第16話 哀れなメスブタ
「プルプル。霊体化....だと?」
半スライム化したケンドーが喋ってるニャ
ちょっとキモいニャ
スライム状態でシリアスな口調はヤメて欲しいニャ
「スキル<<霊体化>。霊体化中はあらゆる攻撃、効果を無効化する。当然、」
当然、何かニャ?
溜めないでほしいニャ
少年漫画でも最近流行らない手法ニャ
「当然、それまで掛かっていたスキル、魔法はリセットされる。幻惑だろうかなんだろうが」
.....どんなチートニャ?
それ、永遠『霊体化』を発動した日ニャあ、無敵ニャ?
だけどコレで女将軍の謎が解けたニャ
初日にチート能力の異世界者を倒したのも
今日の朝、異世界者の集中攻撃をいなしたのも
全ては『霊体化』というチートスキルのオカゲだったんニャ!
「お前達に勝ち目はない。さ、兵舎に戻るんだ」
女将軍は一転して勝ち誇った顔ニャ
ぐぬぬニャ
さっきまでスライム化しそうで涙目になってたのにニャ
こんな事なら幻惑のランダム効果で『発情化』してほしかったニャ?
獣どもの醜い『交尾』に腹抱えて笑えてたニャ
DTのケンドーもDT捨てれて一石二鳥ニャ?
とはいえ
今度こそ真の絶対絶命ニャ?
例えるならフ○ーザの兄さんがメタル化して100体襲ってくるアレニャ?
スーパーネコヤジンのドラ様でもちょっとしたピンチニャ
え?
その割には緊張感ない?
.....当然だニャ
だってこの女将軍。元より
異世界者には割と好意的なんだニャ!
考えても見てニャ?
ザル警備に脱走をほのめかす言葉
今だってこれ以上危害を加える気配はないニャ?
全ては自身が脱走を止めるのを
『ゲームとして楽しんでる』
との理由らしいがニャ?
この世界随一の『帝国』で
ましてその国の『六大将軍』ニャ?
こんな暴挙はいくら性癖でも考えずらいニャ
何か狙いがあるとしたら.....
孤高の天才ドラ様は気付いてしまったニャ!ニャオオオオン......
「どうするニャ? チートスキル<<霊体化>>中は一切の攻撃が出来ない、とみたニャ?」
「!!」
「部屋に張り巡らしてある『幻惑魔法』。部屋にいる我々を『攻撃』したいが出来ニャイ。このままでは千日戦争ニャ?」
「.....お前だな。この『脱出』を計画したのは」
「ここで1つ疑問が残るニャ? 今、外にいるお前が。部屋の中にいる我々『3人』より既に脱走中の『4人』のトコロに行かない理由ニャ」
そう
・『4人』より『3人』を優先する
・職業『狂王』持ちのマリューに対する異様な固執
・その性格の割には異世界者への無害さ。職務放棄かと思える程の
コレらから推測出来ることは.....
「『3人』ってよりは『2人と一匹』だけど.....」
ええいニャ
ケンドーうるさいニャ
シリアスなシーンを邪魔しないで欲しいニャ
名探偵ドラ様のまさにクライマックスシーンニャ
夏休みにやってる2時間モノニャ
DTは大人しく基本無料のエロゲでもやってろニャ
「女将軍ニャ。お前。国を作るつもりかニャ?」
「!!」
「く、国!?」
「ドラ!こんな時に何をーー」
「フフフフ! ヒヒヒヒヒッ!ハァ~ハッハッハァ~!!」
......相変わらず不気味な笑いかたをする女将軍ニャ
獣らしいといえば獣らしいかニャ?
所詮人間
高等民族のネコ様の目から見たら
お前なんてただの哀れな『メスブタ』ニャ!ニャオオオオン.....
「.....『国』を作るには前提条件として職業『○王』持ちが必要だニャ? 聖王、賢王、狂王.....」
「ほう....そこまで..」
「まして『王持ち』などそれこそ。雪男を見つけるより難しいニャ。レア中のレア職業ニャ」
「ドラ!まさか!!」
「狂王持ちの『マリュー』を飾りの王にして。帝国に反旗を振りかざすつもりニャ? やれやれだニャ? とんだメギツネニャ?」
「フフフフヒヒッ! こんなところに思わぬ名探偵がいたようだな」
当たり前ニャ
仮にも名探偵のドラ様ニャ?
『体は子供。頭脳は大人』
夏休みはちょっと再放送で忙しくなるニャ?
「ドラちゃん.....それならやっぱりワタシが犠牲になれば!」
うるさいニャ
ロリ幼女のロリブタはブタらしく黙ってるニャ
言われなくともそうするニャ?
マリューは既に祭壇に捧げられる生け贄ニャ?
メスブタらしく大人しく焼き豚になるニャ
ニャハハ
「いや。気分が変わった。お前も来るんだ。我が陣営に」
ニャ?
この女将軍は何を言ってるのかニャ?
まさか.....
ドラ様の頭脳の価値が気付かれてしまったニャ!ニャオオオオン.....
「お前とマリューだ。我が計画に必要な人材だ。そこの.....男は用はない」
「は?」
「とはいえ計画が今露呈する危険はな.....殺すか」
!?
ニャ!?
この女将軍は何を.....何を言ってるんだニャ!?