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厨二病ロードと冷徹騎士(仮)  作者: 閃光の影翼(ホノカ ノ エイヨク)


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第三章 公式街道と王の不満

1

フィルドの街の喧騒を背に、二人は北へ向かう公式の街道を歩いていた。


ライエルは、詠美から預かった「魔王城の秘匿の地図」と名付けられた焦げた紙切れを、細心の注意を払って革袋の最も奥深くに押し込んだ。

二度と日の目を見せないという、彼の静かな決意だった。


「いいか、詠美。『ロード』とやらの『直感』は今後一切信用しない。この街道は、北東にある次の商業都市『マルツァ』に繋がっている。この国で最も古い、信頼できる街道だ」


ライエルは、懐から取り出した王室御用達の羊皮紙の地図を広げ、詠美に指し示した。

その正確な線と、優雅な装飾は、詠美の焦げた地図とは比べ物にならない。


「フン。貴様のその『野蛮な写し絵』が、私の『運命の導き』に敵うとでも思っているのか、騎士ナイトよ!」


詠美は、全身から不満のオーラを放っていた。

彼女が着ているのは、相変わらず地味な生成りのワンピース。

その手には、昨日拾った木の枝が「真・暗黒聖剣の代用品」として握られている。


「チッ……この道ときたら、平坦すぎるではないか!『ロードの試練』と呼べるほどの起伏もない!魔力の波動も感じられん!」


彼女の言う通り、街道はよく整備されており、遠くに時折見える行商人や、馬車が、安全性を保証していた。


「安全なのは良いことだ、詠美。無駄な危険は避ける。それが任務遂行の基本だ」


ライエルは冷静に答えたが、詠美の不満は止まらない。


「安全だと!?王たる私が、こんな『一般庶民の散歩道』を歩くなど、屈辱以外の何物でもない!せめて、貴様が『馬車』を献上するのが道理であろう!」

「金がない」

「何だと!?王に対する『経済的忠誠心』を欠いているではないか!騎士ナイトの給金は、その程度か!」

「お前を連れたせいで、昨日、衛兵団からの報奨金は全て服代に消えた。しばらくは、野営と干し肉だ」


ライエルは表情一つ変えずに、自らの干し肉を詠美に奪われた事実を思い出させ、冷酷に宣言した。

詠美は思わず顔を逸らした。


「チッ……このロードの『エネルギー源』となったことを誇りに思うがいい」

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