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第二十六章 砂漠の幽霊列車と『愛の燃料』
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レオンハルトの指さす先、砂塵の向こうから現れたのは、本当に巨大な蒸気機関車の形をした魔物だった。それは砂と熱風を巻き上げながら、汽笛の代わりに甲高い金属音を響かせ、一行めがけて突進してくる。
「何だ、あれは!?砂漠に列車だと!?」
ライエルは即座に剣を構えた。
「ハァ!騎士くん、あれは『砂鉄』と『砂漠の霊的エネルギー』が融合した『アストラル・トレイン』だよ!『美学』から見ても、あまりに『時代錯誤』なデザインだ!」
レオンハルトは、風魔法の詠唱を始める。
詠美は、ライエルが列車に向かって剣を構えたのを見て、瞳を輝かせた。
「フン!騎士!貴様は、私に『愛の特急列車』に乗れという『究極の試練』を課したのだな!よかろう!この王、『愛のレール』に乗って、貴様の『愛の終着駅』まで突っ走ってやる!」
「試練ではない!ただの魔物アタックだ、詠美!」
ライエルは叫ぶが、詠美の耳には届かない。




