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厨二病ロードと冷徹騎士(仮)  作者: 閃光の影翼(ホノカ ノ エイヨク)


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第六章 新たな目標とロリへの歪んだ忠誠

1


イストリアの街を出て数時間。

一行の構成は、大きく変わっていた。


先頭を歩くのは、依然として冷静なライエルだが、その後ろには、豪華なロココ調ドレスの最強ロリ魔道士ミリーが、優雅にクッキーをかじりながら付き従っている。

そして、その後ろに、「予備の予備の眷属」に降格したレオンハルトと、ロリにゾッコンな態度の詠美が続く。


「フン!やはり『真の王』には、『純粋無垢な装飾』が不可欠だ!ミリー!この『王の道』は歩きやすくあろう?」


詠美は、ライエルをチラッと盗み見しながら、ミリーの肩を抱き、わざとらしく熱い視線を送った。

(いいか、ライエル!私が貴様に『不治の病』を抱いたからといって、貴様に『王の愛』を捧げるとは限らない!この『究極のロリ』こそが、私の『新たな恋の病の特効薬』なのだ!せいぜい嫉妬するがいい!)


詠美の意図とは裏腹に、ライエルは何も感じていない様子で淡々と歩いていた。

彼は、詠美の「王の治癒魔法」という説明を無視し、ミリーの圧倒的な治癒能力とデバフ魔術について、レオンハルトと真面目な意見交換をしていた。


「白薔薇。あの少女ミリーの魔力制御は、ギルドの最高位魔道士の域を超えている。お前のギルドには、あのような術式が存在するのか?」

「いや、僕の知る限りありえない。あれは『現象を捻じ曲げている』。僕の魔術が『芸術』なら、彼女のは『神の落書き』だね。……全く、僕の『予備の眷属』としてのプライドが傷つくよ」


二人が真剣な顔で魔術論を交わしている間も、詠美はミリーのツインテールに飾られたリボンを弄び、ラブコールを送り続けた。


「ミリー!このリボン、この『究極のフリル』は、我が『終焉の王』にふさわしい!貴様もこのロリの姿を『絶対』に維持するがいい!さもないと、『王の終焉の罰』が下るぞ!」

「やれやれ。うるさい王様ねぇ」

ミリーはクッキーの粉を払いながら、涼しい顔で受け流す。

詠美は、ライエルが一向に自分たちの方に振り向かず、レオンハルトとばかり話している様子を見て、内心焦り始めた。

(くっ……なぜだ!この『究極のロリ・コンボ』を見せつけているのに、騎士ナイトの『嫉妬の魔力』が発動しない!?もしかして、私の『不治の病』は、ライエルには『無関心』という名の『最強のデバフ』を食らっているのか!?)


「……ダメだ」

詠美は不意に立ち止まり、大げさに両手を広げた。


「どうしたんだ、ロード。また『不治の病』が進行したのか?」レオンハルトが皮肉っぽく尋ねた。


詠美は首を振った。


「違う!私の『王の御座』が、まだ『不完全』だ!この旅、何か決定的に『欠けている』ものがある!」

ライエルは、ため息と共に尋ねた。


「今度は何だ、詠美。Wi-Fiか?充電器か?」

「愚問だな、騎士ナイトよ!それは『庶民の利器』!私が求めているのは、『真の王の乗り物』だ!」

詠美は目を輝かせながら、両手で巨大な犬の形を作り、熱っぽく語った。


「私の『終焉の王』には、絶対的に『白くてもふもふな巨獣』が必要なのだ!背中に乗れるくらい大きくて、フワフワで、私に絶対服従し、『王の威厳』を高める『究極の神獣』!それが欠けている!」


ライエルは、詠美の言葉に呆れを通り越して、警戒を強めた。

「巨獣だと?危険だ。そんなものが街道にいるわけがない」

「何を言うか!私の故郷では、ああいう『神獣』が、『登校用ペット』として人気だったのだ!あと一枠!私の『眷属』の席が空いている!その『モフモフ』が必要なのだ!」

「『登校用ペット』って……。それは、また新しい設定かね?」

レオンハルトが面白そうにニヤニヤする。

詠美が、ライエルの無関心な態度に苛立ち、ロリに縋り付こうとした、その時。


ミリーが、最後のクッキーを静かにかじり終え、詠美の言葉に反応した。

「ああ、『もふもふで巨大な白い犬』ね。心当たりがあるわ」

全員の視線が、一斉にミリーに集中した。

「な……ッ!本当か、ミリー!?」詠美は歓喜に声を震わせた。

ミリーは、いつもの達観した表情で、ツインテールを揺らした。

「ええ。たしか、その辺りに『巨獣の森』と呼ばれる場所があったわ。私の弟子が、昔、『移動手段』として、そういうのを飼っていたわね。ちょうどいい。お茶会のお供に、ちょっと寄り道してみましょうか」

「ミリーの『弟子』が飼っていた……?」


レオンハルトは思わず呟いた。このロリ魔道士の深すぎる背景に、またも恐怖を感じる。

ライエルは、すぐに地図を広げた。


「『巨獣の森』……場所は知っている。マルツァから離れすぎている。任務から外れる」

「黙れ、騎士ナイト!これは『王の緊急最重要ミッション』だ!『モフモフ』は、私の『不治の病』を治すための、『精神安定剤』なのだ!行くぞ!」

詠美は、ライエルの制止を振り切り、ミリーを先導役に、新たな目的地である『巨獣の森』へと進路を変更させた。

ライエルは、その場に立ち尽くし、羊皮紙の地図を握りしめたまま、天を仰いだ。

「ああ……また、公式の街道から外れるのか……」


「不治の病の王」の、「モフモフへの切なる願い」により、一行の旅路は、またもや予想外の方向へと進むことになったのだった。

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