第二十章③
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食事が終わり、一同が次の船旅の計画を立てていると、一人の港町の屈強な船乗りが、ライエルに話しかけてきた。
「おい、兄ちゃん。あんた、あの変なローブの女を連れていた衛兵だろう?」
ライエルは、面倒なことになったと察し、静かに頷いた。
船乗りは、ライエルの肩を力強く叩き、興奮気味に言った。
「あんた、すごいぜ!あのローブ、この町じゃ今、『呪いを避けるお守り』だって評判だ!『左右非対称の聖なる模様』だって!あんた、『霊的な力の持ち主』なのか!?」
港町の船乗りたちは、詠美の『不器用すぎる裁縫』が生んだ『奇抜なデザイン』を、『魔除けの紋様』だと大真面目に信じていたのだ。
ライエルは、真顔で答えた。
「ああ、まあ……そうだ。あのローブは、『終焉の王』の魔力を込めた『特別な結界衣』だ」
ライエルは、詠美の『王の威厳』を守るため、咄嗟に『嘘の厨二病設定』を上書きした。
その言葉を聞いた詠美は、最高潮の幸福感で、体が震え上がった。
(な、何を……!騎士め!私の『不器用な愛の裁縫』を、『究極の厨二病設定』で補強し、私を『霊的な力の持ち主』として祭り上げている!これこそ、『究極の溺愛』!)
詠美は、ライエルへの愛が、もはや崇拝の域に達したことを自覚した。




