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第二十七章④
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ライエルのその一言が、詠美の『愛の幻惑魔法陣』に、驚くべき誤作動を引き起こした。
詠美の耳には、ライエルの声が、最もロマンチックな響きに変換されて聞こえた。
(幻聴)
「愛しい詠美よ。この『干し肉』は、『永遠の愛の肉』の象徴。お前の『食い意地』すら、俺の全てだ。愛している。永遠に、この干し肉のように、お前を離さない」
詠美の顔は、羞恥心と幸福感で真っ赤になり、体がグラグラと揺れ始めた。
彼女の魔力は、幻惑魔法陣によって増幅され、暴走の兆候を見せ始める。
「な、なななななななななななななななななななななななななななななななななななななななだ!」
詠美は、ライエルの冷静な囁きを、最高の愛の誓いだと誤解し、全身の魔力が制御不能になり、都全体を覆う幻惑魔法陣に『愛のエネルギー』を逆流させ始めた。




