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第十八章④
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魔王城の玉座の間は、もはや『愛の試練の縫製工場』と化した。
ポチは干し肉を貪り、ミリーは「七十年の知恵」でゼルガディスのロープの結び目を解き始め、レオンハルトは「この状況の美学」を模索し、そしてライエルは、詠美の裁縫の指導を始めた。
「そこは縫い目が粗い、詠美。愛の試練だと思って、丁寧にやれ」
「うるさい、騎士!貴様、私の『不器用さ』を試しているのか!」
ライエルの行動は、「不器用な主への優しさ」か「単なる衛兵の世話焼き」か。
詠美の誤解は深まるばかりだった。
こうして、『史上最も茶番に満ちた魔王城攻略』を終えた一行は、次の目的地である港町を目指し、「愛の病」と「裁縫セット」と共に、新たな旅へと向かうのだった。




