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先生になりたい。

一年生も残すところわずかになった。頻繁に行われる学校内での定期テストやその他の試験、校外模試など、その度に成績を見せては志望校について考えている。

「先生になるなら、こっちの大学の方が有利だって言われてるんだけど、まだ安全圏には届かないんだよなあ。」

「少し下げても良いんじゃない?その大学も就職には良さそうだよ。」

「学閥なんかもあるみたいだから、それだと不利なんだよな。教師になるには、そこの大学はちょっとね。」

翔兵は入学直後から学校の先生になりたいと言い出し、今もそれは変わっていない。あの学校嫌いが学校の先生というのも不思議だったが、思えば友達に勉強を教えるという立場は今も続いている。教えるのが好きなようだ。実家の両親の話では、入院中にも夕方になると友達によく勉強を教えていたらしい。

まだ一年生だから、違うことを言い出すかもしれないと思っていたが、ブレていない。なかなか意志が固いようだ。かつて漫画家になりたいと言っていた時期があったが、その時には「売れないと美味しいご飯が食べられないだろうな。」などと言っていたので「漫画だけでは美味しい以前に、ご飯が食べられるかどうかわからないよ。」と言ったらあっさりと「じゃあやめた。」と言ったので、今度もそれがあるかと思っていただけに意外だった。

強い意志が持てるようになったし、メンタル面でも強くなったと思う。あの復活劇は、根性の賜物だと思うし、親戚やら学校側やら、実に回りを驚かせた。中学校に復帰する前、復帰後の高校受験の間に、本当によく泣いたが、そのおかげで内にしまいこんでいたものを吐き出せたのかもしれない。

進路については、このままブレないで行くのかどうか、誰にもわからない。変わっても良いと思う。それよりも元気に生きて、今から見えるもの、身に付けられる力をどんどん受け入れて行ってほしいものである。

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