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1-3

少年は逃げられないように大西にしっかりと掴まれて三鷹駅の改札を出た。

3人の男は切符だったが少年は律儀にスイカで出た。

3人の男たちが切符を手にしていたことから日常的には電車利用をしてないということがわかる。


「アニィ、本当にいいんですか?

わざわざ駅の外に出て•••

それに歌舞伎町に行かなけりゃならないのに•••」


「こっちの用も早く終わりすぎたし、向こうでの時間には早すぎるだろ。

どうせ向こうも遅れてくるだろうし•••」


3人の中のリーダー格である細川数也は慌てた様子もない。

始終落ちついている。

心配気味に訊いていたのが安田朋幸やすだともゆきという細川の片腕のような存在だ。

大西怜王馬おおにしれおまという男はこのチームに入って半年ばかりの新人だ。

年齢は19歳。

血気盛んな年頃だ。


この3人は暴力団関係者ではない。

といっても一般社会人、カタギでもない。

いわゆるグレーゾーンである反社と呼ばれる組織に属している連中だ。

基本的に暴力的なことには関与せず営利追求を最優先とする組織「ファントム」に所属している。

その中で主に詐欺を担当している「緑の墓」のメンバーだ。

リーダーは細川数也。

「緑の墓」の現在の拠点は武蔵野市吉祥寺にある。

北口にある建物の一室で極秘の集金活動を行なっている。


三鷹駅の改札を出て右に曲がった。

駅の北口へ4人は出た。

適当なビルの中に少年を連れ込んだ。

これで人の目や防犯カメラは気にしなくてすみそうだ。

荒っぽいことには多少は慣れている連中だ。


普段の細川ならこんな面倒なことはしない。

だが少年の目が気になって仕方なかった。

なんだろう、怯えがまったくない視線。

もしかすると精神疾患なのかもしれない。

それもあって一言も話さないのか?

妙な子供だとちょっと興味を惹かれた。

だから時間を割いてまでわざわざ駅の外にまで出ている。

ほんの戯れというか遊び心だ。

それに大西の怒りを治めるという目的もある。

新人としてチームに入ってきて半年ほど。

大人しくしていたのは初めだけ。

やたら血の気が多い新人だということがわかった。

今回も毒抜きのような意味合いもあって大西には好きにさせている。

そうしないと仕事上で支障が出てしまう。





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