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あなたが得たもの。

秋になり、二学期の中間テストの成績が出た。入学準備説明会のあの順位にショックを受け、頑張り続けている。

「努力してきて思ったんだけど、結果を出している人っていうのは、何もしていないように見えても努力してるんだよね。だから友達にテストの順位で勝っても、見下す気にはなれないよ。」

塾の帰りの車の中、翔兵が言った。

今回はテストの成績が入学以来、最も順位が高く、科目別でなら勝つことができた友人に、総合順位でも勝つことができたらしい。勝てた喜びですっかりはしゃいだ口調で報告するなか、こんな一言が出たことには驚いた。

翔兵の友人は、なぜだか学年でも上位を占めているメンバー揃いで、そんな彼らと成績を競っているのだ。総合では勝てなくても、得意教科だけでも勝つことができればと頑張っていた。しかし、友人たちもそうだが、翔兵も趣味のゲームや、彼女とのデート、友人との勉強会も欠かせない、「よく遊びよく学ぶ」タイプ。

私はそんな彼を、息切れがしないようにと祈る気持ちを胸に、黙って見守ってきた。赤点さえ取らなければ、毎日登校する元気と体力があれば良いと思っての事だ。

そんな中、翔兵は成績という結果とともに大きな財産を手に入れたことは、私としては成績が上がった事よりも嬉しかった。

人よりできるようになると、天狗になって回りが見えなくなることがある。一方、努力の意味を噛みしめ、謙虚さに気がつくこともある。勉強ができても謙虚さを忘れてしまう人間はイヤというほど見てきた。そういう天狗は、頭が切れるだけに憎まれ口もグレードが高く誠に感じが悪い。


よく頑張ったね。今回、手に入れた気持ちを絶対に手放さないでね。

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