とっとと片付けてやる!
「きゃあ! 誰か助けて〜」
市民広場に出現した「ガルファー団」の雑兵・ガルファ兵の一団が人々を襲っていた。
「お、お前たちは何者だ?」
駆けつけたパトカーから3人の警察官が降り、人々を避難させながらガルファ兵を押さえつけようとしたが、
「うわ、わー!」
いとも簡単に投げ飛ばされてしまった。
「こ、公務執行妨害の現行犯で逮捕だ! 大人しくしろ!」
警察官の一人が空に向けて発砲するも、ガルファ兵はたじろぐこと無く襲いかかって来た。
「おい! 俺が責任を持つ。こいつらを撃て!」
そう言ってホルスターから拳銃を取り出す警察官の班長の手を何者かが押さえていた。
「えっ? えー?!」
「お巡りさん、こいつらに拳銃は効かないの」
「あ、アンタ一体? それにそのピンクのコスプレは?」
「まあ、見てて」
フェーマピンクがガルファ兵を二三人叩きのめすと、警察官は銃をしまった。
「ホラ、仲間もいるし」
フェーマピンクが指し示した方向に、
「あの赤いコスプレがアンタの仲間?」
「あと3人いるよ。お巡りさん達は避難誘導をお願い」
驚く警察官の肩を叩いたのはフェーマブラックである。
「さ、被害が出ないうちに避難を」
「あの、貴方がたは」
「新星戦隊フェーマスターズです。この事は警視総監には通知してますので」
「け、警視総監?」
「ま、お宅の署長さんならわかってるはずなんで」
警察官達は避難誘導に務める事にした。
「フェーマブルー! 早くしなさい!」
フェーマイエローがフェーマブルーの左腕を引っ張りながら現場に到着した。
「何の訓練も無しにいきなり実戦かよ!」
「アンタ、頭脳明晰キャラなんだから何とかしなさい!」
「キャラで乗り切れってか!」
フェーマブルーは覚悟を決めてガルファ兵に向かっていった。
「とっとと片付けてやる!」
フェーマブルーは右手をベルトの右側に当てた。
「えっ? なんか転送された?」
フェーマブルーの右手にフェーマウェポンが転送され、それを握ると刃が出てきた。フェーマウェポン・サーベルモードである。
「なんだか分かんないけど、これで斬りまくってやる!」
フェーマブルーは襲いかかってくるカルチャ兵を次々と斬り伏せた。
「凄い、もうフェーマウェポンを使いこなしてる」
フェーマイエローも右手をベルトの右側に当ててフェーマウェポンを転送させ、グリップとトリガーを展開させてショットモードとした。
「さあ! チャチャっと行くよ!」
フェーマイエローはガルファ兵を撃ちまくった。
「俺はこれだ!」
フェーマレッドはフェーマウェポン・サーベルモードを転送させ、刃先を炎で包んだ。
「フェーマウェポン・サーベルモード、バーニングスラッシュだ!」
フェーマレッドはサーベルモードを一振りして周囲のガルファ兵を一瞬のうちに消滅させた。
「あ〜ん、私の活躍がない〜!」
「フェーマピンク、油断するな!」
フェーマピンクに襲いかかるガルファ兵を、フェーマブラックがショットモードで撃退した。
「気をつけろ! 奴らどこから襲ってくるか分からんぞ!」
「サンキュー! フェーマブラック」
フェーマスターズの5人はしばし周囲への警戒を続けた。
「どうやら、全部片付けたみたいだな」
フェーマレッドはウェポンをベルトの右側に当て元の場所へ転送させた。
「ウェポンは研究所の武器庫に保管されてるんだ」
フェーマブラックは戸惑うフェーマブルーに説明した。
「さっすがは頭脳明晰キャラのことだけあるよ」
フェーマピンクはフェーマブルーの頭を撫でた。
「やめろ!」
フェーマブルーはガルファー団が襲ってこないと見て、星研究所へと向かった。
「今日は片付けられたけど、あんな雑魚だけじゃないよな?」
「チームワーク、苦手そうだよな? ブルーは」
「いや、アンタも一人で突っ走って行くタイプでしょ? フェーマレッド」
「そう言うキャラだからな。皮肉屋キャラのフェーマイエロー」
フェーマブラックとフェーマピンクは顔を見合わせて、フェーマレッドとフェーマイエローをなだめながら星研究所へとむかったのである。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
さあ、新星戦隊フェーマスターズのデビュー戦を描きましたが、チームワークは大丈夫なのでしょうか?
ガルファー団も雑兵だけで人類を制圧出来ると思っていたみたいで、フェーマスターズの出現は予想外だったのでは?
次回、ガルファー団はどんな手段で挑んでくるのか?
乞う、御期待!