ビキラ外伝「タケノスケの冒険」の巻
回文ショートショートショート
「タケノスケの冒険」の巻
その毒キノコの突然変異体は、自をベニテンドンタケノスケと名乗った。
タケノスケは、菌根菌で地面を感染させながら、冒険を続けた。
あちらに菌輪を作り、こちらに菌輪を作り、ついに山ひとつを我が物とした。
しかし、山の外にも世界は広がっている。
(あっちにも行きたい!)
(あの、木もシダもない草原に行きたい!)
(あそこに行けば、山にはない何かがあるに違いないのだ!)
草原に広がる菌輪を妄想して、タケノスケは外の世界に踏み出した。
タケノスケは知識欲が旺盛だったのだ。
かのニンゲン類だって、そうやってテリトリーを増やしてきたと言うではないか。
そしてその草原には、ベニテンドンタケの毒素が大好物の魔人少女、ビキラがテント暮らしをしていた。
「あら、目の錯覚かしら。真っ赤なカサを揺らして、ベニテンドンタケがこっちに歩いて来るわ」
ビキラはそう言って、口の中に湧き出る唾液を飲み込んだ。
大好きな毒素はまだ、空中を漂ってこなかった。
(知識欲良き死地)
ちしきよく、よきしち!
日曜日(12月24日)クリスマスイブには、
ビキラ本編・第四十七話「夜祭りのピコピ」の巻
を、お昼の12時前後に投稿予定です。
本日、金曜日(12月22日)の夜半に、
「異物狩り」、第三話「煙龍」を適当に投稿予定です。
回文ショートショート童話
「のほほん」全111話にて完結済み。
よかったら、覗いてみて下さい。
馬鹿馬鹿しさは、保証いたします。




