第十三章 荒野の野営と究極の誤解アタック
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ミノタウロスとの戦闘から一夜明け、一行は魔王城の山脈の麓で野営を張っていた。
荒涼とした大地に焚き火の光が揺れている。
戦闘後、詠美はライエルに『素の感情(大っ嫌い!)を晒すという屈辱』を味わったこと、そしてそれが絶大な力を発動させたという事実に、内心ずっと「王としての威厳」と「恋するJKの羞恥」の狭間でゴロゴロと転がっていた。
その極度の焦りと混乱を隠すため、詠美は、「ロリへの極端な執着」と「命名権を譲った相手への無茶な要求」という、『究極の空回りアタック』を仕掛けることにした。
「フン!ミリー!ゼルガディス!今から、『王の究極の愛情論争』を行う!騎士の『邪な愛の魔力』に対抗するための、『最高の防衛策』を練るのだ!」
詠美は、ポチの背中でミリーのロココ調ドレスのフリルを弄びながら、高らかに叫んだ。
ライエルは、干し肉を焼く鉄串を、心の中で「剣」に見立てて静かに握りしめていた。
彼の今日の目標は、「詠美に干し肉を焦げたと言わせないこと」である。
レオンハルトは、深紅のローブを優雅に羽織り、焚き火の前で優雅な茶菓子を取り出した。
「ハァ……また始まったね、ロードの『一人フラグ乱立』。騎士くん、君の今日の『愛の試練』は、何だい?」
「干し肉の焦げ目を完璧にすることだ」
ライエルは真顔で答えた。




