初出勤
実際に見たことあるわけではないので、勝手に創造して描写した部分がありますのでご注意ください。
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有名な高校といくつもの天才を生み出してきた大学を首席で卒業した[那谷仁咲]20歳
どうして大学を卒業しているのに20歳なのかは、私が大学の勉強内容を2年でやりつくし卒業テストを難なく合格したからだ。3年生をも抜く学力、誰もが認める天才!神は私を選んだと言っても過言ではない。
家も恵まれている方だ。父親は有名な企業の社長、母親は有名な外国ブランドの社長、一番上の兄は父のやっている企業の参謀、二番目の兄は一人で会社を立ち上げそこそこいい仕事をしている。姉は飛行機会社の社長の秘書。家族それぞれが才能を持ちこの先まだ見えぬ未来を歩んでいる…
そして私も、国直々の仕事を今年の夏に頂いたばかりだった、父も母も兄弟も国からの仕事を心の底から喜んでおりこれからの私を期待している。どうやら内密な仕事のようで内容はまだ何も知らされていなけが、国の偉い人からの仕事だ、例えば、秘書とか?国の文庫を扱うとか?私は文系だったわけだし、いやもちろん理数系も得意だ。唯一不得意なものもあるが、今は関係ない…だってそれ以外だったら私は完璧すぎる人間なのなだから、当然やりがいのある仕事なのだろう…
すごく楽しみにしながら、私は国からの迎えが来る9月27日を待った…
[9月27日]
広い庭の大きな屋敷の玄関に一台の車が付けてあった、私の初出勤に父と兄弟が立ち会ってくれた、これから長い間国から頂いだ施設で生活するらしいから家族とはしばらくの間離れ離れだ
「行ってきます」
「行ってらっしゃい頑張ってくるんだよ」
「しばらく会えないけど応援してるからな」
「期待しているよ仁咲」
「頑張ってね」
父と兄弟が一言一言応援の言葉をくれて私はこの期待を裏切っちゃダメなんだと心に深く刻み、車に乗り込んだ。最後まで手を振ってくれる父や兄弟に私も車の中から手を振ったがこの車の窓ガラスはスモークガラスだったのできっと見えていないだろう…車はそのまま静かに家の敷地を出た。
「ここから仕事場までどれほどかかるのですか?」
「あー、場所は言えねえがだいぶ遠い」
乱暴な口調…と第一印象を持ったが、送迎の係の人なのだからもう会うことはないだろうし、深くはつっこまなかったが、だいぶかかるなら…と私は鞄から手紙を取り出した、外国にいるお母さんからの手紙…そこには綺麗な字で私に頑張りなさいと応援してくれる言葉がたくさん綴ってあった。お母さん私、初めての仕事頑張るよ。みんなの期待を裏切らないように一生懸命頑張る……
気がつくと私は手紙を握ったまま眠りについていた…一体いくつ街を越えたのだろう、目が覚めると外は薄暗かった、夜?そんなに眠ってしまっていたのだろうか?
ガタンッガンッと車が大きく揺れる、違う私はすぐにそう思って外を見た、すると案の定外はまだ夜ではなかった、木々に囲まれた森の中をこの車は走っている。この先に国が使っていそうな敷地があるようにおもえなかった。不思議に思った私は運転手さんに声をかけた
「あのこの道で合っているんですか?この先に国の所有地があるように思えないのですが」
「所有?あ?お前難しい言葉使うなめんどくせえ」
「はい?」
また乱暴な口調で私の問に応えたのは髪の長い両目の目の色が違う男性。男性の服装は中に黒いTシャツを着ていてその上に少し濁った白い白衣でどう見ても国の使いの運転手の服装には見えなかった。どうりで家を出るときに車のドアも開けに来ないと思った…と、そんなこと考えている場合じゃなかった!
「ではこの車はいったいどこへ向かっているの?まさか誘拐?!」
「は?何言ってんだガキ、テメエが勝手に乗ったんだろ俺はこの車に[那谷仁咲]っていう女を乗せて帰ってこいって言われただけだ。文句があんなら管理人に言えよめんどくせえな」
「それって、どう考えても誘拐じゃない…ちょっと降ろしてよ!」
「ここから降りてどうすんだよガキ、さっきまでの道のり覚えてんのか?あ?ここから降りて道に迷って死にぬのがお前の今の今の望みかよ、馬鹿じゃねえの、例え山を降りられたとしてもこの山の麓には村も街もねえし、携帯なんてお前持ってねえだろ」
確かに、ここに来るまでの道なんて覚えているはずもない、そしてこんなコトを考えている間にも深い森の中に進んでいく車、髪の長い男の言う通り、携帯は持っていない。携帯は持ち込まないようにと電話でも言われ、手紙にも書いてあったので携帯は今手元にない。でも今から知らないところに連れて行かれて拷問され家のことを言わされ加増に迷惑をかけて身代金を取られると言う最悪な結末は、今私がこの車を飛び出すことで回避することが可能だ、でも…
「そんな無謀なことするぐらい、首席って奴は馬鹿なのか?そんなんなら俺にだって首席は務まるぜ?ガキ」
カチンッと頭の中で何か切れたような音が響いた。
首席が馬鹿?この不潔ロン毛はこの神に選ばれた優秀な特別な人間しかなれない首席になれると?ハハハ面白くないご冗談を…こんな不潔中年ロン毛にできる首席なんて保育園の主席ぐらいじゃこの不潔中年ロン毛野郎ッ!!!!
「…お前さ、独り事っていうのは心の中で独りで話すことであって、今お前がやったことは暴露って言うんだぜ?このクソ女」
「……え」
「それに俺は中年じゃねえ、23歳のまだ若者だ老けて見えるのは普段の生活のせいだ、わかったかこのクソバカ女。てめえもこれからこんな生活が続くんだよ覚悟しやがれこのクソバカ暴露女」
ダメだ、全然頭の中に内容が収まらない。ただこの男が無償にムカつくことだけは理解できた。
もう一度思い出してみればわかるはず、そう私はエリート、わからないことなんてない!まず、この男は常識のない最低な男。この男は[管理人さん]という人に言われて家まで迎えに来た。そして私の名前も携帯がないことも私がエリートで首席だということも知っていた。つまり誘拐の可能性もあるが新しい職場の可能性もある、でも、こんな最低な男が働く職場なんて…正直嫌だし、そんなところにこの私を呼ぶ?国が?そんなはずない。つまり今は誘拐の可能性の方が高い。だけど、この人の言う[管理人さん]がもしあの手紙の相手なら誘拐の可能性はゼロに等しい、それにこの男「那谷仁咲様もこれからこんな生活が続くのですよ」と言っていた、つまり手紙の内容を知っている[管理人さん」から聞いたのか、それとも作戦だからそういう風になっているのか…
「おい、着いたぞ。さっさと降りろ」
「え、もう!?」
どうしよう、もう敵のアジトに着いてしまった。この場合手を上げた方がいいのか…?っていうか敵のアジト見ていいものなの?!普通目隠しとかアジトなんてバレちゃダメでしょ!とりあえず車を降りて強く瞼を閉じながら下を向いた。どうしよう、やばい変な汗でてきた…
「はじめまして」
声をかけられ咄嗟に顔を上げた。私の目の前にいたのはスーツ姿でオールバックの顔が怖い男性。その姿を見て私の頭の中ではある事実が確信した。これはやばい組織の人間だ!
閲覧ありがとうございました。