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第十九章④
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詠美は、ライエルの後ろ姿を見て、『不治の病』の進行を自覚した。
(くっ……!騎士は、私の『食い意地』すらも、『愛の力』に変えてくれた!この男は、私の『素の全て』を求め、『究極の献身』を続けている!)
詠美は、ポチの背中で、ライエルの少し広い背中に向かって、誰にも聞こえない声で呟いた。
「バカ……!次に港町で会うときには、貴様に『王の威厳』と『家庭的な愛』を、完璧な裁縫で示してやるからな……!」
ライエルは、ただ「港町に着いたら、まず飯を食わせて、風呂に入らせよう」と考えているだけであったが、詠美の『不治の病』は、港町での『愛の試練(第二章)』に向けて、さらに深刻な末期症状へと進行していくのだった。




