第七章 師弟対面と終焉の厨二病対決
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ミリーの導きにより、一行は『巨獣の森』の奥深くに分け入った。
森の中は魔物の気配こそ少ないものの、木々が巨大で、薄暗く、誰もが精神的に疲弊していく。
「チッ……この森、『闇の王』である私を試しているのか!騎士、『忠誠心』で道を開けろ!」
「俺が道を切り開くのは、剣だ、詠美。そして、この道は俺の地図にはない」
ライエルはため息をつきながら、ひたすら邪魔な枝を剣で払っていく。
レオンハルトは、ミリーのロココ調ドレスに枝が引っかからないよう、律儀に気遣っていた。
「ミリー、本当にここに『もふもふ巨獣』がいるのか?キミの弟子って、一体どんな奴なんだい?」
レオンハルトが尋ねた。
ミリーはクッキーをかじり、平然と答える。
「あら、良い子よ。ただちょっと、『理想を追い求めすぎて現実を見失う』癖があってね。でも、魔術の才能はあったわ」
その時、森の奥から、禍々しい紫色の光が差し込んできた。
そして、声が響く。
「……フフフ……来たか、『この世界を覆う運命の鎖』に囚われた哀れな魂よ……」
ライエルとレオンハルトが即座に武器を構える。
光の中心から現れたのは、全身を黒い鎖と包帯で巻きつけ、顔半分をフードで隠した、いかにも『闇の魔術師』然とした青年だった。彼の背後には、銀色の毛並みを持つ、巨大な犬が、退屈そうにあくびをしていた。
「な……ッ!」
詠美の目が、その『究極のモフモフ』に釘付けになった。
青年は、ミリーを一瞥すると、すぐに詠美に向かって、中二病全開のポーズを決めた。
「我が名は『終焉の盟主』、ゼルガディス!師の命により、『偽りの王』を試す!その『王の証』を示すがよい!」
ミリーは、優雅にクッキーをかじり、小さく呟いた。
「ああ、やっぱりこじらせちゃったわね、ゼル」




