第十七章②
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一行が最上階の扉を前にしたとき、ミリーが立ち止まった。
「やれやれ。どうやら、『最後の置き土産』を使ってくれる時が来たみたいね」
ミリーは、懐から一冊の古びた魔術書を取り出し、ライエルに手渡した。
「騎士さん。この城の真のボスは、『この城の主』じゃないわ。私が五十年前、この城の奥に『魔術的なイタズラ』として仕掛けておいた、『究極の自律型ゴーレム』よ。私の『七十年の美学』を全て詰め込んだ、『純粋な魔力の塊』。詠美の『愛の力』でも、簡単には通じないわ」
「では、これは?」
ライエルは魔術書を見つめた。
「それは、そのゴーレムの『起動パスワード』と、『弱点』が書いてある、『七十歳のロリ魔道士の究極の置き土産』よ。その弱点は、『最も醜く、稚拙で、しかし熱意に満ちた、厨二病の詠唱』なの」
「なんですと!?」
レオンハルトとゼルガディスが同時に叫んだ。
ミリーは、ライエルにウインクした。
「詠美の『素の愛の力』でゴーレムを怯ませ、『最も痛々しい詠唱』でパスワードを入力して『自爆コード』を起動させる。これが、私の立てた『七十年の美学とコメディを融合させた作戦』よ」
詠美は、ポチの背中から興奮して叫んだ。
「フン!何を言うか、ミリー!貴様が私に『究極の試練』を与えるのか!よかろう!『愛の力』でゴーレムを怯ませ、『究極の詠唱』で自爆させる!これこそ、『王の威厳』と『騎士への愛』を両立させる『最終試験』だ!」




