛丼屋でカレーを食べたそうだ。
我が家は翔兵はカレーが好きだが、璃子がカレーを食べると気持ちが悪くなるため、カレーの日は別メニューを用意しなければならないので、翔兵には悪いが、カレーは滅多に作らない。食材の都合上、別々のほうが冷蔵庫の在庫整理などに良い場合や、璃子が外食で不在の場合くらい。
そんなわけでお手軽メニューであるはずのカレーが滅多に登場しないのである。
この後者の日は、一人でコンビニという場合もあるが、こうして同じ塾に通う友人とご一緒することも時々あるようだ。入学当初から友人の名前が徐々に増えてきていること、そして食事をおいしいと感じられる生活を過ごせていることに感謝の日々である。
少し話しは変わるがこのところ、弁当をときどき残して帰ってくるようになった。体調が悪いのか、メンタル面が疲れているのかと心配していたら、何のことはない。違うクラスにいるトオル君が昼休みに自分の弁当を食べ終えると「翔兵の完食を邪魔しに来たぜ!」と遊びに来るんだそうだ。
せっかく作ったのだからキチンと食べてほしいとは思うが、こうしてワイワイとやれる関係があるのはありがたいことである。




