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5.5-9【襲撃と避難】

街の別の放送施設——電波塔の最上階から、凛とした声が全国へと届けられた。ドネイターが新たな放送のマイクの前に立ち、揺るぎない口調で告げる。

「これより衆生解放戦線は選別を行う」言葉は鋭く、そして明確に響く。

「混因人と共存派以外の亜人・亜人間——お前たちは生かす。人間に従属し、彼らの都合のいいように使われる道を選んだ者たちは、この際切り捨てる。だが自らの種族の誇りを守り、真の解放を望む者たち——共に立ち上がれ!」力強く呼びかける声は、遠く離れた地にまで届いていく。

「さあ、立ち上がれ同士たち! 古き歪んだ秩序を打ち砕き、真に生きる者たちの世界を創るのだ!」放送は一方的に切られた。クロノギア本拠点でその放送を聞いた一同は、一斉に緊張した面持ちになる。

「選別……」デュークが拳を固める。「共存派を切り捨て、自分たちに従う者だけを生かす……分断を進めるつもりだ」

「混因人だけを特別視するなんて……」メーミンは胸を痛めるように呟く。

「私たちを利用しようとしてるだけなのに……」クロノレイトは放送が途切れた画面を見つめ、瞳を鋭く決意に輝かせる。

「分断されても、心まで離れるものじゃない。俺たちはそれぞれの想いを繋ぎ、誰一人が自分の意思で選べる世界を見せていく。ドネイターの選別に負けはしない!こうして——選別宣言! 分断の波が押し寄せる! 物語、それぞれの決意が試される時——!ドネイターの放送が終わった直後——街のあちこちで、轟音が鳴り響いた。共存のために人間と亜人が共に働き、暮らし、支え合ってきた施設——それらが次々と爆発に見舞われていく。

「ッ! まさか……!」クロノレイトたちが駆けつけた時には、煙が空に立ち昇り、かつての笑い声が嘘のように静まり返っていた。

「人間と亜人が一緒に学んだ学校……共同で営む店……住まいまで……」星玲奈がいない今、久美子が声を震わせる。

「何も悪くない場所なのに……!」

「共存の拠点を、根こそぎ奪おうとしている」デュークは拳を握りしめ、歯を食いしばる。

「共に生きるという選択肢そのものを、消そうとしているんだ」

「分断するためには手段を選ばない……」マレトキが瞳を鋭くする。「抵抗できないように、希望そのものを壊している」クロノレイトは燃えさかる建物を見つめ、胸が痛む。だがそれでも、瞳に迷いはない。

「壊されても、絆までは壊せない。俺たちは再び建て直す。そして——どんなに壊されても、共に生きる道を諦めない者たちがいることを、必ず示すんだ!」こうして——共存の拠点、次々と破壊! だが希望は消えない! 物語、立ち上がる時——!爆発と混乱の中、共存を願う人々は互いに手を取り合い、街の地下シェルターへと逃れていった。薄暗いその空間には、人間も亜人も亜人間も——年齢も種族も問わず、ただ共に生きる道を選んだ人々が身を寄せ合っている。

「外はどうなってるの……?」

「まだ爆発の音がする……」

「私たちの場所が……全部、無くなっちゃうの?」不安な声があちこちから漏れる。子供たちは親の腕に抱かれ、大人たちは互いを励まし合いながら状況を見守る。誰一人の瞳には、絶望と共に「これからどうなるのだろう」という迷いが宿っている。それでも——誰一人が隣にいる人の手を離さない。分断されても、心までは離れない。その絆だけは、確かにここに残っている。クロノレイトたちはシェルターの入り口に立ち、その様子を静かに見つめる。

「みんな、無事に逃れてきたんだな……」デュークが低く呟く。

「だけど、ここに閉じ込められたままじゃ……」久美子が瞳を曇らせる。クロノレイトは一歩踏み出し、シェルターの中へと声を届ける。

「心配しないでください。俺たちが必ず外の状況を収め、安心して戻れる場所を取り戻します。共に生きる道を、俺たちが守り抜きます!」その声に、一人の少女が小さく手を挙げる。

「信じてる……! 私たち、諦めたりしないから!」こうして——地下に希望は生きている! 共に在るという絆! 物語、守り抜くための戦い——!外の戦場では、衆生解放戦線の三人がそれぞれの力を解き放っていた——。


カンナカムイは蒼い雷光を天に集め、一気に叩き落す。稲妻が地面を砕き、進路を阻む者たちを威圧するように迸り、辺りの空気をピリピリと震わせる。


雪女は冷気を渦巻かせ、凍てつく息を放つ。彼女の前に立つ者は足元から氷が張り上がり、動きを封じられるように凍りついていく。白い結晶が舞う中、抵抗の意思さえも閉ざされるかのように——。そしてチェイモンは紫の瞳を輝かせ、手を広げる。

「さあ、目覚めなさい——」彼女の周囲の闇が裂け、封じられていた魔族たちが次々と解き放たれ、姿を現す。長く閉じ込められていた者たちが、自由を求めるように空へと舞い上がる。三人はそれぞれの力で街を制圧し、共存派の動きを封じていく。

「抵抗しても無駄だ」カンナカムイが低く唸る。

「我らの秩序が、これからの世界を創る」雪女は冷ややかに告げる。

「従う者だけが、生き残れるのよ」

チェイモンは闇を纏い、凛と言い放つ。

「これで、偽りの絆は消える。本当に強い意志を持つ者だけが、ここに残るのだ」こうして——三つの力が街を覆う! 雷・氷・そして魔族! 物語、地下の希望が試される時——!雲海の彼方、全てを見守る神界——。空に浮かぶ光の玉座に佇むクロノが、静かに瞳を開き、低く声を上げた。

「衆生解放戦線……! ヤツラめ、本格的に動いたか」その声は神界全体に響き渡り、風の流れさえも一変する。

「施設を壊し、人々を追い詰め、力で従わせようとしている……。選別という名のもとに、自らの手で世界を切り分けるつもりか」クロノは眼下に広がる地上の混乱を見つめ、眉を寄せる。

「だが、忘れてはならない。力で縛りつけた秩序など、長くは続かない。それが分からぬ者たちではないはずだが……」光の扉が開かれ、新たな気配が動き出す。

「半神人として歩み始めたレイト——今こそ、その真価が問われる時だ」こうして——神界より見守る者! 本格的な動き、その行く末は! 物語、いよいよ決戦の時が迫る——!地下シェルターに身を寄せる人々のもとへ、クロノレイトが駆けつけた。


「大丈夫です! 俺が迎えに来ました!」


シェルターの外は雷が鳴り響き、氷の壁が道を塞ぎ、魔族たちが徘徊している——。だが彼は一歩も退かず、掌にレイスティアの光を灯し、進む。


「こっちです! 慌てず、みんなでついてきてください!」


共存派の亜人、亜人間、人間——種族に関係なく、怯える人々を一人ひとり確実に導き、安全なルートを進む。カンナカムイの雷光が迫れば光の帳で和らげ、雪女の氷が道を封じれば調和の力で融かし、チェイモンの放った魔族たちには「誰も傷つけないで」と心を伝える。

「俺たちは同じ世界に生きる者同士だ! 争う必要なんてない!」その言葉に、驚き立ち止まる魔族も現れる。クロノレイトは手を休めず、老いも若きも、力の弱い者も強い者も——全員を守り抜く。

「誰一人取り残さない! 共に生きると誓ったから!」やがて全員が安全な地へと避難を果たし、彼らはクロノレイトを囲み、安堵の涙を流す。

「ありがとう……ありがとう」

「まだ希望は捨てなくていいんだね」クロノレイトは皆の手をしっかりと握り、頷く。

「はい。絶対に。俺たちの手で、必ず平和を取り戻します」こうして——共存派全員を救い出す! 誰一人として見捨てない! 物語、守り抜く心が輝く時——!人々が無事に避難した矢先——空から不吉な軌跡が滑り込んできた。黒い星形弾が、地下シェルターの入り口めがけて一直線に飛来する!

「ッ! 危ない!」クロノレイトは身を翻し、真っ先に人々の前に立ち塞がる。掌にはためらいなくレイスティアの光が迸り、白銀の防壁が瞬時に展開される。

「俺が受け止める!」星形弾が光の壁に激突——! 衝撃波が周囲を薙ぎ、黒い破片が弾け飛ぶ。だが防壁は一歩も譲らず、砕けることなく弾丸の力を吸い込むように和らげていく。

「大丈夫です! みなさん、安全です!」振り返って呼びかける声は揺るがない。だが弾の飛んできた方向——そこには狙い定めた者の気配が漂っている。

「まだ狙われてる……」クロノレイトは拳を握りしめ、鋭く視線を走らせる。

「絶対に、誰にも手出しさせない!」こうして——闇の弾丸を直前で防ぐ! 守ると誓った約束! 物語、更なる攻撃が迫る——!衝撃が収まり、煙が晴れると——弾丸を放ったその先に、クロノレイトの瞳が信じられないものを捉えた。

「……星玲奈!?」闇に包まれたままの姿で、星玲奈が静かに佇んでいた。手には先ほどの黒い星形弾の残りがまだ闇くろく煌めいている。

「どうして……君が……」クロノレイトは一歩踏み出しかけ、だがその足が止まる。彼女の瞳はかつての温かさを失い、冷たく澄んだまま彼を見据えている。

「レイト……」声は遠く、どこか他人のように響く。

「邪魔をしないで。これが、必要なことなの」

「必要なことって……! みんなを傷つけることが!」クロノレイトは胸を締めつけられながら叫ぶ。

「君が望んでいた世界は、そんなものじゃなかったはずだ!」星玲奈は闇の衣を翻すように身を翻し、その場から去ろうとする。

「違う……。もう、前の私じゃないの」

「待ってくれ! 星玲奈——!」手を伸ばしても、その指先は届かない。彼女は闇の中へと消え、再び静けさが辺りを包む。クロノレイトはその場に立ち尽くし、拳を握りしめる。

「必ず……取り戻す。君の心を、本当の笑顔を——絶対に」こうして——星玲奈、敵として現れる! 想いがすれ違う瞬間! 物語、決意は一層強く——!闇の気配を纏いながらも、星玲奈の瞳にはかすかな震えが宿っていた。

「ごめん、ごめんね、レイト」声は掠れ、けれどはっきりと響く。

「ワタシは衆生解放戦線として、ここに立ち塞がる」クロノレイトは胸を衝かれるように一歩踏み出す。

「星玲奈……」彼女は唇を噛み、真っ直ぐに彼を見つめて続ける。

「愛してたのは嘘じゃなかった。本当だよ。レイトと過ごした時間、その気持ちは今でも本物だった……」だがその瞳は次第に冷たさを取り戻し、言葉を切る。

「だけど、もう……」闇が彼女の姿をさらに濃く覆い、その先の言葉は飲み込まれる。

「もう戻れないの?」クロノレイトは手を伸ばす。

「君の気持ちが本当なら、まだ間に合う! 一緒に帰ろう!」星玲奈は首を振り、一歩後ろへ下がる。

「選んだ道が違っただけ……。さあ、行って。ここから先は、通さない」

こうして——真実の想いと別れの決意! 愛していたからこその対峙! 物語、二人の運命が分かれる——!クロノレイトは闇に佇む星玲奈の瞳に、きらりと光るものを見つけ、思わず踏み出す。

「お前……なんで、泣いてるんだよ」

声は震え、だが真っ直ぐに届く。

「本当は……こんなこと、望んでないだろう」星玲奈は頬を伝う涙をそっと拭い、唇を噛みしめながら応える。

「そう見えるの……だけど、私はやらなくてはいけないのよ」言葉とは裏腹に、声は震えている。

「誰かがやらなければならないと、そう信じているから。痛みを止めるために、必要なことがあると思っているから……」

「違う!」クロノレイトは手を伸ばす。

「涙が出るってことは、心が違うって言ってるんだ! 君の本当の気持ちは、闇の側なんかじゃない!」星玲奈は瞳を閉じ、一歩距離を置く。

「……優しくされると、辛くなる。お願い、行って。ここで立ち止まっては、何も変わらないの」こうして——涙が語る本心! 想いと義務のはざまで! 物語、心が引き裂かれる瞬間——!

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