EPISODE4-12【レイトキの新能力と方針】
ミュースタント学園の訓練施設——レイトキは、目の前にそびえる分厚い鉄壁や遮蔽壁の前に立っていた。本来なら向こう側は完全に見えないはずだ。だが、彼の瞳がわずかに金色に輝いた瞬間——
「……え?」レイトキは思わず一歩前に出る。壁の向こう側が、まるで透明になったかのように鮮明に見えていたのだ。
「どうしたの? レイ」星玲奈が隣から声をかける。
「せーちゃん… 俺、今… この壁の向こうが全部見えるんだ」レイトキは自分の目を疑うように手で目元を覆い、また開く。
「向こうにある木箱、その横に置かれた剣、それに… 壁の材質の層まで、はっきりと分かる!」彼は障害物を隔てた先の空間を、まるで壁が存在しないかのように透視していた。鉄壁、レンガ塀、厚い扉——ありとあらゆる障害物が、彼の視線を通り抜け、向こう側の光景が鮮明に浮かぶ。
「これは… 件狐の因子の影響か?」レイトキは胸元に手をあてる。
「未来を視る力だと聞いていたけど… まずは透視から目覚め始めたのか?」クロノヴァがその様子を見て、静かに告げる。
「そうだ。件狐の因子は、予言・未来視だけでなく、透視、千里眼、そして因果の流れを見通す力をも秘めている。半覚醒の状態でも、その一端が漏れ出し始めたのだ。これは、その力が完全に目覚める前触れだ」
星玲奈は驚きつつも、レイトキの肩に手を置く。
「すごい… でも、見えすぎて辛くなったりしない? 無理しないでね」
「うん… ありがとう」レイトキは瞳の輝きを抑え、意識的に視線を調整する。
「だんだん感覚が分かってきた。見たいものを見て、見ないものは遮断できるようになる。これも、俺の新しい力なんだな」こうして——レイトキに透視能力が発現! 件狐の因子が、半覚醒の状態ながら徐々にその力を現し始める! だが、これはほんの始まりに過ぎない。件狐の真の力が完全に目覚める時、レイトキは何を見ることになるのか——そしてその先には、どんな未来が待っているのか——!透視を続けた瞬間、レイトキは思わず目を押さえて身動ごともがく。「っ…! 目が… 焼けるように痛む…!」視界の端が一瞬白く霞み、鋭い刺すような痛みが走る。見えていた光景は次第に滲み、焦点が合わなくなり、頭の奥までズキズキと疼き始める。
「レイ! 大丈夫!?」星玲奈が慌てて駆け寄り、肩を支える。「無理しちゃダメ! すぐに目を閉じて!」
レイトキは手で目元を覆い、荒い息を吐きながら頷く。
「ああ… 見えることは見えるんだけど… 目が耐えられない。まるで目の奥から力が溢れ出して、目自体が壊れそうだ…」クロノヴァが厳しく告げる。
「当然のことだ。件狐の因子は本来、肉体の器に収まりきらないほどの情報と未来の流れを映し出す。今のお前の肉体と瞳では、その力を受け止めるだけの耐久がまだ育っていない。使えば使うほど視覚神経と脳に過負荷がかかり、最悪の場合、視力を失うこともあり得る」
「そんな…!」星玲奈は青ざめる。「じゃあ、今は使っちゃダメなの?」
「必要な時以外は絶対に使うな」クロノブレイが釘を刺す。
「瞳も肉体も、時間をかけて鍛え上げなければならない。力は強大だが、それを受け入れる器が追いついていない——それが今のお前の現実だ。焦るな。一日一日、少しずつ慣らしていくしかない」
レイトキは目を閉じたまま、痛みが引くのを待ちながら低く呟く。
「…分かった。俺、まだまだ未熟だった。見えるからといって、調子に乗って使いすぎるところだった。今は耐える。器が育つまで、ゆっくりと時間をかける」星玲奈は彼の手を強く握りしめる。
「私が側にいるから。無理しないで。痛くなったらすぐに休む。それが絶対の約束だよ」こうして——件狐の力は強大だが、瞳と肉体が追いつかず、深刻な負荷が! 透視はおろか、使いすぎれば失明の危険さえある状況。レイトキは力と身体のバランスを鍛え直す必要に迫られる。果たしていつか、完全に制御できる日は来るのか——!クロノは懐から、漆黒のフレームに淡い輝きが浮かぶメガネ型アイテムを取り出し、レイトキに手渡す。
「これをつけておけ」レイトキはそれを受け取り、不思議そうに眺める。
「これは…?」
「視界安定・負荷軽減の眼鏡——《遮陽の眼鏡》だ」クロノは説明を加える。
「件狐の因子が放出する過剰な情報と光をフィルタリングし、瞳と脳への負担を半減させる。完全に消すことはできないが、今のお前が力を使う上で、必要不可欠な道具となる」
レイトキはそっと眼鏡をかける。すると、先ほどまで鋭い痛みを伴っていた視界が一気に穏やかになり、透視の光も柔らかく調整され、まるで水面のように滑らかに落ち着いた。
「っ…! 痛くない…! それでもちゃんと、向こう側は見える!」レイトキは感動したように眼鏡のブリッジに指を添える。
「これがあれば、俺でもこの力を少しずつ使っていけるんだな」
星玲奈も安心して笑顔を浮かべる。「よかった…! それがあれば、無理しすぎることもなくなるね。でも、それでも限界は守ってね?」
「ああ、分かってる」レイトキは眼鏡を押し上げ、決意を新たにする。「この眼鏡に頼りながら、少しずつ慣らしていく。いつか、これがなくても平気になるように——俺自身の力で、この瞳を制御できるようになる」
クロノは頷き、厳しくも温かく告げる。
「その意気だ。道具はあくまで補助。真の制御は、お前自身の肉体と精神が伴って初めて成し遂げられる。さあ、新たな一歩を踏み出せ」
こうして——クロノから《遮陽の眼鏡》を授かり、件狐の力の負荷を抑える手段を得た! だがこれは通過点に過ぎない。いずれ眼鏡が不要になるほど、自らを鍛え上げる日を目指して——レイトキの成長の日々が始まった!訓練の合間、レイトキは《遮陽の眼鏡》をかけたまま、ふと透視を発動させた。まだ使い方が曖昧で、視界の調整がうまくいかないまま周囲を見渡した瞬間——視界の中に星玲奈が入ってきた。そして——眼鏡のフィルタリングが完全には効ききらず、彼女の服が透けて見えてしまい、下着姿が丸見えになってしまったのだ!
「っ…! せーちゃん!?」レイトキは思わず目を覆い、真っ赤になって慌てて透視を切る。心臓がバクバクと鳴り、顔が熱くなる。
「ご、ごめん! せーちゃん! 今、俺… 透視が勝手に…!」星玲奈は突然の彼の反応に驚いたが、彼の視線と慌て方で何が起きたか瞬時に理解し、顔を真っ赤に染める。
「えっ… もしかして… 見えちゃったの…?」
「う、うん… 服の下まで… 全部…! 本当にごめん! まだ力の調整がうまくできなくて…!」レイトキは頭を下げて謝り、耳まで真っ赤になっている。
星玲奈は恥ずかしそうに体を抱えながらも、彼が故意にやったわけではないことを分かっているので、怒るでもなく、そっと近づいてくる。
「…調整が難しいのは分かる。でも、ちゃんと制御できるようにならないとね」彼女は少し照れながらも笑顔を見せる。
「…別に、嫌いじゃないから。レイが見たいって言うなら、いつでもちゃんと見せるから。だから、透視でこっそり見るのは、反則だよ?」
「せーちゃん…!」レイトキはさらに赤面し、慌てて頷く。
「わ、分かった! 絶対に制御できるようになる! 次からは、ちゃんと許可をもらってから…!」クロノハートがその様子を遠くから見て、くすっと笑っている。こうして——思わぬハプニング! 透視の誤作動で星玲奈の下着姿が丸見えに! 赤面しまくる二人だが、それでも絆は深まるばかり。レイトキは力の制御の重要性を、新たな意味で痛感するのだった——!クロノハート、クロノヴァ、クロノブレイ——三人の姿がふわりと浮かび、そろっていたずらっぽくにっこり笑った。
「ふふっ、見てたよ~」クロノハートが口元を押さえてくすくすと笑う。「レイトキ、真っ赤になっちゃって。それだけ星玲奈さんのことをちゃんと想ってるってことだね」
「制御がまだまだなのは事実だが——」クロノヴァも目尻を下げ、悪戯っぽい笑みを浮かべる。「そういう慌て方も、悪くないものだ」
「だがな」クロノブレイも笑いを抑えながら告げる。「透視のオンオフ、視界の調整——早くマスターしないと、今後もこんなことが続くぞ? 次は誰に何が見えるか、分からないんだからな」レイトキはさらに真っ赤になり、眼鏡を押し上げながらうつむく。
「からかわないでくださいよ…! 分かってます、ちゃんと制御できるようになりますから!」星玲奈も顔を赤らめつつ、三人の神々のやんちゃな笑顔に思わず笑顔になる。
「もう、みんなからかってるんだから~。でもね、レイ。早く自在に使えるようにならないと、本当に大変だよ?」こうして——三人の系譜神がいたずらっぽく笑い、二人をからかう一幕! だがその笑顔の裏には、二人の成長と絆を温かく見守る気持ちが込められている。レイトキは透視の制御を身につけるため、さらに奮闘することになる——!訓練の最中、クロノカノンが突然、手加減した光の刃を放ち——不意打ちを仕掛けた。
だがレイトキは、その気配を事前に感じ取っていたかのように、さっと一歩横に躱し、攻撃をかわした。
「っ!? よく避けた」クロノカノンはわずかに目を見開き、そして嬉しそうに頷く。「不意打ちだったはずだが、どうやって気づいた?」
レイトキは呼吸を整えながら答える。
「なんとなく… 視界の端に、ほんの少しだけ未来の動きが見えたんです。こっちに来る——って、先に分かったから避けられました」
星玲奈も驚いて目を輝かせる。
「すごい…! 件狐の予知の力が、少しずつ目覚めてきてるんだね!」クロノカノンは厳しくも温かい眼差しで告げる。
「そうだ。透視だけでなく、未来予知、気配の察知——それらが連動して動き始めた証拠だ。だが、まだほんの始まりに過ぎない。これからもっと鋭く、正確になっていく。その分、情報量も増え、脳への負担も大きくなる。油断するな」
「はい!」レイトキは眼鏡を押し上げ、気を引き締める。
「この力を制御して、いつかは完全に使いこなせるようになります!」こうして——不意打ちを予知で回避! 件狐の真の力「未来視」が徐々に覚醒し始める! だが力が成長するほど負荷も増大——レイトキは更なる鍛錬を迫られる!クロノゼノンがはっきりと告げ、件狐の真実を明らかにする。
「件狐、実際には存在する。だがレイトキに入れられてるのは、件と妖狐の因子を一つに融合して生み出されたものだからね。妖狐と件、両方の能力を使えるってことになる」
レイトキは眼鏡を押し上げ、驚きを込めて問い返す。
「つまり… 俺の中には二つの存在が一つになってるってことですか? 件の予言・未来視だけじゃなく、妖狐の力も使えると——?」
「そういうことだ」クロノゼノンは頷き、詳しく解説する。
「件は未来を予言し、災いを告げる存在。一方の妖狐は、妖力・幻術・気配の操作、そして時には炎や雷といった自然の力を操る。二つが融合した今、お前はその両方を受け継いでいる。だからこそ、透視も予知も、そしてこれから目覚める別の力も——すべてがその証なのだ」星玲奈は瞳を輝かせる。
「二つの力が一つに…! それはすごいけど、同時に大変なことだね。制御するのも二倍、難しくなるのかな…」
「その分、可能性も二倍だ」クロノゼノンは厳しくも力強く続ける。「だが、融合したからこその危険もある。二つの意思が衝突したり、力が干渉し合ったりすることもあり得る。ゆえに、どちらか一方に偏ることなく、等しく受け入れ、統合していくことが肝心だ。妖狐の力で未来を守り、件の力で道を定める——それが真の使い方だ」レイトキは胸元に手をあて、二つの力の鼓動を感じながら決意を新たにする。
「件と妖狐… 俺は二人分の力を預かってるんだな。ならば、その両方を制御し、両方の力を誰かのために使う。絶対に、悪いようにはしない!」こうして——件狐の正体が「件+妖狐」の融合因子と判明! 予言・未来視に加え、妖力・幻術・自然力まで操れるようになる! 二つの力を一つに纏める重責を負ったレイトキの、更なる成長と試練が始まる——!クロノアークがはっきりと指摘し、その違いを語る。
「でも、ルーツドランの力は最初から暴走しなかったよね。その力はまるで最初から馴染んでた感じだよね。ほかの因子の力は、件狐以外はこの間やっと完全に馴染んだ感じだけど」その言葉に、レイトキも思い当たる節があり、頷く。
「確かに… ルーツドランだけは、俺の中に入った瞬間からまるで昔からそこにあったかのように、抵抗も違和感もなかった。暴れることもなく、静かに、だけど確かに俺の一部として在ったんだ」クロノアークは続け、その理由を示唆する。
「それはつまり、そういうことだ。他の因子は後から宿し、時間をかけて身体と心が受け入れていくものだった。だから馴染むまでに時間がかかり、暴走や反発も起きた。だがルーツドランは——お前の根源、本質に最初から結びついていた力なのかもしれない。まるで、お前自身の一部が形を持って現れたかのように」星玲奈は興味深そうに聞き入る。
「根源… レイが生まれながらに持っていた力、ということ? だからこそ、一番最初に馴染んで、一番安定してるのね」
「そうだとしたら…」レイトキは胸元に手をあて、その静かな力を感じる。「ルーツドランは俺の原点。俺が誰であるか、何のために生まれてきたのか——それを示してくれる存在なのかもしれない」クロノアークは頷き、締めくくる。
「だからこそ、その力を大切に。他の力を制御する時も、ルーツドランを軸にすれば、きっと安定する。それがお前の芯となり、他の因子をまとめる礎になるはずだ」こうして——ルーツドランがレイトキの根源的な力であり、最初から馴染んでいた特別な存在と判明! 他の因子を統べる「芯」として、今後の成長の鍵を握ることに! レイトキは自らの原点を胸に、さらなる高みを目指す——!クロノアがはっきりと告げ、レイトキの血筋の真実を明らかにする。
「それはレイトキが父の家系がジョースター家の血を引いてるからだよ。ジョースター家はルーツドランの庇護の家系、そしてもう一つはキクリの遺伝情報、即ちクラリトンの神だよ」
その言葉に、レイトキは衝撃を受けて息を呑む。
「ジョースター家… 俺の父方の家系が、ルーツドランに守られてきた家系だった…? だから最初から、俺の一部として馴染んでたんですか?」
「その通り」クロノアは頷き、続ける。
「ルーツドランは代々ジョースター家を見守り、その血に宿り続けてきた。お前は生まれながらにその力を受け継いでいる——だからこそ、他の因子とは根本的に違う。最初から自分のものとして在ったのだ」そして母方の真実も告げられる。
「そしてもう一つ、母であるキクリ——彼女はクラリトンの神の遺伝情報を持つ存在。つまりお前は、クリプトンの血統(ジョースター家) と神界とクリラトンの血統(クラリトンの神)、二つの由緒ある血を併せ持つ者なのだ」星玲奈は驚きながらも、レイトキの背負うものの重さを感じる。
「レイ… あなたはただのヒトじゃないんだね。二つの世界の、神に繋がる血を引いている… だからこそ、すべての因子を受け入れ、統べる資格があるのかもしれないね」レイトキは自分の手を見つめ、その中に流れる血の意味を噛み締める。
「ジョースター家の誇り、そしてキクリ… 母の力。俺はその両方を受け継いでる。それがルーツドランと共に、俺の原点なんだな」クロノアは厳かに締めくくる。
「そうだ。だからこそ、お前は二つの世界を繋ぐ者となる。クリプトンとクラリトン、人と神——その架け橋となるべく生まれてきたのだ。その誇りを胸に、共に歩め」こうして——レイトキの出生の秘密が明らかに! 父方はルーツドラン庇護のジョースター家、母方はクラリトンの神・キクリ——二つの由緒ある血統が、彼の全ての根源だった! 自らのルーツを知ったレイトキは、その重責と誇りを胸に、神候補としての道を更に進んでいく——!訓練場の空間がふわりと光に包まれ、二つの気配が呼応するように輝き始める——トーフーとボーフーが、互いに溶け合うように回転し、一つの美しい刀剣へと姿を変えたのだ。
鍔元から先端へと流れるような紋様が浮かび、刀身は静かな光を湛え、まるで呼吸するかのように微かに脈打っている。レイトキはその刀を手に取り、瞳を凝らして鑑定スキルを発動させる。視界に文字が浮かび上がり——彼はその名を読み上げる。
「トーフー・ワ・ボーフーって名前か」刀身がその名に応えるように一際輝き、手の中でしっくりと馴染む。まるで「そうだ」と頷くかのように、力強くも穏やかな響きが伝わってくる。
星玲奈はその刀の姿に魅入るように見つめる。
「トーフー・ワ・ボーフー… 二つが一つになった名前なんだね。それだけ強い絆で結ばれてる刀なんだね」レイトキは刀を軽く振り、その重みと力を確かめる。
「ああ。トーフーとボーフー、それぞれの良さを一つに纏めて、この刀になった。俺もこの刀のように、色んなものを一つに纏めて、強くなりたいな」クロノゼノンが頷き、その意味を告げる。
「二つの存在が融合し、新たな名前と姿を得る——それはまさにお前自身の成長と同じ道だ。この刀はお前の心の在り方そのもの。大切に使えば、必ずお前の力になる」こうして——トーフーとボーフーが融合し、聖剣「トーフー・ワ・ボーフー」誕生! レイトキの新たな相棒として、共に戦い、共に成長していく! その刀が秘める真の力とは——!クロノがゆっくりと刀身に指を触れた瞬間——トーフー・ワ・ボーフーが眩い光に包まれ、その姿を根本から変えていく。
漆黒の刀身の内側から、黄金の輝きが脈打つように湧き上がり、まるで宇宙を閉じ込めたかのような深い黒と、太陽のような輝く金が、一体となって刀剣を形作る。鍔や柄にも太古の紋様が浮かび、空間さえもその刀を中心に歪み、時の流れすらも凍りつくかのような威厳が満ちる。
クロノは厳かに告げる。
「これは、今までの英雄誰も手に入れたことがない原初の刀剣——始原刀剣! 聖剣、魔剣、妖刀、すべての始祖にして源流!」
レイトキはその刀を手にし、その途方もない重みと、同時に心に響くような温かな力に息を呑む。
「始原刀剣… 全ての刀の原点… 聖でもなく、魔でもなく、その両方を内包し、全ての始まりである刀… これが俺の手に…」
星玲奈もその荘厳な姿に目を奪われ、囁く。
「聖剣でも魔剣でも妖刀でもない… それら全ての源… まるでレイ自身みたい… 光も闇も、全部受け入れて、それでも前に進もうとしてる…」クロノは続け、その意味を伝える。
「そうだ。この刀は善悪の概念を超え、あらゆる力の始まり。それを手にしたということは、お前がその資格を持つ者だという証。光を守り、闇をも抱きしめ、二つの世界を一つにする——その覚悟が、この刀を選んだのだ」レイトキは刀を強く握り締め、決意を込めて見つめ返す。
「俺、この刀を預かる者として、絶対に誤った使い方はしない。聖なる力も、闇の力も、全部、誰かを守るために使う。この始原刀剣と共に、俺は未来を切り開いていく!」こうして——トーフー・ワ・ボーフーが真の姿「始原刀剣」へと進化! 全ての聖剣・魔剣・妖刀の源流にして、歴代の英雄も手にすることのなかった伝説の刀剣が、レイトキの手に! その刀が秘める無限の力とはたらきは——!始原刀剣の輝きが収まらぬ中、突如として訓練所の一角から聖槍が眩く輝き始める。その光は周囲の空間を波動のように伝い、やがて訓練所に安置されていた魔槍、神槍が次々と呼応し、槍穂先を天に向けて浮かび上がる。三つの槍は互いに引き寄せられ、聖なる光、闇の気、神々しい輝きが一つに渾然一体となり——まさに時空の理を纏うかのような、長大な一本の槍へと昇華された。漆黒の軸に黄金の槍穂が輝き、その姿は始原刀剣と呼応して空間に紋様を描く。レイトキはその槍を手にし、その途方もない力の流れを感じて呟く。
「原初槍まで手に入れるか…」クロノが厳かに告げる。
「そうだ。これは始原槍——聖槍・魔槍・神槍、すべての槍の源流にして始まりの槍。刀と槍、二つの原初の武具が同時に現れたのは、お前が初めてだ。それだけお前の存在が、あらゆる力の原点に繋がっている証でもある」星玲奈はその槍の威容に息を呑み、そしてレイトキの姿を見つめる。
「刀も槍も、全ての始まりのものがレイのもとに… それは、レイが新しい時代の始まりを告げる者だってことなんだね」レイトキは左手に始原刀剣、右手に始原槍を構え、二つの原初の力を同時に受け止める。その身には光も闇も、聖も魔も、すべてが均衡して輝いている。
「俺はこの二つの力を、決して争いのためには使わない。剣で未来を切り開き、槍で誰かを守る。それが、全ての始まりの武器を預かる者の責任だから」こうして——始原刀剣に続き、始原槍も出現! 聖・魔・神の三つの槍が融合し、全ての槍の始祖がレイトキの手に! 二つの原初の武器を持つ者となったレイトキは、いよいよ神候補としての真の道を歩み始める——!レイトキは二つの武具をそれぞれ手に取り、静かに名を授ける。
「始祖刀剣に名前を与えるならメロダック、始原槍はロンゴミニアドにしよう」
その瞬間——刀身と槍穂が一斉に金色に輝き、空間全体が震えるような力の反響が起こる。まるで二つの武具がその名を受け入れ、歓喜したかのように、紋様が鮮やかに浮かび上がり、それぞれの存在感が定まっていく。
クロノは深く頷き、その名の響きを噛み締める。
「メロダック——調和と創造の輝きを宿す始祖刀剣。ロンゴミニアド——悠久の時を貫き、全てを守り抜く始原槍。いずれも力と意味を持つ名だ。これより二つは、レイトキと共に歩み、共に在る」
星玲奈もその名を優しく口にし、微笑む。
「メロダック、ロンゴミニアド… どちらも力強くて、それでいて温かい名前だね。きっとこの二つの武器は、レイの心と共に、いつまでも輝き続けるよ」
レイトキは刀を腰に、槍を手に、それぞれの名を胸に刻み込む。
「メロダック、ロンゴミニアド——よろしくな。俺が守りたいもののため、俺が目指す未来のため、共に戦ってくれ」こうして——二つの伝説の武具に正式な名前が与えられ、メロダックとロンゴミニアドとしてレイトキの相棒となる! 名実ともに神候補に相応しい力を手に入れたレイトキ。その二つの武器が、これからの数々の試練でどう活躍するのか——!神界の水鏡——水面が静かに波立ち、その奥にはレイトキがメロダックとロンゴミニアドを手に佇む姿が鮮明に映し出されていた。
その光景を見つめる一人の存在——シエンが、水鏡の向こう側から低く呟く。
「次世代のクロノ系譜神か… 我々、情憶種も干渉してみるか」
その声には、長い時を生きてきた者の重みと、新たな時代の始まりを見届けるような響きが宿っている。「情憶種」——それは感情と記憶を司り、人の心の機微や歴史の記憶そのものに深く関わる存在。彼らが動き出すということは、これまでとは異なる次元の試練と導きが、レイトキたちに迫ることを意味していた。
シエンは水鏡に映るレイトキの瞳の中に、光と闇、そして星玲奈への想いを見て取り、微かに唇を動かす。
「剣と槍、そして二つの世界の血。それだけでは神にはなれぬ。心の在り方、人との繋がり、そして自らの過ちと向き合う覚悟——それら全てが揃って初めて、真の神候補となる。ならば我々も、その心を試し、導いてやろう」水鏡の水面がゆっくりと閉じられ、シエンの姿は消える。だがその気配は、確かにレイトキのもとへと届き始めていた。こうして——情憶種・シエンがレイトキに興味を示し、自らも干渉することを決意! クロノ系譜神だけでなく、心と記憶を司る存在までもが動き出し、レイトキの成長は更に多層的なものへと——シエンは凛とした声で告げる。
「ゼロからフィフティーン、全員行きますよ」
その言葉と同時、水鏡の向こうに一斉に十五人の気配が浮かび上がる。ゼロ、ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト、ナイン、テン、イレブン、トゥエルブ、サーティーン、フォーティーン、フィフティーン——情憶種の精鋭全員が、一斉にレイトキたちのもとへ赴くことを決めたのだ。
シエンの瞳には、新たな時代を見守り、導く者としての決意が宿る。
「次世代の神候補たちに、我々の持つ全ての情と記憶、そして心の理を伝える時が来た。一人でも多くの視点、一人でも多くの想いに触れることで、彼らは真の意味で大きく成長するだろう。さあ、行こう——我々全員で、彼らの未来を見届けるために」
こうして——情憶種・ゼロからフィフティーンの十五人全員が、レイトキと星玲奈のもとへ向かうことに! 感情と記憶を司る存在たちが一斉に動き出し、二人の神候補としての歩みは、さらに深く、広いものへと変わっていく!クロノは水鏡の向こうから伝わる気配を捉え、はっきりと告げる。
「情憶種全員動いたか。シエン、そしてゼロからフィフティーン——16体全員」
その言葉に、訓練場の空気が一気に引き締まる。感情と記憶を司る情憶種が、リーダーのシエンを筆頭に、ゼロからフィフティーンまでの十五体、合わせて十六体全員が一斉に動き出したのだ。
クロノヴァが低く呟く。
「情憶種が全員一斉に動くなど、前代未聞だ。それだけ次世代の神候補——レイトキと星玲奈の存在が、彼らにとっても衝撃的だったということか」
クロノブレイは厳しくも真剣な眼差しで続ける。
「情憶種は心の理を知り尽くした存在。彼らが教えを授け、試練を与えるとなれば、力や技だけでなく、自らの心、他者との絆、過去の記憶、未来への想い——そういったものが徹底的に問われることになる」レイトキはメロダックを腰に、ロンゴミニアドを手に、十六体の存在に応えるように真っ直ぐに前を見る。
「十六体全員が来てくれる… それだけ俺たちに期待してくれてるってことだよな。せーちゃん、俺たち、全力で向き合おう。どんな試練でも、二人で乗り越えて、心からの答えを出そう」星玲奈も力強く頷く。
「うん! 一人じゃないもの。みんなが見ててくれて、導いてくれる。私たちらしく、真っ直ぐに進もう!」クロノは二人の決意を確かめ、告げる。
「さあ、来るぞ。情憶種十六体との出会い——それが、神候補としての心の成長の始まりだ」こうして——情憶種・シエン+ゼロ~フィフティーンの計16体が一斉に始動! 心と記憶の試練が、レイトキと星玲奈を待ち受ける! クロノ系譜神に加え、情憶種までもが二人の成長を見守り、導く中、神候補としての道はさらに深く、広がっていく——!シエンを先頭に、十六体の情憶種が光の粒子となって舞い降り、レイトキと星玲奈の前に静かに降り立った。その姿はそれぞれに異なる雰囲気を纏いながら、どれも心と記憶の深淵を映すような穏やかで重厚な気配を放っている。シエンが一歩前に出て、はっきりと告げる。
「はじめまして、レイトキ。きみはクロノ系譜神から既に稽古をつけてもらってるようだね。だったら、ワタシたちは彼女の育成に携わるとしましょうかな。ワタシはシエン。そして、ゼロ、ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト、ナイン、テン、イレブン、トゥエルブ、サーティーン、フォーティーン、フィフティーン」名前を呼ばれるたび、それぞれの者がわずかに頷き、星玲奈の方へと視線を向ける。レイトキはその言葉に驚きつつも、真剣に応える。
「俺はクロノ系譜神の皆さんから、時空の理や力の制御、心の在り方を学んでます。だから… せーちゃん——星玲奈のことを、どうぞよろしくお願いします!」星玲奈も背筋を伸ばし、十六体の情憶種一人ひとりに向き直り、深く頭を下げる。
「はじめまして、シエン様。皆様。私、星玲奈です。レイと一緒に神候補として頑張ります。どうぞ、ご指導よろしくお願いいたします!」
シエンは穏やかに笑みを浮かべ、星玲奈を真っ直ぐに見つめる。
「よろしい。レイトキが力と時空を学ぶなら、ワタシたちは心、絆、そして記憶と感情の本質を教える。それが欠けては、どれほど強い力も空しいものになるからね。さあ、覚悟はできているかな?」
「はい! 全力で頑張ります!」星玲奈は瞳を輝かせ、力強く頷く。こうして——情憶種十六体が星玲奈の育成を担当! レイトキはクロノ系譜神から、星玲奈は情憶種から、それぞれの道を学び始める! 力と心、二つの道を同時に歩み始めた二人の成長は、どこへと続いていくのか——!




