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この世界では鬼が嗤う−桃太郎rebirth  作者: 弁財天睦月
「目覚め」

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2-3

そして、なんだろう、頭の奥のほうが熱いような不思議な感覚がある。

痛みではなく熱さがある。

これは昨日殴られて蹴られたための影響なんだろうか?

とっさに脳挫傷というフレーズが浮かんだが、どうやらそういうことではないらしい。


自身の体に起こっている変化がよくわからなかった。

突然どうしたっていうんだろ?

これは病院に行って検査でもしたほうがいいのかと思えるほどの激変だ。

でも頭が熱い以外の症状はない。


汗を流すためにかる〜くシャワーを浴びる。

頭からお湯で流しても頭の芯にある熱さは残ったままだ。

気分が悪いとかそういった他の症状はない。


今日はこれからどうするか?

昨日は立川駅の近くにある予備校で実施された模擬試験を受けに行ってた。

その帰りに理不尽な暴力を受けてしまった。

その時は確かに痛いのだが恐怖とかはまったくない。

暴力がどうして怖いのかは涼華には理解できない。

そういったことでも変わった少年であることは間違いない。


昨夜は何も食べずに眠ってしまったので空腹だ。

自分で作るか外に出るか?

朝からカップ麺よりもコンビニで購入を選んだ。

ドアを開けて外に出るともう体温と同じくらいの暑さだ。

せっかくシャワーを浴びて汗を流したのにまた汗びっしょりになるのは確定だ。

家から最も近いローソンまで徒歩5分。

往復時間と購入時間を合わせて約20分。

本当に汗だくで戻ってきた。

家に入る前にポストをのぞくと何通かの郵便物が届いていた。

昨日は取る余裕がなかったものだ。

その内の1通は涼華宛だった。

中学の同窓会の案内だ。

卒業して初めての同窓会になるのか。

来週ねぇとたいして興味もなさそうに冷やしうどんを食べ始めた。

涼華は封印されていた自身の感情が動き始めていることに気づいてない。



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