第1話
「律儀にあいうえお順だからな..」
スキル<<神の両腕>>の下にあった明らかに残念そうなスキル<<贋作>>
<<神の使者>>とか<<神の法衣>>とかある中
神の両腕がどうやら神シリーズで最後ってことだぜ
で、今は俺
このスキル<<贋作>>を使っているところだ
なんで急に使っている場面かというとだ
まず、あたりがパーっと光りだしてそのあと一瞬意識を失ったと思う
で気付いたら真ん中に白いクロスをかけられた豪華そうなテーブル
そして囲むように椅子が12ほど..
壁は赤を貴重に西欧を意識したつくり
んー格調あるホテルの大広間って感じかな?
そこにいつの間にか転移した
(人が..いる!)
3人くらいいたと思う
(夢とはいえ..コミュ障にはきつい現場だ)
そう、俺は自他ともに認めるコミュ障。
知らない人が3人、いきなりいたらそりゃあ固まるって
うう..
いやーな汗が出てくる...心の準備が
(とりあえず知らないふりをしよ..ウインドウみたいの出てるけどスキル確認できんのこれ)
というわけで今、スキル<<贋作>>を起動してるわけだ
なんか頭の中でスキル発動ぽいことしてみたらフツーに黒いウインドウが出たぞ
で、この<<贋作>>。
ステータス贋作というのしか選べない
じゃあスキル名称ステータス贋作でよくね? って思ったけどとりあえず使ってみる
犬童誠一
職業:剣聖(C)
魔法:回復魔法(A)
スキル
贋作(C)
加護
なし
「・・これだけ?」
まず贋作云々の前にステータスに関して色々突っ込みたいんだが・・
気にしたら負けだな。支離滅裂な夢の鉄則だ
気にしたら負け
でウインドウが『どれを贋作しますか?』と聞いてくるもんだから俺は思わず
「お前を消す方法!」
と言わんばかりに贋作を押す
『以下から選んでください』
<<家事>>
<<疾走>>
「は?」
2つしか出てこないよ
しかも初期スキル選択とはおよそかけ離れた残念スキルだ
家事ってそれ、もうスキルじゃないだろ
..というか贋作がもう既に残念だな、うん
適当に<<疾走>>を選択したらステータス画面に戻ったぞ
犬童誠一
職業:剣聖(C)
魔法:回復魔法(A)
スキル
疾走(E)
加護
なし
うーん、なんか贋作が消えてる..
なんていうんだろう。
残念な子がいなくなって更に残念な子がきたような...
とりあえず..
「疾走...発動!」
頭の中で唱えてみる
移動スピードが500%強化された...なんつって
・・ギュオン!!
すると人が..まさに今いないところから人が出てきた!!