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麻婆豆腐。

「麻婆豆腐作って。」

「はあ?」

「調理実習で作ったのが美味しかったの。家でも同じのを作って。」

翔兵のいきなりの発言にビックリ。というのは、彼は豆腐が嫌いである。豆腐の味噌汁は黙って食べるが、基本的に豆腐を積極的に食べたりしない。鍋のときでも、よそってやらない限りはスルー。麻婆豆腐などは論外である。麻婆豆腐のときは翔兵は別メニューにしていたのだ。

不登校からの復活が始まって以来、好みがどんどん変わっていくなあ、と感心しながら家庭科のプリントをコピーした。

まず分量通りにタレをあわせてみると、味噌の味がメインの、豆板醤がほとんど感じられないタレになった。麻婆豆腐というよりは肉味噌豆腐という感じで、これは私の好みではないので、豆板醤を少し増やし、味噌が脇役の味にアレンジした。

我が家の味噌は赤味噌なのだが、何せ味が強い。レシピ通りでは味噌の味が勝ってしまっている。調理実習で使用した味噌の種類を聞いてみたところ、記憶にないとのことだったが、たぶん赤味噌ではないのだろう。

夕食に出してみると、莉子はいつもどおり美味しそうに食べている。翔兵にいたってはガツガツと平らげた。

「おいしかったです。」

食べ終わった翔兵が言った。おお。これは助かる。しかも、市販のタレよりも安心な上に、コストとしては大差ない。麻婆豆腐はメインの料理としては肉料理よりもコストが安いし、もう別メニューにしなくても良いなんて、一石二鳥である。


そしてほかにも食生活の変化があった。翔兵の朝食はごはんであってもトーストであっても、目玉焼きとソーセージを出していたのだが、ご飯に味噌汁、焼き鮭が食べたいと言い出したのだ。あの魚嫌いが毎朝、魚を食べ続けている。そんなわけで平日は本人が飽きたと言い出すまでこのメニューである。

こちらは実のところ、鮭のほうがコストがかかるのだが、まあ、よしとしよう。

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