タダでジュースって怪しいだろ?
「どう? カー3の乗り心地は?」
真一郎はフェーマカー3の後部座席にて、大毅の運転と奈穂のレーダー探査を凝視していた。
「まあまあだな」
「一応、疲労が溜まらないようにサスペンションで調節してるから」
「大毅、俺ら転生してて免許とかどうなってんだ?」
「星博士が申請してくれている」
「真一郎は細かい事気にしすぎ!」
奈穂はレーダーで監視を続けた。
「あっ! ガルファー反応よ」
「ガルファー反応? 何だそれ」
「そっか、真一郎はまだ知らないんだっけ?」
「星博士がガルファ兵の細胞から割り出した特殊な反応を察知するんだ」
「ガルファー団ってバカか?」
「まあまあ、やりやすいからいいじゃん」
真一郎は呑気な奈穂に呆れながらレーダーを覗き込んだ。
「この点滅してる箇所って、駅前の広場だよな?」
「よく分かるね? さっすが頭脳明晰キャラ!」
「キャラって言うな」
「真一郎、奈穂。小競り合いはそのくらいにしとけ」
大毅はフェーマカー3を停車させた。
「真一郎、駅前広場で様子を見に行ってくれ」
「敵に面割れて無いのは俺だけってか?」
「そうだ。様子だけ見て連絡くれればいい」
「臨機応変に対処していいよな?」
真一郎は下車して駅前広場に向かった。
「いいの? アイツ、好き勝手にやっちゃうよ」
「織り込み済みだ。真一郎の扱い方を知る絶好の機会だ」
「こっわ! お人好しの仮面被った司令塔」
「仕切り屋キャラだからな」
真一郎は駅前広場の自動販売機の前で行列を発見した。
「あんなに並ぶヒット商品ってなんだ?」
真一郎は最前列に移動し、メイド姿の若い女性が缶飲料を片手に無料キャンペーンである事をアピールしていた。
「ご通行中の皆様、新発売の『マグナムスパークリング』超刺激的な炭酸飲料! 中毒性間違い無しの商品となっております!」
真一郎はメイド姿の女性の顔を食い入るように見た。
「あの? なにか御用でしょうか?」
「どっかで見た顔だなあって」
「は、はあ? どこにでもいるタイプの顔ですから」
メイド姿の女性は「後ろにお並びください」と真一郎を行列の最後部へと誘導した。
「アンタんとこの株買おうかな?」
「株?」
「中毒性の高い炭酸飲料って、絶対バズるだろ?」
真一郎は行列の最後部にてメイド姿の女性に「今度飯でも行こう」とささやき、彼女を見送った。
「大毅、奈穂。聴こえるか?」
真一郎はフェーマウォッチの通話機能を作動させていた。
「聴こえてるよ、真一郎」
「タダでジュースって怪しいだろ?」
「最近、突然キレて人を襲う事件が多発している。捜査関係者によると犯人が『マグナムスパークリング』を愛飲していると言う共通点があるらしい」
「星のオッサンは警察関係ともズブズブだったな」
「もっとも麻薬反応とかはないらしい」
「そうか、まあ俺に任せてくれ」
真一郎は通信を切った。
「さっきの方、お待たせ致しました」
真一郎の順番がきて先程のメイド姿の女性がコインを渡した。
「このコインをあの自動販売機に入れて商品をお受け取りください」
「わざわざ自販機まで作ったのか、すげえ投資だな」
真一郎はコインを自動販売機に入れて「マグナムスパークリング」一缶を取り出した。
真一郎は缶を思い切り振って、メイド姿の女性に向かってプルタブを開けた。
「あっ! わりぃわりぃ」
メイド姿の女性は「貴様!」と真一郎に掴みかかった。
「悪ふざけが過ぎるぞ!」
「お前らの悪巧みを暴くためだ!」
真一郎は缶の中身を彼女の頭にかけた。
「おのれ!」
彼女を見て行列が一気になくなった。
「どうやらその飲料には機械を錆びさせる成分があるみたいだな」
真一郎は少し離れて缶を彼女に投げつけた。
「フン!」
投げつけられた缶が一瞬のうちに爆発した。
「まだ気が付かねえのか? マグナン!」
メイド姿の女性はマグナンが化けていたのだ。
「し、しまった・・・」
マグナンは真一郎を探したが、どこにも見当たらなかった。
「はーっ!」
フェーマブルーが空中からマグナンにキックを見舞った。
「うっ、貴様?」
戸惑うマグナンにフェーマウェポン・サーベルモードで斬りかかるブラックとピンクである。
「おのれ、フェーマスターズめ!」
ブラックとピンクに斬りつけられたマグナンは、右手をガトリング砲に変えてブラックら三人を攻撃しようとしたが、
「おーっと、俺等もいるぜ!」
フェーマレッドが駆るフェーマオート1とイエローが駆るフェーマオート2が、マグナンに激突していった。
「この間のお返しよ!」
フェーマイエローはオート2でさらにマグナンを跳ね飛ばした。
「こいつは私が片付ける!」
フェーマピンクは「ヤバイよ、アイツも」とブラックに耳打ちした。
「マグナンはイエローに任せよう」
フェーマブラックは自動販売機を指し示した。
「なに? サンプルでも取ろうっての?」
「こう言う事だよ! フェーマピンク」
フェーマブラックは自動販売機に向かって、フェーマウェポン・ショットモードの光弾を撃ち込んだ。
「うわっ!」
自動販売機から手足が出てきた。
「えっ? あれもガルファロイドだったの?」
「アイツは俺に任せとけ!」
フェーマレッドはオート1のスロットルを吹かせた。
「いくぜ! ガロ自販機!」
「わしはガロベンダーだ!」
ガロベンダーはコイン投入口からコイン爆弾を発射した。
「うわっ!」
コイン爆弾がフェーマオート1に命中、フェーマレッドはハンドルを握るのが精一杯になってしまった。
「くそっ! 自販機のクセに」
オート1が転倒しながらもレッドはフェーマウェポン・ショットモードを出現させた。
「喰らえ!」
フェーマレッドがショットモードの銃口をガロベンダーに向けた時、ガロベンダーがその場から消えた。
「何?」
フェーマレッドの前をフェーマカー3が通り過ぎた。ガロベンダーを跳ね飛ばしたのである。
「お前ら、いつの間に?」
カー3にはフェーマブラック、ブルー、ピンクが乗車していた。
「レッド、ガロベンダーは俺達が片付ける」
フェーマブルーはウェポン・サーベルモードを出現させて、ガロベンダーに向かってジャンプした。
「ブラック、ガロベンダーをロックオンしたわ」
「よし、カー3レーザー発射!」
カー3のヘッドライトから発射されたレーザービームがガロベンダーに命中した。
「ぐおっ! おのれフェーマスターズめ」
「ガロベンダー! 覚悟しろ!」
フェーマブルーはガロベンダーの頭上にサーベルモードを突き立てて、自らはガロベンダーの背面に降り立った。
「うぐぐっ、メインコンピューターが破壊された・・・」
「これで終わりだ! ブルースピンクラッシュ!」
フェーマブルーは指をパチンと鳴らしてウェポン・サーベルモードを高速回転させて、ガロベンダーの脳天からドリルのように潜り込ませた。
「うっ、これまでか・・・」
ウェポン・サーベルモードがフェーマブルーの右手に戻ってきてガロベンダーは爆発四散した。
「はっ、ガロベンダーがやられた」
マグナンもまたフェーマイエローによってかなりの損傷を負っていた。
「アンタもすぐ追いつくよ!」
オート2をマグナンに突進させるイエロー、だがその周囲で爆発が起きた。
「くっ! 逃げられた」
爆煙が消えるとマグナンの姿もなかった。
「大丈夫か? イエロー」
カー3でイエローに近づくブラックとピンク。そしてレッドを後ろに乗せてオート1を操るブルーも近づいてきた。
「今日は蜂の巣にならなかったみたいだな」
ブルーの問いに何も答えずオート2で走り去るイエローである。
「あ〜あ。ブラック、レッドが足を痛めたみたいだ」
「大丈夫なの? レッド」
「ちょっとオート1でやっちまった。そっち(カー3)乗せてって」
ピンクは手招きしてレッドを後部座席に乗せると、ブラックはカー3を発車させた。
「俺もバイク作ってもらおうっかな」
ブルーはオート1のクラッチレバーを握りギアペダルをローにして、スロットルを開きながらクラッチをつないだ。
「こりゃいい!」
基地に戻った真一郎は星に専用バイクを要求、青いバイク「フェーマオート4」を与えられた。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
相変わらずチームワークのよろしくないフェーマスターズ、なんとかガルファー団を退けてはいますが・・・。
果たしてガルファー団から人類を守りきれるのか?
次回もフェーマスターズを応援しよう!
では、乞う御期待!




