エレメントに頼りすぎるな!
笘ダムで倒れた奈穂は精密検査を経て、矢島辰子医師の診察を受けていた。
「田代さん、血糖値が著しく低下しています」
「つまり、カロリーを消費しすぎたってこと? ま、戦隊ヒーローなんで」
診察室のパソコンに検査結果を表示させる矢島である。
「大事をとって一週間は安静にしてください」
「たばこは?」
「駄目です! 禁煙禁酒、食事は重湯のみです」
「マジか〜、そんなに弱ってんだ、私」
「星博士には私から伝えておきます。じゃ、入院の手続きを」
「にゅ、入院?!」
「24時間監視させていただきます」
奈穂は看護師に付き添われて入院の手続きをし、矢島は星に内線電話をかけた。
「星博士、フェーマスーツの装着は田代奈穂さんにかなりの負担を与えています」
「分かっています。だからこそ5人で構成したんです。検査結果を送ってください」
「はい、くれぐれも無理をさせないでください」
星は「失礼します」と告げて通話を切った。
「田代さん、こちらの病室で一週間過ごしていただきます」
看護師は奈穂に「電子たばこもダメなの?」と訪ねられると、
「駄目です!」
と強めに告げて退室した。
「あ〜あ、禁断症状でおかしくなりそう」
奈穂は入院着に着替えてベッドに入った。
同じ頃、喫煙ルームでは豪太、真一郎、里香が星から与えられた(本物の)たばこをふかしていた。
「奈穂、一週間安静らしいぞ」
「フェーマエレメントでスーツ強化して壁に体当たりして、フルパワーでバッテリー爆弾を引き剥がしたらしい」
「そりゃ負担も大きいわな、エレメントに頼りすぎるな! って事か」
真一郎はたばこを灰皿に押しつけて喫煙ルームをあとにした。
「大毅と相談でもするの?」
「まあ、頭脳明晰キャラだからな」
豪太もたばこを灰皿に押しつけて、もう一本に火をつけた。
「マグナンはアンドロイドだ。いくらでもコピー出来んだろうな」
「ガルファー団の本拠地を叩けって?」
「ザーシップって母艦も出来たんだ。チマチマとガルファビーストやロイド片付けるのって効率悪いだろ?」
里香はたばこを思い切り吸い込んだ。
「熱血な切り込み隊長としての腕の見せどころだ」
里香は天井に向けて煙を吐いた。
「私も付き合うよ、どのみち私らは転生させられてんだから」
里香がたばこを灰皿に押しつけて退室すると、豪太は「いけ好かねえ奴だが、他の奴らよりはましか」とたばこを思い切り吸い込んだのである。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます!
フェーマピンクこと奈穂はエレメントを多用した事で入院する羽目になりました。
果たして、フェーマスターズはガルファー団を壊滅させらるのか?
まだまだ、チームワーク抜群とはいかない真一郎らに待ち受けるものは何か?
では、次回もお楽しみ!




