第十章 古の結界と終焉の王の覚醒
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翌朝。
一行は、ゼルガディスの情報に基づき、山脈の最も切り立った場所に位置する『古の結界』の入り口へとたどり着いた。
そこには、巨大な岩肌があり、肉眼では見えないが、紫色の靄のようなものが微かに揺らめいていた。
ライエルが持っていた地図の空白部分、まさに『誰も通れない蓋』だった。
「ここが、師匠が五十年前に築いたという結界か」
レオンハルトは感嘆の声を漏らした。
ミリーは、クッキーをかじりながら頷いた。
「ええ。私が作った結界は、『ただの蓋』じゃなくて、『強力な知性を持った蓋』よ。誰も通れないわ」
詠美は、ポチの背中から飛び降り、木の枝の剣を高々と掲げた。
「フン!何を言うか、ミリー!この『終焉の王』の前では、『知性を持った蓋』など、『開け放たれる運命』なのだ!騎士、白薔薇、ゼルガディス!貴様らも、王の力を見よ!」
「待て、詠美。この結界は物理的に破れるものではない。魔術的なアプローチが必要だ」
ライエルが冷静に制止する。
ゼルガディスは、ロープに繋がれたまま、詠美を押し退けるように一歩前に出た。
「フン!『偽りの王』は下がれ!『師の結界』を破るのは、『盟主』たる私の役目!『闇の盟約』により、その『光の蓋』を破壊する!」
ゼルガディスは、全身の包帯を震わせながら、両手に紫の魔力を集中させ、結界に向かって強大な闇の魔術を放った。
ドォォン!
結界は激しく光ったが、魔術を完全に吸収し、そのまま静かに跳ね返した。
ゼルガディスは自らの魔術を食らい、地面に倒れ込んだ。
「くっ……!師の力、『究極の封印』!」




