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半年ほどはあまり接触はしないようにと一定の線引はあった。
それが失くなってもしまったきっかけは体育祭や文化祭のようなイベント後からだ。
少年はとにかく協調性がない。
自己中心的とはちょっと違って他者とのコミュニケーションをまったくとらない。
それに無表情で無口で感情を出さないことや体の成長もなかったりで薄気味悪さだけが目立つようになっていた。
そんな少年の態度に腹を立てた数人の男子生徒が暴力という手段にでた。
少年は無抵抗で反応もなかった。
いじめが本格的に始まってしまったのはそこからだ。
そんないじめがあったため少年は暴力行為には慣れている。
学校の担任などはおそらく気づいてたはずだ。
見て見ぬふりをしていたので卒業するまでいじめは続いていた。
公立だったので余計なトラブルになることは全力で避けていくというサラリーマン教師が担任だった。
成績はトップ3以内をずっと維持していたので国立市にある東京都立国立高校に進学していた。
偏差値としては73もあるので少年が通っていた公立中学校から進学できたのは少年1人だけだった。
なので入学式では顔見知りは誰1人としていなかった。
これで少年の生活には大きな変化があった。
入学した時の少年の身長は148センチ。
体重は40キロ。
高校1年生男子としては小さすぎる。
女子よりも小柄だ。
現在は2年生になっているが体の成長はまったくない。
17歳になる男子としては小学生並の体型になる。
高校生ともなると中学生の年代よりは思慮分別が高くなる。
少年は自らを語ることはなかったが周囲では何かの病気であるだろうと言うような認識を持っていた。
そしてここでも成績に関しては学年でトップ3の常連だった。
高校は進学校でもあるので成績が上位ということは一目置かれることにはなる。
ただ、これは少年の性格によるものになるのだろうが、どうやら他者とのコミュニケーションを拒むタイプのようであると周囲からは認識されてしまっている。
少年にとってはそれで心地良いのかもしれない。
周囲では、無視ではないが少年とは積極的に関わらないようにといった空気が流れている。