1/1
まさか
夢を見る。
水面が揺れ、波紋が広がり続ける。
意識はどんどん分解されていき、まるで眠るかのように視界が暗くなる。
これは一体何なのだろう。
夢は、僅かな痛みを残して消えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目が覚めた。
白のような黒のような微妙な景色が広がる。
俺は、何をしていたんだったか。
一般的な記憶、らしきものは覚えているけど他の思い出らしきものがわからない。
――まさか、記憶喪失か!? と思い切り上半身を起こそうと。
『んぁ、んぁ!』
……起き上がれない。
それどころか声も上手く出せない。
落ち着いて見ればおかしい。
まず、ノイズ…らしきものしか聞こえない。
次、何も見えない。
ぼやけた景色しか見えない。
次、記憶がない。
む…状況からしてまさか、な。