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進路希望調査書。

とうとう、この用紙がやって来た。最初は「大学まで行きたい」と言っていたが、今はどうしたいのだろう?どう答えるのか不安だが、書かないといけないので、恐る恐る聞いてみた。

「高校のことは、どう考えてる?」

「何が?」

「確認しておきたいんだけど。一応、この紙を出さないといけないから。全日制か、定時制か、通信制か、っていうことと、どの科に行きたいのかを書かないといけないの。」

「全日制。んーと、大学に行くなら普通科だよね。」

「納得の行くところに通ってほしいから、無理しないで答えて。」

本当かなあ。私に気を遣っていなければ良いんだけど。納得して通えることが優先だし、無理して入学はいって行けなくなってはもとも子もない。しかし、翔兵は改めて言った。

「全日制の普通科にしといて。」

意思は当初と変わっていないみたいだけど、また変わったらその時に考えることにしよう。期待やこだわりは捨てたつもりなのに、ホッとしてしまう。確かに将来、ニートになられたら、老後の私たちが支える自信はないので、困るのは事実だ。しかし、エリートを望むわけでないのなら、元気な身体があればなんとかなるはず。元気なことが最優先なのだ。


「よく頑張っていますね。」

夏休みの直前に三者面談では担任教諭からそう言われた。欠席も今のところ1日だけ。そして成績も入学当初よりは落ちるが、昨年度末に病院で受けた頃よりも明らかに上位にランクインしている。なかなかの快挙である。

「お母さんとしては、どうですか?」

先日の進路希望調査書を前に担任教諭が尋ねた。

「確かに経済的には公立の方が助かりますが、本人が納得して通えることを優先したいです。」

そう。公立と私立の学費はかなりの差がある。払えない額ではないが、公立の方がありがたいのは事実だ。しかし納得できないまま入学はいって行けなくなったり、別の学校に入学はいり直す方が、本人の精神面にも、我が家の経済面にも負担が大きいと考えたのだ。そして何より、納得のいかない場所に三年間も身を置く辛さは私がよく知っている。

「わかりました。じゃあ、翔兵、このまま頑張ろうな。」

担任教諭の言葉で三者面談は無事に終わった。

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