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公立高校決定。

目をむいて震える高熱の三日間を経て、出席停止期間の最終日の夕方、保健室にて三者面談が行われた。公立の最終決定をするための面談だった。

数日前までは西田高校という、かなりレベルの高い進学校を希望していたが、内申点が明らかに足りないのでかなり厳しいのだ。

「翔兵君、どうしたい?」

担任教諭の問いに翔兵は黙って書類に目を落としている。

「お母さんとしてはどうお考えですか?」

翔兵が黙っているので私に問いが向けられた。

「本人が納得して通えるのならば…。翔兵、どうしたい?今日が最終決定だから。」

実は志望校の変更を考え始めていたところだった。学校側からもう1ランク下げれば、内申点が少し足りないがこの程度なら当日点で補える可能性もあるという説明をたった今受けたのだ。

「直木に受かったら甲南にします。直木がダメだったら江原に変えます。」

1ランク下の進学校である甲南高校を本命にした。もし直木がダメであっても江原高校であれば、内申点も余裕である。


面談を終えて帰ると夫がすでに晩酌を始めていた。夫は旧正月で帰省中なので、早くから一杯やり始めるのだ。

「なんだか元気ないみたいだな。」

帰るなり自室に行った翔兵を見て心配そうに言った。

「公立のランクを下げたから。」

「そうか。」

この時、私立の状況次第で公立のランクをさらに下げることにしたことも含め、夫に説明をした。元気に通えるのならば、私立でも良いと、夫婦揃って思っていたが、翔兵は経済的なことも含めて公立に行くことも考えているのだ。こんなに頑張っているのだ。納得の行くようにさせてやるのが親というものだ。

しかし、この半月後に夫は暴言を吐いたのである。

「アトピーになったら?~」の「6話石つぶて」で少し触れているが、電話で「どうして公立を最初から確実な高校とこを受けさせないんだ!人の金だと思いやがって!」と言い、一方的に電話を切ったり、その他思い出したくないほどガーガーと電話で私に暴言を投げまくったのだ。翔兵に言わなかったのがせめてもの救いだが、私の心は折れそうだった。


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