第14話 主人公
ドラの名前は米沢ドラニャ。8歳の働き盛りニャ
米沢家にペットとして飼われてたニャ
まあ言っちゃえばよくいるアメリカンショート系のカワイイ猫ってヤツニャ
そんなよくいるカワイイ猫が一大事ニャ
....聞いてニャ
その日もいつものように特等席の松永さん家の裏の木の上で優雅に『ひなたぼっこ』してたらニャ?
いつの間にか視界が真っ暗になってたニャ!
この世の終わりかと思ったニャ!
冷静沈着なドラもさすがにパニクったニャ?
そして出現したウインドウをそのいたいけな肉球で適当に押した瞬間ニャ?
ドラの脳という脳にあらゆる情報が入り込んで来たニャ!
こうして今喋れているのも
こうして色々な単語を知っているのも
全ては適当に押したスキル<<叡智>>を取得した瞬間だったニャ!
ただでさえ麗しい美形のドラがハイスペック超人に?
いや『超猫』というべきかニャ?
自分自身のチートっぷりに戦慄したニャ。ニャハハ
そしてラノベでお決まりの召還のの場面ニャ
「どうかこの世界をお助けください!」
き、きたニャ!
チート能力でドラ様の『異世界ハーレム俺TUEEE』ニャ!
ネコ耳獣人からケット・シーの女の子まで全部手篭めにしてやるニャ!
ニャオオオオン.....
人間?
人間は魅力を感じないニャ?
猫様が人間に恋をするかニャ?しないニャ
まあウチの飼い主様みたいに一部良い人間がいるのも事実だニャ
ドラがハーレムに思いをめぐらせてるのも束の間
雲行きが怪しくなってきたニャ?
とゆうかニャ
完全にアカンタイプの召還だったニャ!
ドラは一気に帰りたくなったニャ.....
初日の顔合わせで平気で異世界者に攻撃するとか何処のブラックかニャ?
いやブラックでも給料は出るかニャ。ニャハ
一言でいうと奴隷だニャ
奴隷召還ニャ
ドラはこの時からの1週間
生きた心地がしなかったニャ・・
毎晩
それこそ毎晩枕を濡らしたニャ
こんないたいけな猫が
転機は召還されてから1週間ニャ
晴れて同室となった『ケンドー』ていうDTっぽいヤツニャ
ドラ? ドラはDTじゃないニャ?
裏に住んでたキティちゃんからミーちゃんまで手篭めに
プチハーレムを作ってたニャ
リア充ってヤツニャ
どこぞのDTと一緒にしないでもらいたいニャ
でも。ドラの『ハーレム』の野望はこんなもんじゃないニャ!
まあその話は置いて。
ケンドーニャケンドー
DTケンドーもドラと同じ様にヒドく落ち込んでたニャ.....
そのケンドーの涙を見て思ったニャ
『飼い主様に似ている』
ドラが助けないとニャ!
いつも飼い主様を笑顔に変えてきたドラだニャ!
今回も同じミッションと思えばいいニャ!
ドラの『脱出』計画はその日から加速したニャ
ケンドーの涙を見た日から全身に力がみなぎってくるニャ!
『ドラがやらねば誰がやる』ニャ。映画化決定ニャ
ニャオオオオン......
そしてついにニャ
女将軍が慢心したその日の夜
ドラ達はこうして『脱出』に成功しつつあるニャ!
というか成功ニャこれ
クソビッチから始まり、ハカマダ、タナカ...医務室で手当てしてたサトウをドラが懐柔したシスターの手引きで連れてきてニャ
入り口からの堂々正面突破ニャ!
ニャハ。
女将軍が兵士をボコボコにしたのが裏目にでたニャ?
気は良くしたかも知れないがニャ?
『監視する人員』を自ら減らしたのは大きな誤算ニャ?
そして.....
後の人員殆どは懐柔済みニャア!!
女将軍が現場に出てこの事実に気付くまで2~3日はかかるニャ?
そして現場就任初日にドラらをボコッて最高に上機嫌と、きたニャ
これはフラグが立ってるニャ!ニャオオオオン.....
顔はいいらしい女将軍にあのスタイルニャ
ネコ耳の一つでも生えてれば考える余地は生まれたかもしれないがニャ?
天才ドラ様には色仕掛けは一切通用しないニャ!
女将軍....
お前はドラの知略の前に敗れるのニャ.....
「つ、次は俺かっ!? 小さいマリューのほうが良くないか!?」
「ワタシは最後で、いいよ」
ああ、ケンドーニャ....いたいけなDTニャ
心遣いの精神を忘れないニャ
こんなときまで
そしてケンドーが外に行こうとするその時ニャ!
ドタッ!!!
「お、お前ら....」
.....心臓が止まるかと思ったニャ
ドラズハートオブザストップニャ。涙無しでは語れない悲しい終幕ニャ
「きょ、今日.....」
ニャ?
息を切らして来た女将軍の様子が変だニャ? もしかして『あの日』かニャ
ドラはいっても紳士だからニャ?
スルーするべきトコはきちんとする慈愛の心を持ってるニャ?
「今日脱出するヤツがあるかああああ!!」
ニャハハ。
何を言うかと思えばそんなことかニャ
ビックリしたニャ