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第二十七章②
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都の中は活気に満ちていたが、どこか現実感が薄い。住民たちは皆、一様に夢見心地で、幸せそうに微笑んでいる。
レオンハルトは、警戒を強めた。
「騎士くん、この街の*『美学』は、『偽りの安寧』だ。住民全員が、『最も望む幻覚』を見ているようだね」
「幻覚だと?」
ライエルは、住民の一人に声をかけた。
「すみません。ここは本当に安全な場所ですか?」
住民は、ライエルを見つめ、恍惚とした表情で答えた。
「ああ、ここは『永遠の愛の都』だよ。ここでは、誰もが『愛する者から最高の言葉』をかけられる。君も、愛の言葉を聞きたいだろう?」
住民の目は虚ろで、明らかに魔力の影響を受けていた。
ミリーが説明した。
「この街全体が、かつて賢者たちが残した『愛の幻惑魔法陣』で守られているのよ。ここでは、誰もが『最も聞きたい愛の告白』を聞くことができるの」
ゼルガディスは、顔の包帯の下で、興奮を隠せない様子だった。
「な、なんと!『最も聞きたい愛の告白』!もしや、師の口から、私への『愛のストーキングの肯定』が聞けるというのか!」




